第1話
最近よく、都市伝説や、噂好き、が集まるネット掲示板で、『白い魔法使い』を目にする
人が多く集まる集会などで突如現れ、その中の1人だけを殺し、一瞬で死体もろとも消え去る魔法使い
その魔法使いの見た目は、黒髪の180㎝超えで白いローブを着た魔法使い・・・・
・・・・俺だな・・・俺だよなぁ
まぁいい、所詮は噂程度の話
PCを閉じ、図書館から出て1階の喫茶店に向かう
「だーかーらー違うってんだろ、こうだ、こう!」
「わかんねーよ龍さん!」
降りてきたら悠介と龍が言い争っていた
「いいか、よく見ろ、まず自分の理想の剣の形をイメージしろ、そして、このフォークはその剣と思い込むんだ・・・・ほら」
龍が手に持っていたフォークが同じサイズの小さいな剣になる
「何が『ほら』だよ!できねーよ!」
そう言って悠介は自身の手に持っていたスプーンを手放す
「何してんだお前ら」
「いや、こいつが自分の武器が欲しいて、言うから」
この無駄に筋肉のある茶髪は、柳崎龍、見た目からは分からんが相当頭がいい
「魔力の使い方を教えてくれる、て龍さんが」
でコイツは、鳴海悠介、色々あって今この喫茶店の常連だ
「・・・なぁ龍、分かってると思うが、お前の『模倣』は誰にでも出来るわけじゃ」
「・・・・・」
龍は『そうだった』と言わんばかりの顔で固まっている
「え?どうゆうことだよ、零士さん!」
「・・・魔力てーのは、1人に1種類『属性』ていうモノがあるんだ、属性は似てる似てないはあるにしろ、絶対に同じ属性持ちが2人以上いることはない」
「つまり・・・?」
「お前は、龍と同じように物体を武器に変えることは絶対にできない」
「・・・・りゅーうーさーんー」
珍しく悠介が切れた
「なにーケンカー?」
「また兄さんが変なモノ作ったんじゃないですか」
アイネと麗奈が入口の扉を開け中に入ってきた
「ちげーよ、コイツだコイツ」
俺は、龍を指さす
「いやお前ならできる!出来るて!・・・・多分・・・」
「多分てなんだよ!零士さん絶対にできないて言ってたぞ!半日間ずっとフォークとにらめっこだよ!」
悠介が龍に襲い掛かる
「すまん!すまんかった!薄々気づきてたけど『属性の影響で出来ない』て・・・」
ヘラヘラと笑いながら龍は悠介の鉄拳を避ける
「もー『店番してて』て言ったのにー」
この髪の長い女性は、アイネイアス・アディンセル、略称はアイネ、・・・自分で言うのも何だが前世で俺とアイネは婚約してたらしい、アイネはその記憶がある
「この馬鹿達に任せたのが失敗ですね、ボクが残ればよかった」
ちっこい方は俺の妹、鏡麗奈、まぁ小さい、小学生に間違われる事が多いが中学二年でうっすら中二病
「馬鹿達て酷いな・・・」
「兄さんも入ってるよ」
「・・・・・・それは、酷いな・・・」
「2人ともリュウとユースケ止めるの手伝ってよー!」
アイネが喧嘩している龍と悠介を止めようとしている
「義姉さん、ソイツら止めるにはこう」
龍と悠介の頭の上に、大きな宝石が現れ、落ちる
「これでよし」
妹よそれでいいのか、それで・・・
気絶している2人はアイネと麗奈に任せるとして・・・
「外出てくるんで、あとよろしく」
「ちょっとこの2人放置なの!」
「義姉さん、無駄だよ、てかもういない」
「もー!」
さて、外に出てきた理由は君島優美と言う『情報と言うのモノなら何でも売ってくれる情報屋』に会いに行くためだが
なんだ、やけに人が多いな
「戦争反対ー!」
「はんたーい」
デモ活動か、ま俺には関係ないね、早く君島さんのとこ行かねーと・・・
デモにいきなり車が突っ込む。
マジかよ、ここはスルーしよう、メンドクサイのは勘弁だ
「オイ、にーちゃん」
零士の後ろに金属バットなどを持った数人の男が立ってていた。
「あーハイハイ、渦中の人は俺と・・・」
零士は、後頭部を金属製の何かで殴られた。
零士は、途切れる意識の中デモに突っ込んだ車から自分を殴った奴らと似た服装の人が出てくるのを見た
