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釧・アストラダム王国

【コミカライズ】どうやら私が聖女なのですが、望み通り追放されてあげようと思います。

作者: sasasa






『太陽が金の環を戴く年、十一の月の始まりの日に生まれたストロベリーブロンドの少女こそ、唯一たる救国の聖女であり国母となる乙女である』




 この馬鹿げた予言のせいで、私の人生は災難続きだ。


 私、レリア・マグラチェはこの国ポルティアン王国の聖なる予言に該当する聖女候補。しかし、それを嬉しいと思ったことは一度もない。


 実際に今も、頭から水を浴びせられるという、悲しいくらいに古典的な方法で馬鹿げた嫌がらせを受けている。


「あーら、ごめんなさぁい! アンタってば本当に鈍臭いんだから、わざとじゃないのに水が掛かっちゃったみたいねぇ」


 私と同じストロベリーブロンドの髪を靡かせて、もう一人の聖女候補ミケイラは高笑いをした。


「根暗なレリア。アンタって本当に無様ねぇ! 図々しく私と肩を並べて聖女候補の座にしがみ付くから、バチが当たったのよ。聖女はこの私。王子様と結婚するのもこの私。お邪魔虫なアンタはとっとと諦めて田舎に帰りなさいよ」


 金環日食があった年の、十一月一日に生まれた私達は、たまたまストロベリーブロンドの髪まで同じだった。予言の聖女に該当者が二人。どちらかは聖女で、どちらかは偽者。聖女候補と言っても、あくまで候補でしかない私達は修行という名の神殿の掃除係を押し付けられていた。


 そのたった二人の掃除係でさえ、ミケイラがサボるせいで私が一人でやらされているのだ。それも、幼稚な嫌がらせを受けながら。そろそろ我慢も限界が近い。


 やってられるか。


 聖女? 救国? 知ったことではない。


 更に最悪なのが、もし万が一にも聖女なんかになってしまったら、待っているのは王子との結婚なのだ。


 何故なら予言の聖女は国母となることが決まっていて、それは即ちこの国の王の伴侶であると言われているから。


 未来の国王になる王子との結婚。普通の女子なら、夢に見るほど嬉しいのだろうが私は違う。


 あのクズ王子と結婚なんて、冗談じゃない。


 今まで、聖女候補であり王子妃候補でもある私達は度々王子と引き合わされてきた。その度に王子は、自分に媚を売るミケイラを贔屓し私を見下した。


 王子の前では弱々しい乙女を装っているミケイラ。無愛想で目付きが悪くて滅多に笑わない私よりもブリブリなミケイラの方を好きになるのはよく分かる。分かるけれど、あからさまに贔屓されると腹が立つ。


 私だって好きで聖女候補をやってるわけではない。なのに、まるで私が自分から聖女候補の座にしがみ付いて醜態を晒しているとでも言うかのように、ミケイラと王子は私を罵倒するのだ。


 実際は親に売られるように聖女候補として担ぎ上げられて、辞退しようとしたらそれはダメだと許されず、結局私かミケイラどちらかが聖女として覚醒するまで、神殿の掃除係として軟禁状態にされているのだから。


「ちょっと聞いてるの!? どうせ王子様に選ばれるのは私なんだから、高望みするんじゃないわよ?」


「…………」


 この女は何を勘違いしているのか。王子が選んだ方が聖女になるのではなく、聖女だった方が王子と結婚させられるというのに、それが分からないようなのだ。何度説明しても理解しないので、私はもう相手にしないことに決めていた。


 無視をしてその場から去ろうとしたら、後ろからギャーギャーと喚くミケイラの声。ただ、ミケイラはまだいい方ではある。少しお馬鹿なだけで、幼稚なイジメなんてたかが知れている。しかし、問題は……


「なんだなんだ、ミケイラ! いったい何があったんだ!?」


 大袈裟に声を上げながらやって来たのは、この国の王子オリバー。大股で走って来たかと思うと、ミケイラの肩を抱いて私を睨んだ。


「お前! またミケイラを虐めたのか!?」


「…………」


「うぁーん、オリバー様ぁ」


 どこからどう見ても下手くそなミケイラの泣き真似に、簡単に引っかかる王子。


「ああ、可哀想なミケイラ。またあの性悪女に嫌がらせをされたんだろう? 大丈夫か? 俺が来たからもう安心だよ」


「…………」


 全身びしょ濡れの私と、少しも汚れていないミケイラ。先程のミケイラの喚き声には私に対する汚い罵倒が含まれていたのに、この状況でも私がミケイラを虐めていると思い込んでいるこの王子、オリバー。頭は大丈夫だろうか。


