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おてがみ

学校には慣れてきた。すみれや蘭と明のような友達もできた。私は少し浮かれていたんだと思う。最近の私にしては珍しく、一人での行動だった。月のものがやってきて具合が悪かった私は保健室の先生に相談して、早退することになった。保健室で少し休み、移動教室のため誰もいない教室に向かった。机とロッカーから荷物を出し鞄にしまう。重だるい体、ふらつく頭、お腹に鉛を流し込んだような不快感。それらもありひどく緩慢な動きだったろう。


机から荷物を持って、廊下にある個人ロッカーに向かう。その時だ。ロッカーに挟まっている紙切れに気付いた。

丁寧に折られたそれはすみれからのものだった。私を心配する旨と共に何か買い物などがあったら遠慮なく連絡して、ということだった。これこそケータイで連絡したらいあのでは?と思うも、温かみのある手紙にしたのはあの子らしい。


そして、もうひとつの手紙。

こちらはぐしゃぐしゃに丸められてロッカーに入れられていた。ゴミかと思われるそれを開いてみたのは手紙だろうと確信あってのことだ。

その手紙には黒いマジックで簡潔に書かれていた。

『チョーシのんな』


胸の中に氷を入れられたように、ぐさりとその言葉が響く。働かない頭と不調を訴える体。

それらも相まって私は考えることを放棄した。手紙を2つともカバンにつっこんで、荷物を整えて帰ることにした。

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