これは、完全に巻き込まれたな、ここは何もしないのが得・・・策・・
喫茶店edge
「そういや、零士さんいつも、あの白いローブ着てるけど、外に出るときとか目立たたないの?」
気絶から目が覚めた悠介が龍と頭を氷で冷やしながら問う
「あのローブは、魔力を扱わない存在には見えないよ」
アイネが答える
「じゃあの剣とかは、魔力を扱わない存在にはどうみえてんのさ」
「何もないとところから、いきなり現れて見えるらしいよ、ワタシはその状況見たことないけど」
アイネさんは、元から魔力が使えたから見たことないのか、と悠介は1人で考える
「・・・って、て、あんな強く殴ることねーのになぁ」
零士が気が付くと、薄暗い部屋の中にいた。
そこに、零士以外の、捕まった人達が2~30人程いた。
「あんた、気が付いたかい」
「・・・誰だ?」
「いや、そんな警戒しなくてもいいじゃないか」
「そうだな、で誰?」
なんだ、コイツこの状況でやけに冷静だな、ほかの奴らは、音一つ上げねーのに
「僕は、ちょっとしたデモ団体のリーダーさ」
「あぁ・・・」
あの時のデモのリーダーねぇ・・・
どうやら、両手首に壁に繋がれた腕輪で拘束しているようだ
「なぁ君少し手伝ってくれないか?ここから全員を助けるために」
「・・・・なんか、当てがあんのかよ?」
「ある、犯人たちがここに来たら僕のいう事を全面的に同意、肯定してくれ」
「・・・・?あぁわかった」
何言ってんだコイツ
正直、腕輪の力や魔力使えばどうにでもなる状況、だが、俺をこんな状況に貶めたヤツが許せ居ない、俺が直々に罰を下してやるよ・・・・
ガキっぽい?結構、何と言われようが構わんね
ガチャと零士達のいる部屋の唯一の扉が開く。
そこには、一言で言うならチンピラが立っていた
「やぁやぁ諸君、君たちがこうなっているのは分かるね?」
チンピラが捕まっている1人の近くに腰を下ろし問う。
「・・・なぁ!」
チンピラは、その人の髪を掴み、顔を上げさせる。
「ヒッ・・・わ、わかりません・・・」
「わからなぃ、なら教えてあげよう!」
チンピラは待っていた髪を引っ張り、その人の顔面を壁に叩き付けた。
泣き出す人、唖然とする人、状況が呑み込めてない人。
しかし、零士に話しかけた、男は違った。
「な、なぁ!こんなことをして何になる!」
「あ?」
「こんな無意味な事はやめよう!僕は君の事が知りたい!だから暴力ではなく話をしよう!」
チンピラは男の前に行き。
「・・・・馬鹿じゃねーの?」
チンピラは懐に持っていたハンマーを振り下ろした。
「うっ・・・」
「おーすごいねー気、失なわないんだ」
「は、はなしを」
「じゃぁもう一発」
男はハンマーが振り上げられると零士にアイコンタクトした。
コイツ、馬鹿か?この状況で話をしようだと?まさかアイツの言っていた『当て』てこの事か?そうだとしたら・・・いや、あの確信を持った目はそうなんだろ
馬鹿にも程がある、殴られて当然だな・・・・お前の作戦には同意できねーよ・・・
男は疑問に思った、『なぜ、僕の言う事に同意してくれない、そうすれば全部上手くいくのに』。
しかし、いくらアイコンタクトしようが、零士は動かない。
ハンマーが振り下ろされ男の頭に再び当たる、直前、止まった
「お前、今あそこのに、何か合図送っただろ?」
「いや、違うんだ!」
「オイ」
チンピラが部屋の外に大声で声をかけると、巨漢が数人出てきた。
「コイツとソコのの奴をだせ」
チンピラは巨漢に零士と男を指名し、外に出すよう命じる。
零士達は、手錠と目隠しをされ巨漢に連れていかれる。
少し歩いたな・・・目隠しされてちゃどこかわかんねーよな・・・
「テーメ―らさっさと歩け!」
さっきのチンピラの声が聞こえる・・・付いてきたのか
「よしここだ、座らせろ」
いきなり、前から押された、びびるてーの・・・さて何かに座らせられたようだが・・・
零士達の目隠しが取られる。
手足を拘束された椅子に座らせられていた。