 ミケイラの幼稚な嫌がらせはまだ我慢できる。しかし、権力を持つ馬鹿王子の勘違い正義感を振り翳した行動は、ただの嫌がらせにはとどまらなかった。


「レリア! この性悪め! 貴様のような女には食べ物をやるのも勿体無い! 今日は飯抜きだっ!」


 普段から聖女の修行だのなんだのと言って満足に食べさせてもらえない食事を抜くだなんて。軽く言っているけれど、私にとっては死活問題。それをこの王子は、後先も考えず勝手に決め付ける。


「ねえ、オリバー様。あの女を追い出すことはできないの?」


「俺もそうしたいが、宰相が許してくれないんだ。少しでも聖女の可能性があるのなら、レリアを追い出すわけにはいかないと。すまない、ミケイラ。もう少しだけ辛抱してくれ」


「酷いわ! オリバー様は私が聖女だと信じて下さらないの!?」


「もちろん信じているさ! だが、宰相がどうしてもと父上に進言したらしいんだ。君が覚醒するまではレリアをここに置かなきゃならない」


「そんな……っ!」


 唯一私を聖女候補として扱ってくれる宰相だけれど。正直に言って有り難迷惑だ。そんな気遣いはいいから私をここから出して欲しいのに。


「でも大丈夫だ。先程大司祭と話したんだが、もうすぐ聖女が覚醒するらしい。神殿内にその予兆が現れたと言うから、君の力が目覚めるはずだ。そうなれば、あの女はすぐにでも追い出してやれるよ」


「まあ、本当に? やっとですのね! もうずっとこんなつまらない神殿に閉じ込められてレリアの相手をするのは大変だったんですよ! 私が聖女になったら、あの生意気な女は偽者でしょう? どこか遠くへ追いやって欲しいです」


「分かっているさ。君を虐めた女を、俺が許すはずないだろう。俺たちが結婚できる日も近い。そうなれば君は未来の王妃だ!」


「私が王妃!? きゃぁ、オリバー様、幸せにして下さいね!」


「勿論だとも!」







「………………」


 うるさい二人を無視して掃除をしていた私は、ふと違和感に気付いて手を止めた。


 普段から水仕事のせいで皸だらけの手が、ここのところ全く痛まないのだ。それどころか、どんどん傷が治って綺麗になっていく気がしていた。


「……もしかして……」


 最初は気のせいなのかと思ったけれど、日に日に綺麗になっていく手が、今は傷一つない状態で目の前にあった。


「いや、やっぱり気のせいよね……」



 しかし、私が感じた違和感は、どうやら気のせいではなかったらしい。



 神殿の司祭達の洗濯物を大量に押し付けられ、途方に暮れた私は何の気なしに『雨が降らないかなぁ』と呟いた。雨が降れば、洗濯物を干せないので洗う必要もなくなる。その代わり洗濯物が増える一方なので、勿論本気で言ったわけではない。それなのに……


 私の呟きが響くと、先程まで晴れ渡っていた青い空が急に曇り出し、瞬きする間に大雨が降り始めたのだ。


「ギャーーーーッ! 急に何なのよっ!」


 どうやら外で昼寝しながらサボっていたらしいミケイラが悲鳴を上げて神殿の中に駆け込んで来た。それを茫然と眺めながら、私は再び呟いた。


「やっぱり晴れて欲しいわ」


 すると、土砂降りだった雨は一気に晴れて、どこまでも広い青空と太陽の光が降り注ぐ。濡れた地面がキラキラと雨粒に光を反射させて綺麗。……ではなくて。


 これは、まさか。


 その後も、私は様々なことを試した。手にできた傷が治るように心の中で唱えたり、枯れた花に手を翳してみたり。神殿の奥にある祭壇に祈りを捧げてみたり。


 結果として、どうやら私は聖女になってしまったようなのだ。


 傷は治るし花は咲くし、神様の祝福なのか何もないはずの祭壇には火が灯った。


「…………どうしよう」


 私は焦っていた。これがもしバレたら。私はあの王子と結婚させられる。国の為に死ぬまで働かされる。生き地獄だ。絶対に嫌。



「逃げる方法を考えなきゃ」



 目覚めてしまった聖女の能力を隠しながら、どうにかここから逃げ出す方法を探していた私は。いつものようにミケイラに言い掛かりをつけられたことで、思いもよらない糸口を見出した。


