命名 シラユリ
区切りが悪いため短めです
よくみると狐はボロボロだった。
土汚れで全体的に汚いのは分かっていたが、ここまで傷だらけだとはわからなかった。
何か野生生物に追い回されでもしたのだろうか?
とにかく傷が早く治るよう餌を与えて自然治癒を試みることにした。
「体を洗ってやらないとだな……」
清潔は一番だ。
こんなに汚いと治るものも治らない。
狐の方も俺を信頼してくれているのかこれと言って
暴れたりしない。
物分かりの良い子だ。
体を洗って分かったことがある。
この子、毛皮がすごい。
綺麗だ。
だが水に濡らすとかなりほっそりしていることがわかってしまう。
今が痩せているからというのもあるだろうがそれでもだ。
きちんと手入れをすれば見違えるほどになるだろう。
狐は神様の使いだと聞いたことがある
俺の目の前にいる子はとても美しい。
気品にあふれている。
神様の使いと言われたら信じてしまいそうな
くらいだ。
可愛がってやらねば。
名前を考えることにした。
この子は相棒だ。
名無しなんて考えられない。
「名前、何がいい?」
「キュイ!!」
……名前は大事だ。
一生をかけて使うものだから。
だから餌じゃないんだがな。
この狐、やりおる……。
俺の話すたびに飯をねだってくる。
あまり与えすぎても体に悪いだろうから程々にしておきたい。
……綺麗な瞳。
自制心は聞かなかった。
「また獲物を刈りに行かなければならないな。」
多少の苦労が増えようとも俺は幸せだ。
……忘れていた。
名前だ。
名前をつけねば。
何がいいだろうか?
安直かもしれないが見た目からつけたい。
白い綺麗な毛皮だ。
何か周りにヒントはないだろうか?
「……シラユリ。
シラユリはどうだろうか?」
都合よく周りにはユリの花が咲いている。
オレンジや白、大小さまざまな花畑だ。
狐と見比べても見劣りしないくらいには美しい。
俺に後悔はない。
狐も喜んでいるように見える。
こうしてシラユリと呼ぶことになった。
「それはそうとしてだ。」
目の前にはユリがある。
オレンジのはオニユリというやつだったか?
なんにせよ食べられる。
いくつか回収することにする。
「畑を作って量を増やすのもありだな。」
食糧の選択肢が増えるのはありがたいことだ。
旅を続けることにした。
いつまでも立ち止まっているわけには行かないのだ。
人里まではもうすぐな気がする。
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