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りんごの木

作者: CAT

りんごの木


私は教室の窓から見える景色が好き


それは教室の窓から見える一本の木を見ているから


親友である幼馴染の夕紀と同じ高校に入学した


私の毎日はとても平和だった代わり映えしない毎日


彼氏も出来たし友達も増えたクラブだって楽しい


でもなにかが足りない気がしていた


べつに不満があったわけじゃないけどなんとなく退屈だった


高校生三年の秋もう半年もすれば卒業


クラスのほとんどが大学や専門学校に行くらしい


私は進学する事に決めていた


そんな時ふと教室の窓から見える一本の木に気付いた


何の木だろう入学前からあったその木いつも見ていたはず


何で気付かなかったのだろうすごく大きくて立派な木があった


桜の木にならもう少し早く気付いたはずだし松の木にも見えない


何の木がわからなかった私は木に名前をつけることにした


りんごの木


その木には小さな実があったとても小さな実が小さいりんごの形をしていた


本当の名前があるのだろうけどりんごの木も見たこと無いけど


私は最近独りで考え事をしている時間が増えた


友達からも彼氏とうまくいってないのとか言われる


親友の夕紀とも話をしなくなっていた


私はみんなが一生懸命生きているように見えてまぶしかった


みんな就職や進学の話をしている


少しずつ教室の窓の外を眺める時間が増えていたりんごの木を見る時間が


そうするとなんだかりんごの実がかわいく思えてきた


強い雨が降って実が取れそうになっても必死にしがみついている


台風が来た時もりんごの実一生懸命飛ばされないようにりんごの木にしがみついている


その小さな実を守ってやりたくなった何ができるのだろう


よく見ると


その小さな実は小さな枝に支えてもらって周りには葉っぱがいっぱい


私は少し悲しくなった私はだれにも支えられていないのではないか


私は風邪をひいて学校を休んだ今日みんなは何をしているのだろうか


私は学校に行くのが怖くなった一人自分の部屋のベッドで寝ていると


親友の夕紀がお見舞いに来てくれた私は夕紀に尋ねてみた


私「夕紀は毎日楽しい」


夕紀「楽しいけどどうかしたの」


私「今日はどうしてきたの」


夕紀「心配だったからあんたが風邪で学校休むなんて」


私「ありがとう」


夕紀「ありがとうなんて親友でしょ私達」


私と夕紀はしばらく話していた


夕紀「じゃあ明日は教室で」


私「うん」


私は夕紀が帰った後ちっとうれしくなった


学校を休んでもだれも気にも留めないと想っていたから


次の日学校に行くとクラス何人かが声をかけてきた


最近元気ないみたいだったから心配してくれていたらしい


私はりんごの木を見に行くことにした学校の中庭にある一本の木


小さな実をいっぱいつけて


そこには小さな花が咲いていたりんごみたいな形の実から


小さなとても綺麗な真っ赤な花が


まるで本当にりんごの花じゃないかと想うほどに赤い


小さな花が私はすこし元気になった


小さな自分にも心配してくれる人達がいる


小さな種にも支えてくれる枝や葉っぱがついている


そしてとても綺麗な真っ赤な花を咲かして


私のりんごの木りんごの実りんごの花りんごの枝りんごの葉っぱ


私は東京の大学に進むことにしたそれは自分で決めたこと


親友の夕紀とは離れ離れになるけど大丈夫


今の私はあの小さなりんごの実だけどいつか綺麗な花になってみせる


いろんな人に支えられて


そしていつか…迷っている人を支えられる人に




小説…小さな物語である。


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