零士と向かい合う形で、少し離れたところにあの男が、同じように座らせられていた。
「電気椅子てしってるよなぁ?お前らが座ってんのはそれだよ」
どこからともなくチンピラの声が聞こえる、放送だな・・・
「お前らには今からゲームをしてもらう、ルールは簡単・・・・・!?」
「フゥーそろそ堪忍袋が切れそうだ」
チンピラが驚いたような声を上げる。
理由は簡単零士が電気椅子の拘束を解き立って伸びをしていたからだ。
「あーまぁ見えてるよね」
零士は、ぐるっとあたりを見回し監視カメラを見つける。
「これで見てんのか」
零士がカメラのレンズをのぞき込む。
「え?」
カメラ越しに零士とチンピラの目が合う。
零士は、軽く右手を伸ばし。
「コッチにこい」
ドシュッという音と同時に、チンピラが零士の手の前に現れる。
「は?」
「え?」
チンピラとリーダーの男は、今起こった事を理解できていない。
「で、だ・・・お前ら?いや、お前か、目的はなんだ?金か?」
「・・・・ッ、も、目的だと?クク、イイだろう教えてやるよォ」
チンピラは今の現象に驚いていたが平然を保つ。
「俺の目的はなぁ・・・この世を支配する事!なんだよォ!この世には力がないヤツらが多すぎる!しかし!そいつらがこの世を支配してしまっている!」
「そ、そんなんじゃ!支配者がいたら平和なんてありえない!」
リーダーの男がいきなり声を上げる。
「へーいーわー?お前今、『平和』て言ったのかぁ?」
「あ、あぁ」
「馬鹿馬鹿しい!平和てーのはどいうモノか知ってんのか?」
「・・・同じ立場になり平等であること・・・」
チンピラの拳が1発、リーダーの額に当たる。
「平和て言うのは、なぁ同じ者同士の約束やルールじゃねぇ!圧倒的力による支配を受け入れることだ!」
「・・・・・へぇ、じゃお前その『圧倒的力』てーのが在るのか?」
零士が何かを見透かすように問いかける。
「あぁ!あるさ!この力!」
チンピラがそう言うと、チンピラの手から炎が上がる
「この力で!俺は支配してやる!日本を!アジアを!世界を!」
やっぱりな、あの巨漢の奴らがこいつに従っていたのは、このチンピラが魔力を扱えるためか・・・だが扱えるっても見た感じ『体内にある魔力の放出』だけだな、基礎中の基礎しかできないようで支配ねぇ
「お前、馬鹿だろ?」
「あ?」
「そんな事・・・」
そう言って零士は、手から軽く炎をだす
「俺でもできる」
「・・・・ァ・・・ア、アハハハハハハハハ!いいだろ!お前と俺!どっちが支配者に相応しいか!殺し合いで決めようじゃないか!」
チンピラは零士の方に両手を向け炎を放つ。
「そうだな」
零士が、呟くと放たれた炎が氷塊となり砕け散る。
喫茶店edge
「・・・・皆、各々『属性』て把握してるの?」
悠介が、ふと誰に問うでもなく言葉を発す。
「もちろんだ、俺は、『模倣』自身が触れたものを真似できる、相当、拡大解釈可能で例えば『漫画の中に出てきた武器』もその漫画を『読め』ば模倣できる」
龍が答える。
「なにそのチート」
「しかし、模倣するには、媒体が要り、模倣したいものと大きさが大体あってないといけない」
「へーでもチートには変わりない」
「私は『初期化』ていう、よく解らない属性なんだー」
アイネがひょっこり顔お出す。
「ボクは『変化』、この手帳に書いてある紋様とか魔法陣を通して、存在を宝石とかクリスタルにするんだ」
アイネの後ろにいた麗奈が答える。
「麗奈ちゃん・・・存在を変えるて・・・」
「そのまんまの意味だよ」
「あれー私の興味なし!?」
「・・・だって、ねぇ?」
悠介は龍に目を向ける
「アイネ、自分の事をよく理解しよう」
龍が優しくアイネに言う。
「なんですとー!」
今度は龍とアイネが喧嘩を始めそうだ。
「じゃぁ零士さんの属性は?」
言い合っている二人をよそに、悠介は、麗奈に問いかける。
「兄さんのは、『創生』」
「作った、今お前が出した炎を素材に同じ形の氷を」
「な、なにをぉ!したぁ!」
チンピラは更に零士に炎を放った。
