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神の腕輪  作者: 怠惰 真
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第3話

暗く不気味なろ廊下を進んでいく3人。


相変わらず女体の剥製いたるところに点在する。


悠介と龍の前を行き、炎で光を照らしている零士が立ち止まった。


「どうした?」


「あーこれ」


零士が指をした先に見るからに怪しい大きな扉があった。


「・・・ここの中か」


そんな事を俺が呟くと


「それ以外にねーだろ」


と、零士が返した


「2人ともこの部屋の中に入る気ですか?」


恐る恐る悠介が俺と零士に問う


「そのとおり、逃げたきゃ逃げていいぞ、これは親切心」


オイオイお前が悠介を巻き込んだんだろ・・・


「ま、やばくなったら、どうにかなるはず」


俺がそんな事を呟くと同時に、零士は扉を開ける




扉の向こうは、広い大広間、中央に大きな机その上に大量の豪勢な料理、一番奥に食事をしている嫌味なぐらい顔が整った男、その周りの無駄にエロい格好をした美人数人


「・・・・」


男はこちらに気が付いているが何もなかったように食事を続けている


数秒の沈黙を破るのはいつも・・・


「オイ、そこのスかした野郎!」


零士だ


「ここに『聖処女の魂』があるらしいな」


その言葉を聞いて男は食事を止め隣の美女からナプキンを貰い口元を拭く、そしてナプキンを美女に返し、また食事に戻る


「で、だ俺達はそれが欲しいんだよ、どこにあるか教えてくれれば勝手にとって帰る、誰も傷つかずに平和的に終了だ、教えてくれないなら無理やり聞き出すし、奪いもする、こちらとしては前者がいいんだが?」


零士が無意味な提案をしている、基本こういうヤツに、そんな事は無駄だろうに・・・


「あのー龍さんなんか天井にいる気が・・・」


悠介が怯えながら聞いてきた、天井に何かいる?上を見上げる


「!零士ッ上だッもう俺たちは奴の手の中だッ!」


俺が叫んだ時には、零士に黒い塊、いや群れとなって大きな塊に見えるコウモリがたかっていた


「チッ悠介どかっか隠れてろ!」


「えっちょ龍さん!なにを!」


悠介にそう言うと俺は駆け出し、近くにあった長いスタンドランプを手にする


理由?簡単さこのランプを媒体に『模倣』するため、ランプはグニャグニャと形を変え、俺の想像通りの形となる


―――青龍偃月刀ッ


「ダァア!」


零士にたかっているコウモリを薙ぎ払う


その一閃から銀の剣の刃が出てき、なぞるように一閃


「ウオェ、コウモリてくせぇんだな・・・」


「何言ってんだ油断しやがって」


それを見ていた、食事をしていた男は、驚いたような顔をしていた、だが食事の手は止めない


「まぁまぁ1つ分かったこともある」


大体予想できるが聞いてみる


「あの、スかした変態クソヤローは快く俺達に『聖処女の魂』を渡す気がないってことがなぁッ!」


完全に切れてる・・・そんなにコウモリ臭かったのか・・・・


「仕返しするのは、いいが、どうするよ」


「どうせ魔族だろ体内になんか創っても、一瞬で回復されるのがオチ」


今回腕輪の力でごり押しは無理か・・・


「コウモリだろ、コウモリ使役してるヤツてなんだ?」


零士が俺に聞いてくる


「そんなの有名なのだとヴァンパイアかサキュバス、インキュバスぐらいだろ」


「ソイツら下級悪魔とかの次元じゃねぇよな?」


「フッフハッフハハハハハッ!」


やっと食事を止めたと思ったらいきなり笑い出したぞ


「我の名はノート、夢魔、淫魔の王である、我を視て王と気づかぬとは、愚かよ」


「そりゃ悪かったクソ雑魚悪魔の王様よぉ」


煽るのかコイツ・・・


「・・・お主、『口の利き方』という言葉を知っておるか?」


「あぁ知ってるさ、『格下に対しての口の利き方』ならなぁ!」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・お前馬鹿だろ・・・」


零士がノートに向かってテーブルの上を突っ走る、零士は銀の剣をノートに突き刺そうとする。


ノートは、隣の美女の腕を掴み盾とする。


美女に銀の剣が突き刺さる。


美女の表情は愉悦。


銀の剣を抜き、零士が。


「なるほどな、オメーこの人らを魅了しているな」


「その通り、我が力によってこの雌どもは、我に尽くすことを至高の喜びと歓喜する人形、となっておる」


「悪趣味が・・・」


「ところでお主ら、『聖処女の魂』を奪いに来たろしいな」


「・・・・」


「そんな目で睨むではない、取り引きしようではないか?」


「取り引き?」


「我は、我に最も相応しい、妻を探して、数百年はこの世界におる、だが未だに見つからぬ・・・そこで我は思いついたのだ、見つからぬのなら作ればいいと」


「・・・つまり?」


「探してきてほしいのだ、我に最も相応しい妻となるべく存在になりゆる、手、足、胴体、顔、髪、肌、声、香、を」


「・・・なるほど、オメー御眼鏡にかなう、女体を持ってきたら、『処女の魂』をくれてやる、てか?」


「そのとおり」


「却下だ、入れ物を作ったとしても、魂がないなら、今オメーの周りにいるヤツらと一緒、ただの人形、魂胆はこうだろ『処女の魂をやると唆し、コイツらパーツを集めさせ、人形が出来た瞬間に魂を入れる、そいてコイツらを始末する』・・・まっ自信過剰な作戦、俺達がオメーに負けるはずはないが」




