リクエストは洋食
教室でおしゃべりをしながらお昼を食べて、私とすみれのお弁当は美味しそう、とおかずを持っていかれて、午後の授業も終えた放課後。
「さちちゃん、私今日部活あるから先に帰ってて」
「美術部だったかしら。待ってるよ?」
「う〜ん、進み具合によっては遅くなっちゃうかもしれないから、時間の約束が出来ないんだよねぇ・・・・蘭ちゃん、明ちゃんは?」
「今日は2人とも用事あるって帰ったね」
「じゃあ、さちちゃんも先に帰ってご飯お願いしてもいい?洋食がいいな」
「洋食ね。うん、叔母さんと話して決めるね。部活頑張って」
「うん、いってきます」
あんまり引き止めるのもなんなので、ここらへんで会話を切り上げる。それにしても洋食か・・・・。
オムライスやパスタになど思いつくが、量の調整が難しいかな?相談してみよう。
相談の結果、スパゲッティミートソースになった。
ただ、そこは寮のご飯。量がすごい。ひき肉500グラムとみじん切りの人参、玉ねぎをひたすら炒めて10分ほど。手が痛い。
「あら、手大丈夫〜?交代するから言ってね?」
「ごめん、ちょっと限界」
「はいはい、そういう時は火を少し弱めて、休憩とりながらでいいからね」
そうして叔母と交代して洗い物をしておく。
「野菜の方は油が回って、ひき肉は色が変わってきたわね。ホールトマト缶を2つ入れるわ〜。ちなみに、ホールトマトの方が、火を通した時に甘くなるの。カットトマトよりもね。そこはメーカーの違いか、トマトの種類の違いかまでは知らないけど、そんな気がするくらいね〜。そこにコンソメとハーブソルト、あったらオレガノとかパセリ、ローリエとかのハーブを追加。トマトを潰しながら全体をよく混ぜて、弱火で15分くらいかしら。時々混ぜながらね。15分経って野菜が固かったら更に水を加えて5分くらいかしらね〜」
15分の間にサラダとスープも作った。
「さぁ、ここからちょっと大変よ」
「人数分のパスタだね」
「パスタの茹で方は知ってるわね。今回は表示時間より一分短く茹でて。気持ちだけ固めにしておくわ。湯切りをしたらオリーブオイルを絡めて麺がくっつくのを防止します。で、分量だけど・・・・」
「えっと、1年生が3人、先輩達が4人、叔母さんで8人だね」
「1人分100〜200グラムとしたら多めに800グラムかしら・・・・でもおかわりも作って置きたいから今回は1.2キロいきます」
「パスタ1.2キロ・・・・・」




