表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

01 孤独

猫を飼って存分に触りたい。特に肉球。にくきゅー。

ああああああああねこおおおおおおおおおお!!

※作者は病人です。これは発作ですのでお気になさらず。

昔から、人と話すのが苦手だった。楽しい気分も、悲しい気持ちも、感動も、涙も、ぼくは打ち消してしまう。


『人を無表情にさせるロボット』


それがぼくのあだ名だった。


でもそれでよかった。気にしてなかったんだ。コミュ障、って言うんだっけ。ぼくはそれらしいから、相手から話しかけられないのは気楽だった。


・・・彼女に逢うまでは。



***********



ぼくは、病院に来ていた。母親の見舞いだ。父親はぼくが生まれる直前に他界した。「元」親友に騙されて借金を抱えてしまい、殺されたのだ。


つくづく、人を信じてはいけないと思う。


(けい)、どうしたのぼーっとして?」


「あ、いやちょっと考え事。」


「お父さんに似たのかねぇ、思慮深い子だものねあなたは。」


うふふ、と母さんは笑う。痩せ細った体と、しわしわの顔で。


「あなたのお父さんはね、そりゃあもうかっこよかったんだから!」


「はいはい。そうだね。」


いつもの惚気(のろけ)が始まる。見ての通り、母さんは今でも父にぞっこんだ。


・・・すぐ離婚するカップルが多い世の中、なぜ両親のような夫婦が一緒にいられないのだろう。


本当に腹が立つ。


「・・・それでね?お父さんが私に、「結婚しよう」って言ってくれてね?もう・・・」


殺風景な病室に、母さんの明るい声だけが、優しく響いている。


ぼくはそれを聞いているだけで、しあわせだった。




***********



「じゃあ帰るよ。またね母さん。」


「うん、帰り道気を付けるんだよ?」


「分かってるよ、ありがと。」


景がいなくなると、看護師が口を開いた。


「本当に親孝行でしっかりしたお子さんですね。」


「ええ、ありがとう。・・・でも、心配だわ。私が死んだ後、誰があの子の隣にいてくれるのかしら。あの子は世界を恨んでる。なにかのきっかけでそれが愛や感謝に変わればよいのだけれど・・・。そうだ!看護師さん、ちょっとお願いを聞いて下さる?」


「なんでしょう?」


「あのね・・・」



************



《一年後》


ぼくは高校生になった。そして、母がこの世を去った。入学式当日だった。もちろん欠席し、ぼくは最後を見届けた。最後の言葉は、


「あなた自身と、あなたを愛してくれる人を、本当に、大切に、して、ね・・・・・。」


だった。


涙は出なかった。いずれこうなる事は予想できていたからだ。


ぼくは、天涯孤独(親なき子)になった。


ここまでお読みくださりありがとうございました!

うん、恋愛未経験者が書く恋愛もの(?)だけど、楽しんでくれたら嬉しい!

感想待ってます!たぶん5話か10話で終わります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