よし、いいぞ零士、そのまま引き付けておいてくれ


「悠介」


俺は物陰に隠れていた悠介を呼ぶ


「なんですか」


小さな声で悠介が返事をする、悠介のそばに行き、ズボンのポケットからナイフを取り出す


「いいか、あのインキュバスを殺す確実な方法は、不意の一撃だ、このナイフには、クラーケンの幼体を擦って作った麻痺毒が塗ってある、これをお前があいつに突き刺す」


俺はノートを指さした


「ちょっえ俺がやるの!?魔力もほぼ使えない俺が!?」


「単純な話、あいつは俺たちの魔力量ともう分かってるだろう、だからお前だ、圧倒的に魔力が少ないお前なら、『こんなやつに倒される訳がない』という自惚れ、慢心から隙ができるはずだ」


「いや、でも・・・」


「正直、お前は今すぐここから逃げた方がいい、だが、勝率が高いのはこの方法だ・・・逃げてくれても構わない」


うなずいてくれよォ頼む、悠介お前が頼りなんだよォ、そんな懇願を頭の中でしていると、悠介が悩んだ末、震え声で


「・・・やります」


「よし、ナイスだ」




「とっあぶねぇなぁ!」


零士は剣を振り回しているノートと戦っている。


ノートは美女を盾と零士の斬撃を防ぐ。


「ここならどうだッ!」


零士が、ノートの喉を掻っ切る。


瞬時に回復。


「だよなァ~」


「剣だけが我の手段ではないぞ」


「ッ!」


無数の美女が零士を羽交い絞めにした。


ノートが零士に近づき剣を振り上げる。


ノートの背中に痛み。


「俺を忘れてるぞ、インキュバス」


龍だ。


「ほう、話は終わったかね」


「離しやがれぇぇ!」


零士の腕輪が光る。


零士を押さえていた美女達が爆発する。


「・・・人間なら、体内に爆弾創って、爆発させたら、死ぬだろ」


血まみれの零士が言う。


「・・・それで、我を麻痺させる、だったな貴様の策は」


げっバレてる、はったりでも何でもいいスキを作るしかない、零士とアイコンタクトで合図を送る


「さぁどーだろうな、このまま俺と、零士でお前を殺すていうのも手だな」


俺と零士はジリジリとノートとの距離を詰める


着実に、ゆっくりと・・・


ッ零士がノートの足元を蹴った!


今だ


「ウ゛リャァッ」


俺は青龍偃月刀を体勢の崩れたノートの後頭部に叩き込む、手応えは


無いッ


ノートは自身を無数のコウモリに変化させ、龍の斬撃をかわした。


そして、同じ場所元の姿で現れた。


「まだだッ!」


零士の斬撃。


「こっちもッ!」


龍の斬撃。


乱れ飛び交う斬撃の数多を、体を無数のコウモリに変化させ、あるいは変化させずにすべて避けるノート。


「当たりやがれェ!」


「クソがッ!」


「「!」」


全ての攻撃が避けらる2人に、零士には拳、龍には斬撃が襲い掛かった。


そして、殴り、斬り飛ばされる2人の視界にナイフが見えた。


よし、当たれ、奴は俺と零士に攻撃して、勢いで一瞬だがスキが出来ている


ノートは人間が物理的に不可能な方向に首を曲げナイフをかわす。


「チッ軟体動物かお前はッ!」


「こんなもの」


余裕の表情でかわすノートが心底腹立たしい、次の策を・・・


「いいや、龍、策は要らないぜ・・・」


ない言ってんだ・・・ナイフは、はず・・・


フッ飛ばされいる零士の足元に丁度ナイフがあった


だが、どうやって当てる?コウモリになって避けられるぞ


「こうするんだよォ!」


零士の腕輪が光る。


ノートを囲うように球体状に麻痺毒を塗ったナイフと同じデザインのナイフが隙間なく現れる。


「これなら、コウモリになろうが逃げられない」


そして、零士が足元のナイフをノートに向かって蹴りつける。


「龍!」


「オウッ!」


龍の一閃で零士が作ったナイフが弾かれ、麻痺毒をうけ身動きが出来ないノートが現れる。


そして、龍が持っていた青龍偃月刀がグニャグニャと変化し。


―――方天画戟ッ


「じゃぁなインキュバス」


ノートの頭が飛んでいき、ノートは砂となって崩れた。





あれから、ビンの中に入って輝やいて浮いてる、白い球体を見つけた、これが『聖処女の魂』らしい


で、今はいつの間にか気絶していた悠介を背負って、例の空き家から出てきた


「こいつ、気絶するほど怖けりゃ逃げりゃいいのに」


俺の背中で気絶している悠介をみて零士が言う


「さぁな、こいつにも色々あるんじゃないのか?」


「ま、そうだろうな」


あの状況で震えながらでもこいつは『やります』て言った、そして実行した・・・こいつは受け入れてるのか、この予想外の現実を?


それは、こいつ、鳴海悠介しか知らない


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