初の女子会
クレープを食べながら移動する。
流石に食べながらお店の中に入るのはためらわれたし、蘭も明も同じだったようだ。
フードコートはクレープの他にもハンバーガーやうどんなどもあった。空いてるテーブルを見つけてフロアマップを広げた。
「さちは本屋に行きたいんでしょ?ならそんなにもつにはならないし、食べ終わったら行こうか。ヨーグルト風味美味しいね」
「私は服を少し見たいわね。蘭のフリートッピングもなかなかね」
「他の雑貨屋さんも気になるね。明のも定番の美味しさだね」
クレープの感想をシェアしつつ、行き先を決めていく。とりあえず行くのは、本・服・雑貨の私もそれなりに気になったお店だ。
クレープを食べ終えた私たちはまずは荷物がかさばらない書店に行くことにした。
「なんの本買うの?」
「料理の本かな。お弁当とか夕飯のおかずとか載ってるといいけど」
「そうなると、専門書籍の方がいいのかしら?ほら、月刊ナントカとかじゃなくて誰が考案しました、みたいなやつ」
「良さそうなやつを探してみる」
そうして蘭と明も一緒に探してくれた。で、見つけた料理コーナーの本数点。
『家庭で出来る本格洋食』『時短簡単レシピ』の2冊を買うことにし、ついでに月刊の料理本も見ておく。が・・・・毎月これを買っていくのは、と一瞬悩んだ所を蘭が「はいはい、少しでも迷うなら今はやめときな」ということで見送ることにした。
「二人は本は買わないの?」
「私マンガくらいしか読まないし、今ケータイで買ってるから大丈夫だよ」
「好きな小説の発売日がもう少し先なの。その時に一緒に来てくれると嬉しいわ」
ということで、私の本だけ買うことになった。
続いて雑貨店。これは荷物の少ないうちに行ったほうが商品にぶつかったりしなくていいよね。という意見で決まった。単純に書店から近かったのもある。なお、買った本2点は私のスクールバッグに入った。
雑貨屋さんではキャラものの圧が凄かった。ねことか、イヌとか、フワフワ可愛い物がたくさん。そんな中で私は調理器具を見ていた。
「これ欲しいの?」
「あ、ごめんなさい」
「いーっていーって。集団行動するために来たんじゃなくて、一緒に楽しむ為に来たんだからさー」
「あら、このこのマグカップもいいわね」
と明が手にしていたのは黒地に金が入った渋いもの。蘭も「なんかかっこいいなー」と賛同すると、「買ってくるから待っててちょうだい」
と足早にレジに並んだ。
割れ物ということでスクールバッグではなくお店の袋に入れてもらった明。早く使いたい、と喜んでいる。
最後に服屋だ。ちにみに現在16時。
「ごめんなさい、あと少しで私帰らなくちゃ」
「それなら、またこの3人で遊びに来れるかな?連絡先交換してさ、ちゃんと時間ある時に楽しもうよ」
「そうね。それがいいわ。うちに来るでもいいし。歓迎するわ」
「ごめんなさい・・・・私の都合で」
「いいんだよ。友達じゃんよ」
「ええ、一回でも一緒に、楽しい時間を共有出来たら、とりあえず友達でいいじゃない」
「うん、そうね。ありがとう」
そうして、私たちは連絡先を交換すると共に3人のグループチャットを作った。