「ちょっと! こんなとこにバケツなんか置かないでよっ! 邪魔なのよ! 服が汚れちゃったじゃない! 本当にアンタってムカつくわ! 私が聖女になったら、真っ先にアンタをこの国から追い出してやる!」


 ミケイラの理不尽なその言葉に、私はハッとした。


「それじゃあ、あなたが聖女になったら、私を国外追放するの?」


「ええ、そうよ! アンタなんか、オリバー様に言ってすぐに追放してやるわ!」


「その言葉、絶対に忘れないでね」


「は?」


 間抜けな顔で眉間に皺を寄せたミケイラを尻目に、私は上機嫌でその場を後にした。


 ミケイラを聖女に仕立て上げれば、何もかもが解決じゃない……!?


 聖女の肩書も王子もミケイラに押し付けて、私はこの国を出て自由に暮らす。異国での暮らしはそう上手くいかないかもしれないけれど、私には聖女の力と長年培った掃除の腕がある。


 少なくとも生きてはいけて、ここにいるよりずっとマシだわ。


 そうして私は、ミケイラを聖女に仕立て上げるべく策を練ったのだった。とは言え、ミケイラは基本的に単純。特別な策を講じる必要もなかった。


 聖女の修行でミケイラが祈りを捧げた際に雨を降らせれば、思った通りミケイラは直ぐに勘違いをしてくれた。


「聖女の力が目覚めたわ! やっぱり私が聖女だったのよ!」


 神殿中に聞こえるのではないかと言うほど高らかに叫んだミケイラのその言葉で、全てが変わった。





 報せを受けて狂喜乱舞した王子オリバーは、正式な聖女の認定を兼ねた降雨式を開くと宣言した。降雨式は、王族や民衆の前で聖女の力と正当性を示す大事な行事。そこでミケイラが聖女と認められれば婚約を発表し、偽者の分際で王国を騙した私は国外追放を言い渡されるらしい。


 順調に進んでホッと胸を撫で下ろした私は、降雨式までの間をとても有意義に過ごした。


 これが終われば軟禁掃除生活ともオサラバ。新しい人生が待ってる。




 降雨式の準備は猛スピードで進んだ。しかもお馬鹿な王子が聖女降臨と婚約発表を同時に行うからと、式の後は国賓まで呼んでの大々的な夜会を催すとか。


 きちんと確かめもせずに色んなことをすっ飛ばしてしまうその軽率さには頭痛がするけれど。今回ばかりは大歓迎だわ。何せ私の自由への道が早まったんですもの。


 あとは大勢の前でミケイラを聖女に仕立て上げて、お邪魔虫な私は国外追放。晴れて自由の身。






 そうして迎えた降雨式の日、私は祭壇で祈りを捧げるミケイラの後ろからこっそり聖女の力を使った。


 すると雨が降り出し、傍目からはミケイラが奇跡を起こしたように見えて感嘆の声が上がる。


 順調だわ。ミケイラのあの、勝ち誇った顔。その横には私を嫌悪するように見下ろす王子オリバー。何もかもが完璧。


「これでミケイラが聖女であることが証明された! 私はこの場でミケイラとの婚約を宣言し、王国を惑わし国民を騙した偽者レリアは明朝国外追放に処する!」


 国王夫妻を始めとして、誰もが立ち上がりわあっと広がる歓声と拍手。


「レリア! 最後の情けだ。今夜の夜会だけは精々楽しんでいけ。まあ、お前のような女をダンスに誘う男はいないだろうが」


「あはは! 可哀想なレリア!」


 下品に笑うオリバーとミケイラは、楽しげに腕を組んで国王や来賓の元へ挨拶に向かった。どうせなら情けなんかいらないから、さっさと追放して欲しい。どこまで嫌がらせするのかしら。やる事がない私は、仕方なく二人を目で追った。




