カウンセラーとは言っても
カウンセラー。心の医者。精神科医。
呼び方は色々ある。なんだったら私が電話をした「いのちの電話」の職員であったり、学校勤務の養護教諭だって、等しく誰かの命を救える立場にある。
私の願いは幅広い。
同時に漠然としている。
心理学やメンタルケアに関する勉強だけすればいいのか、言われれば多分違う。
私にとってこれは過去に留まった自分を拾いあげると共に未だ見ぬ誰かを救うための夢なのだ。それも酷く偽善的で独善的。要は私のために誰かを救おうとしている。
そのために誰かが傷つけばいい、とまでは言わないが近いのは確かだろう。
これらの思いは全て両親にぶつけている。
するとこう返ってきた。
「全ての医者は誰かが怪我するのを待ってるわけじゃない。誰かが怪我をするかもしれない時のために備えてるんだ。用意をして、何が悪い?」
私の暗雲たる気持ちはこの瞬間晴れた。
とりあえず、カウンセラーになるためには公認心理師という資格が必要だ。そこまでは調べた。
その先は大学で取るか専門学校へ行くか、もしくは通信教育を受けるか、だった。
それだけで救える人は、どれだけか。
他に使えそうな資格はないのか。
行くならばどの大学・専門学校がいいか。
私のトラウマにも向き合う必要がある。
私は、それらに向き合う事が、出来るのか・・・?
ここではたと気付いた。
私は、何も知らなかった。
私の世界はあまりにも狭かった。
りこという大好きな人を中心とした世界。
他に誰かがいるなんて考えてもいなかった。
漠然と親に心配をかけたくない、とだけしか思っていなかった。
親とて、誰かなのに。
私はそれから親と話をした。何気ない日常。将来の夢も不安も。それならばどうしたいかまで。
少しずつ、私の世界が広がり始めた。




