お昼休みの遭遇
「新しく友達になった子」
「名前は?どんな子なの?」
「なんでそこまで言わなきゃいけないの?」
「ちょちょっ、さち?」
「蘭、これは今のうちにはっきりしておかないといけないんだよ」
「あー、じゃあ。名前は杉元 蘭。さちともすみれとも仲良くしてるよ。どんなって言われると困るけど、見た目どおりかな?」
「さち、この人はやめたほうがいい」
「なんで?」
「きみとはあまりにも住んでる場所が違うだろう」
「そうだね、私もはじめは見た目でそう思ったよ。けれど、話を聞いてくれる。押しつける感じもない。真っ当な、良い子だよ。蘭のこと知りもしないくせに否定ばっかりしないでくれるかしら」
「さち・・・・・」
「蘭、いこ」
「あ、うん。じゃあねイケメンくん」
購買に向かって歩きつつ、蘭に話しかける。
「ごめんね、蘭」
「いや、あたしはいいよ。この見た目だからさ、よく言われるし。彼の事はいいの?」
「友達でもなんでもない奴に友達のこと侮辱されて、黙ってろって言うの?」
「さち〜」
と抱きしめられた。蘭、結構胸あるな。
「とにかく購買行こ。売り切れちゃうよ」
そうして購買に並んで。りんごジュースと紅茶、蘭が食べるお昼ご飯。ついでに私が飲むウーロン茶を買った。
「いやー、これはさちに来てもらって正解だったね」
「力になれて嬉しいよ」
と話しながら歩き、教室へ戻った。
で、蘭が遭遇したアレコレのことを話すと。
「あぁ、休み時間にたまに来てた彼かしら?」
「そう、あのイケメンの」
「奥野康太さん、ですね」
「同じ中学、というか地元が一緒なだけなんだけどね。蘭、本当にごめんね」
「いいよー。あたしもさ、髪は茶色だしメイクもしてるから色々言われんのよ。でもさ、大人になったらメイクって必須になるじゃん?今から楽しまなくてどーすんのよって思ってさ」
「蘭には蘭なりのポリシーがあってこの格好してるのよね。それを見た目だけで否定するのは、確かにいけ好かないわね」
「寮でもさちちゃんに顔合わせるとあーだこーだと言ってますね」
「親か!」
「度が過ぎるというものね」
「私は・・・いいよ。アレとは関わりたくないって、だけだから?でも蘭を見た目で判断してあんなこと言ったのは許せない」




