クラスメートからのお誘い
数日の間は休み時間も教室でレシピ本を読むことにした。その間康太が来たのは、3回。毎日来るわけではないから・・・・と自分を納得させている。
勿論クラスの中ではそれなりに有名になりつつある。
それを感じ取れないのだろうか?
今日のレシピ本で今週5冊目である。そろそろ図書室の本も少なくなってきたし、買いに行ったほうがいいかもしれない。
そんなことを考えていると、
「ねー高田さん。うちら放課後クレープ食べに行くんだけど、一緒に行かない?」
「んー・・・そのあと私の買い物行ってもいいなら、行ってもいい?」
「いーよいーよ!あ、私杉元 蘭ね。よろしく!蘭でいいよ!」
「ありがとう蘭」
「いいって〜!高田さん人と過ごすのなんか苦手そうだったから遠慮してたんだけどさ、やっぱりそんなことないじゃんね!」
髪は明るめの茶髪。爪は長い。化粧もしてるしピアスもしてる。
私とは正反対の人だが、感じは良い。
「買い物ってどこ行くの?」
「料理のレシピ本が欲しいの」
「あーそれならさー、駅前のモールの方が大きい本屋あるよ」
と色々と情報が聞けた。念の為花谷さんと叔母に連絡をしておく。
花谷さんからは『わかったよー』とスタンプ付きで返事があり、叔母からは『夕飯のことは気にしないで楽しんできてね』と言われた。
そして放課後。
「よし、行こっか」
「まだ私高田さんに自己紹介してないんだけど」
「あぁ、ごめんごめん」
「高田さん、蘭がごめんね。私は桐ヶ谷 明。よろしくね」
今回はこの3人で行くらしい。
「ぱっと見で悪いけど、蘭はもっと大勢で行くのかと思ってた」
「あ〜、それで楽しいならいいんだけどさ。今回は高田さんと話したいからさ。親友のアキだけ誘ったんだ」
「ねぇ、高田さん。蘭はこんな見た目だけど、一応色々考えてるから。大丈夫だよ」
「こんな見た目ってなによー」
「茶髪、爪長、ピアス」
「否定はできんなー」
あははと明るく笑う。この雰囲気は嫌いではない。
確かに見た目はなんだが、ちゃんと考えてるんだな。と感じる。言い方は悪いが。
一方でアキさんは黒髪をポニーテールにした、どこか上品というか、凛とした佇まいだ。




