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4.匂いを辿って



 ピートが全力で森を駆け抜け、村からの逃走を図っている最中、盗賊達は意気揚々と眠りについているはずのエルフの少女(盗賊達より年上だけどエルフ的には少女)に奴隷契約書に血判を押させようとしていた。

 眠っている間だろうが血判は血判。魔法としてはそれで十分で、そこに契約者達の意思などは介在せず魔法文字によって編まれた契約書の内容を確実に履行する。2つ以上の行動不能化の状態異常を仕掛けたのも、2つの状態異常を高レベルで備えている人間などほぼ存在しないから。さらに薬が片方でも、多少なりとも効いていれば数で囲んで押せる。そうして押し潰した後に、無理矢理にでも血判を押させればいい。つまり、薬が抜けた後の行動を制御できるこの魔法と契約書の効果あっての行動だということだ。

 しかし、盗賊達は知らなかった。少女は2つどころか全ての状態異常の影響を一切受け付けず、彼ら程度の力量ならば数さえもモノともしない。そんな、定義によっては神にさえ分類される、最強の人類の1人《1柱》であったことを。強さを知らなかった、測れなかったそのツケは、跡形もなく村ごと消滅することによって支払われることとなった。




◆◇◇◇◆




【魔法スキル】

 魔法はスキルに包括されています。

 今回主人公は盗賊達は火系の魔法で蒸発させ、建物は風で吹き飛ばし、建物の基礎部分や井戸は土系の魔法で破壊して埋め立てました。なので謎に燃え尽きた痕跡のある広い空間が存在するだけで、そこには村があった痕跡はまるで無くなっている。

 恐怖を感じる間もなく逝ってしまえるなんてなかなか幸運な盗賊たちでしたね。




◆◇◇◇◆





 村を消し飛ばした後、ピートさんの後をふわふわくんに乗ってだらけつつ追いかけていた。とはいえ、結構なスピードで逃げたのか、匂いを辿っているはずなのに全然追いつけない。まぁ、気長に行こう。いずれ本隊と合流するとか駐屯地や街に報告に戻るとかするだろうし、追っていればいずれ人里に辿り着くでしょ。

 ただ、仮に街に着いたとして問題が2つある。

 まず街に入るために何らかの身分証を求められる可能性。当然持っている訳ないので、その場合は口八丁手八丁で誤魔化すとか、ピートさんに頼るとかしなきゃならない。まぁ最悪スキルで壁抜けとかすればいいか。

 問題その2、お金がない。いや正確にはゲーム時代のお金はあるし、取り出せる。けどそのゲーム時代の硬貨を使えるかどうかは別問題。ファンタジー物定番のギルドなんかがあって、そこで買取とかしてくれるならお金の調達はどうにかなりそうだけど、過程に仮定を重ねた希望的観測だしあんまり当てにしない方がいいかな。

 しかしそうなるとお金はどうしようか。まぁ、解決策を思いつかなかったら詰みだね。街の近くに穴でも掘って住もうかな。ほぼ全てのスキルを使えるゲーム廃人の私ならそこらのホテルとか宿屋よりも豪華で住みやすい洞窟を作ることもできるし、そっちの方がいい気さえしてきた。


 思考が変な方に行きつつあったが、着実に匂いを辿っていた私は匂いの先にたくさんの気配がある事に気がついて少し気を引き締めた。




◆◇◇◇◆



 壁抜けはバグではなく、そういうスキルがいくつかあります。例えば、土や石と同化するスキルを用いて壁と同化したあと反対側に出て壁を無視したり、単純に短距離転移で壁の向こう側に行ったりなどです。

 バグではないです。決してバグではなく仕様です。



◆◇◇◇◆




 ピートさんの匂いを辿った先にあったたくさんの気配は騎士の駐屯地だった。先に帰ってきていたピートさんに紹介してもらって、駐屯地で過ごさせてもらっている。話を聞くと、どうやらあのむらの征伐のために作られた駐屯地のようだ。

 素直に事情を話してごめんなさいした、のだけど………。


「正直、疑わしいと思っている。貴女が1人であの盗賊村を消し飛ばしたなどと。ピートと共謀して私を謀ろうとしているのではあるまいな?」


 絶賛、駐屯地の責任者に疑われています。


ふりがなつけるの面倒すぎるのでやめます。

それと、普通にこの先どうしようか何も考えてないので、なんかアイデアないっすかね?


感想や評価など、頂けましたら幸いです。

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