 今回来ている国賓の中で最も丁重な扱いを受けているのが、国王夫妻の次に挨拶を受けているアシュラ・デイ・アストラダム。


 隣国アストラダム王国の王太子殿下。重たく艶やかな濡烏の黒髪に、輝くような黄金の瞳。この世のものとは思えぬ程に美しく整った顔には、何処となく東洋人の面影がある。


 それもそのはず、彼の母であるアストラダム王国の王妃は、東洋の大帝国・(セン)の皇女なのだ。


 ほんの二十年前まで、この国ポルティアン王国と、隣国アストラダム王国はほぼ同等の国力だった。それが、アストラダムに釧の皇女が嫁いでからというもの、隣国アストラダムは目覚ましい発展を遂げた。


 本来であれば釧でしか生産されない、シルクや磁器といった釧の特産品。二十年前までそれらの技法は釧国内のみに固く閉ざされた秘技だったが、釧出身の王妃はそれらの技法をアストラダムに持ち込み、惜しみなく民に広めたと言う。


 その結果、西洋諸国の勢力図が激変した。


 セノワズリ(釧国趣味)と言われる空前の釧ブームにより、釧からの輸入品を争奪していた当時の西洋諸国。その中の一国が、釧の商品と同等の商品を生産し始めた……となれば、その国だけが儲かり一人勝ちしたのは当然のことだった。王妃が嫁いでから数年もしないうちに、アストラダム王国は西洋一の富を有する強国になった。


 それだけではない。多才な王妃は釧の魔術を西洋魔術と融合させて様々な魔道具を生み出した。今や世界中で使われる生活に欠かせない魔道具の数々は、その八割がアストラダム王妃によって考案されたものでもある。


 そうしてポルティアン王国とアストラダム王国との間には、とても埋めることのできない貧富の格差が生じたのだ。


 隣国アストラダムが富めば富むほど、ポルティアンは衰退していった。そして今の無能な王族が贅沢を極めているせいで、国民は困窮している。だからこそ、予言の聖女が今か今かと待ち侘びられていた。まあ、私の知ったことではないけれど。


 一見親しげに挨拶を交わす王子オリバーと、アシュラ王太子。しかしアシュラ王太子にとってオリバーは、吹けば飛ぶような格下の相手なのだ。対等に見えているのは、外面上だけ。それも、アシュラ王太子がそう振る舞ってくれているからに過ぎない。



 すっかり壁の花と化した私は、つまらない夜会に辟易していた。もちろん私に声を掛けてくるような人はいないし、楽と言えば楽なのだけれど。


 しかし、私の退屈と平穏は、あっさりと破られてしまうことになる。




「ここにいたのか、元聖女候補のレリア嬢」


 まさか私に声を掛ける強者がいるなんて。驚きつつも振り返った私は、相手の顔を見て叫びそうになった。


「……アシュラ王太子殿下……?」


 そこにいたのは、先程までオリバーと和やかに話していたアストラダム王国のアシュラ王太子だった。


「もしよければ、私と一曲踊らないか?」


 そんな大物が私に何の用なの? と思っていると、彼は優雅に手を差し出し私を誘った。


「…………はい?」


 私の驚きは当然のことだと思う。周囲からも、ザワザワと驚愕の声が上がっている。聖女ではなかった、ただの小娘相手に強国の王太子がダンスを申し込むだなんて。それも私は明日にはこの国を追放される身。いったいこの王太子は、何を考えているの……?


「えっと、その……」


「手を取ってくれたなら、決して後悔はさせない。君と話したいことがあるんだ」


 他には聞こえないように耳元で囁かれた言葉と差し出された手に、私は断ることもできず、手を重ねた。





「なかなかやるな」


 聖女候補であり王子妃候補でもあった私は、ダンスもそれなりに踊れる。開始早々意味深に囁かれた私は、嫌な予感がしつつも踊りに集中しているフリをした。


「……何のことでございましょう?」


「聖女は君だろ?」


 ギクリ。何で分かったの!?


