デザートつき
12:00。
キーンコーンカーンコーン。と放送で鐘の音が鳴る。男子たちがゾロゾロといなくなり、女子も半数ほどはいなくなる。午前の授業が終わり、お昼休みになった。
「今日はどうする?」
「私とすみれはお弁当だけど」
「私も今日は買ってきてあるわ」
「私だって買ってきてあるし。じゃあこのまま教室で食べる?さっちーの周りの机空いてるっぽいし」
「・・・・その『さっちー』って、なに?」
「え?さち、だから、さっちー。可愛くない?」
「カワイイわね」
「さっちーちゃん、は呼びにくいかなぁ」
「これは『さっちー』って呼ぶのがいいんだよ」
「さぁ、食べよう」
ガタガタと机を集めることにした。結局、さっちー呼びが定着したのは蘭だけみたいだ。すみれはちゃん付け、明は呼び捨て。分かりやすくて良い。
「わぁ、今日のお弁当はサンドイッチなんだね」
「朝ごはんの残りとかも使ってるけどね」
「でもさちちゃんのことだから、少し味が違うんでしょ?」
「根本的な味は変えられないよ」
「さっちー達のお弁当美味しそうだね。このポテサラとか朝作ったんでしょ?すごいね」
「私はサンドイッチの方が気になるわ。そのグリーンのソースは何かしら」
2人から食べたい、という圧を感じる。
「少しずつ食べる?味見くらいならいいよ」
「やった!」
「ありがとう、さち」
そうして、蘭はポテトサラダを少し、明は小さく切られたピザ風のサンドイッチを食べた。
「あ〜、美味しい。じゃがいもがゴロゴロ入ってるヤツ好きなんだ〜」
「サンドイッチも美味しいわ。スッキリとしたバジルの香りがするわ」
「どっちもうちの寮監さんの手作りだよ」
「コレ手作りなの!?お店で買ったやつじゃなくて?」
「横で作るの見てたし」
「朝食べたね」
「このレベルを出すのか・・・・食べに行きたい。住みたい」
「諸々の、手続きが必要そうね。ありがとう、さち。とっても美味しかったわ。代わりにこれあげましょう」
差し出されたのはお弁当箱?
フタを開けるとフレンチトーストが入っていた。
「こういうお菓子作るのは好きなのよ。皆で食べようと思って持ってきたの」
「ありがとう。デザートにしようか」
そうして、女子4人集まっておしゃべりしながらお昼を終えた。
ちなみにフレンチトーストはとても、とっっても、甘かった。
「あら?卵液に浸して焼いて、シロップをかけて、粉糖をかける、で合ってるわよね?」
「多分シロップが多すぎたんじゃないかな?」
現在すみれと蘭が無糖の紅茶を買いに行っている。




