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プロローグ
神様を信じると救われるという人がいる。
私は神様を信じるとか、信じないとか興味は無い。 願って幸せに成れるなら、世界から貧困や差別という言葉は無くなるから。
それに、神様がいるのなら、私にこんな力は与えないはず。
こんな力があったら誰も私に近寄れない。
そう思った。
「友達にならないか」
始めて、悪意のない瞳で、その言葉を聞いた気がした。
クラスでも人気者の彼が、どうして私に話しかけたのか、彼の友人たちも不思議そうな顔をしていた。
「えっと……それじゃ!」
彼はそれだけ言って戻っていく。
待って、行かないで!
神様、どうして私に人の心を読める力をくれなかったの……?