「だからー」
今度は、炎が零士に触れる直前、消えた。
「お前の炎を素材に作ったんだよ、今度はただの酸素を」
「なっなにぃい」
「お前ここ見えるか?」
零士は右手を胸の前に持っていき、左人差し指で右手首を指さす
「ッ今度何にもさせねぇ!作っただか何だかしらねぇが!その光ってる手首切り落としてやるぅ!」
「え、光ってる?」
リーダーの男はチンピラがなぜ、『光ってる手首』と言ったか理解できなかった。
当然、魔力を扱わない者には、『神の力』は見えない。
「この腕輪は、使用者の『力』を強化、変化させる、つまり」
チンピラの胸の中ら鋭く尖った鉄塊が突き出している。
「俺の『創生』の力は素材がないと発動しない、だが、この腕輪の力で強化、変化し、0から1を、無から有を、作り出す力に変える」
「なぁにっをっ・・・ゴハッ」
チンピラの胸から鮮やかに鮮血が噴出している。
喫茶店edge
「ずっと疑問だったんだけど零士さんの腕輪ってなにができるだよ?」
「・・・あれは、『何でもできる力』だよ」
悠介の質問に麗奈が答える。
「はぁ!そんなんだったら」
「と、言っても腕輪に意思があって相当気まぐれでね」
「・・・・・」
悠介は黙った。
「兄さんが持っている腕輪は、使用者が『発動』すれば、単純に『属性』の強化ができるんだ」
麗奈は続ける。
「『何でもできる』て言うのは、使用者の精神に相当依存していて、普段の精神状態じゃ、空間の移動、位しかできないよ」
「普通の精神状態じゃなかったら?」
「因果とかは簡単に、操作出来るんじゃないかな?」
「・・・嘘だろ・・・・」
「まっ『腕輪の意思』と『使用者の精神状態』がかみ合わないと、移動に便利な道具、て感じだよ」
「お前の体の内部に、それ、を生み出した」
零士は、血反吐を吐いているチンピラから突き出ている鉄塊を指さした。
「そういや、『平和は圧倒的力による支配』て言ってたな、その事には、同意するよ、でもな、支配するのはお前じゃない」
零士は右袖から銀の剣を取り出す。
「俺以上の存在だよ」
零士はチンピラの首を切り落とした。
「ひぃい」
リーダーの男は、恐怖している。
「さて、ここから出るには・・・どうするか」
零士は、男の拘束を解く
「ハァ・・・・ハァ・・・」
男は緊張からか疲れ切っている。
「俺はこの死体と一緒に消える、お前と他の捕まってる人は・・・」
零士は、剣で床を傷つけ、魔法陣を描いた。
「さて」
魔法陣の中に捕まった人たいが召喚された。
「え?」
「ここどこ?」
「!・・・リーダー!」
「無事だったんですね!」
捕まっていた人たちが男に詰め寄る。
「とりあえず、アンタらがデモしてた所に送るは」
そう言うと、ほとんどの人が『何言ってんだコイツ』という顔で零士を見た、一人を除いて。
魔法陣が光り、零士以外の人は光に包まれる。
「な、なぁ君は一体?」
リーダーの男が問う。
「・・・・うーん、そうだな・・・あ」
何かを零士は思い出した。
「『白い魔法使い』て知ってるか?」
「・・・確か、180越えで、黒髪の白いローブ・・・」
零士がパンッと手を合わせる。
「白い・・・ローブ・・・」
零士は軽く手を広げ、どうだ、と言わんばかりの表情で立っている
「集団の中の1人だけ殺して、死体と消える・・・・」
「噂通りになっちまったなぁハハ」
「・・・・・」
男は頭を抱える
「さて、そろそろ送るか」
「待て!おま」
「じゃぁな、名も知らぬリーダーさん」
光が収束し消え、中にいた人たちも消えた。
「さて・・・この死体はいらねぇなぁ」
零士は死体に触れる、すると死体は、水となった。
「とりあえず、外出るか」
零士はその部屋から消えた。
「・・・もう夜じゃん・・・・帰るか」
翌日、デモ団体が襲撃されたという事件が報道された
だが、世間は何も変わらない
そのデモ団体のリーダーは自殺した
自室での首つり自殺、彼の部屋にあったノートには『力』という文字が大量に書かれていた
だが、世間は何も変わらない