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抱き込み

「な、な、なっ・・・・」

「ファーストキスだったかしら?」

「そんな、の」

「私もよ」

「え?」

「女同士ならノーカウントにしましょ」

ポカンとする周囲を尻目に私は続ける。

「私ね、命を粗末にするの大嫌いなの。今度ファーストキスは返してあげるから、今は死のうとするのはやめなさい」

「・・・・はい」

「というわけで、先生方。今回は今後のケアをお願いしますね?」


ざわざわと喧騒に巻き込まれるのはごめん、とお弁当を置いてある場所に戻り片付けをし始める。

そこにすみれ、蘭、明がやってきた。

「ちょちょ、さっちー。やるねー。まさかあんな手段で飛び降り止めるなんて」

「あぁ、まぁ・・・・面倒だったから」

「面倒って・・・」

「まぁ言いたいことはわかるけれど。よくファーストキスまであげる気になったわね」

「そ、そうですよ!びっくりした〜・・・」

「なんにせよ、しちゃったものはしちゃったのだし。これからのことが重要ね、片山先生?」

「まったくだよ。よくもまぁ、あんなことしてくれた、と叱るべきか・・・飛び降りを止めてくれたことを褒めるべきなのか・・・両方なんだけど」

「片山先生って、たしか保健室の?」

「養護教諭ね。初めてお会いするわ」

「私はお世話になったことありますね」

「ま、ありがとうね。高田さん。おかげで怪我人もなく場を収めることができたよ」

「ならその代わりにお願いを聞いてもらえますか?」

「内容次第かな?」

「カウンセリングという名目で彼女を追いつめた輩を呼び出して欲しいですね」

「カウンセリングっていう名目なら多分出来なくはないと思うよ。この間厳重注意を受けた生徒でしょ?」

「そうですね。自分たちが何をしたのか、ちゃんと分からせないといけないと思いまして」

「あの、さっちー?怖いんだけど・・・・大丈夫?」

「さちちゃん、本気で怒ってる?」

「高田さんのこんな顔ははじめて見るわ」

「私の前で命を馬鹿にしたこと、許さないわ」

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