 ズバリ言われて一瞬体が強張ったけれど、何とか誤魔化す。


「何を仰います、聖女はミケイラ様ですわ。私は偽者。もうすぐこの国を追放される身です」


「私に隠す必要はない。見ていれば分かるさ。先程の降雨式でもそうだったが、力の流れの中心は君だった。ミケイラ嬢の背後から君が神聖力を使ったんだろう?」


「…………」


「それに今もそうだ。私は神聖力に詳しくないが、ミケイラ嬢ではなく君から大きな力を感じる。何より私の勘が、君こそが聖女だと言っている」


 それはつまり……直感のようなものと言うこと? 勘が鋭いにも程があるんじゃないかしら。


 こうしてわざわざ指摘してくるなんて、怪し過ぎる。いったい何を企んでいるの?


 私の表情を読んだのか、アシュラ様は微笑んだ。


「安心してくれ。言いふらすつもりはない。今も防音魔法を掛けているからこの会話が他人に聞かれる心配もない。君が聖女だと気付いているのは私だけだ」


 否定も肯定もしていないのに、私が聖女だと確信しているかのように話し出すアシュラ様。私は警戒しながらも、探りを入れることにした。


「……何が目的ですか?」


「君にちょっとした提案をしたい。私と手を組まないか」


「……はい?」


 予想外の言葉に、私は思わず彼の顔を正面から見てしまった。そして後悔する。美貌がこれでもかと溢れ出していて、直視しなければ良かった……。


「私の母は苛烈な人でね。外交でポルティアン王国に行くと言ったら、お土産が欲しいと強請られたんだ。望み通りに持ち帰らないと母の機嫌を損ねてしまう。私の母の噂は知っているだろう?」


「……噂と言いますか、伝説の類ですよね」


 彼の母、アストラダム王国の王妃については、到底事実とは思えないような奇想天外な伝説の数々が語り継がれている。アストラダムを西洋随一の強国に押し上げたのは勿論のこと、夫である国王に手を出そうとした令嬢の目をくり抜いて四肢を切り落とした挙句国外追放しただとか、アストラダムの技術を狙って攻め込んできた他国との戦争では自ら戦場に立ち先陣を切って勝利に導いただとか。


 これくらいはまだマシな方で、空を飛ぶとか不老不死だとか、千里眼を持ってるとか。挙げ句の果てには天から舞い降りた女神だったとか。本当に王妃は人なのかと疑いたくなるような荒唐無稽な話ばかり。他にも目が焼ける程の美貌とまで言われていたが、この王子の眩い美しさを見るに、噂はあながち間違いでもないのかもしれない。


「母は機嫌を損ねたら何をしでかすか分からないから、なるべく望み通りにしなくちゃならないんだ。その為に君の協力が欲しい。是非私に協力してくれないか」


「……あまり聞きたくないのですが、王妃殿下は何をご所望なのです?」


 恐る恐る聞いた私に、アシュラ様はなんて事のないように肩を竦めた。



「そこまで難しいものでもないんだ。要は()()()さ」



「……はい?」


「母はこの国、ポルティアン王国が欲しいみたいなんだ。我が国は今、発展しすぎて需要に供給が追い付かず領土も働き手も足りないんだよ。ちょうど直ぐ隣に余ってそうな土地(手頃な領土)困窮している民(手頃な働き手)がいるようだから、行くついでに奪い取ってこいと言われてしまってね」


「…………」



 どうやら噂は伊達じゃないらしい。国の代表として外交に赴く息子に、ついでのお使いのようにその国を強奪してこいと強請るなんて。アストラダムの王妃、恐るべし。



「正直困っていたんだ」



 アシュラ様のその言葉に、それはそうだろうなと同情したのも束の間。続く彼の言葉に、私は絶句した。


「何せこの国ときたら穴だらけで、どこから手を付けてもすぐに崩壊しそうで、こんな簡単なお使いの為に手間を掛けるのが勿体なくてね」


「…………」


「兵を連れてくれば余計な出費になるし、王族を皆殺しにするくらいなら私一人で足りるが、侵略を仕掛けたように取られれば周辺諸国から良からぬ非難を浴びてしまう。どうせなら確実に平和的に王権を奪いたい」


 最早私は、思考を放棄したくなった。アストラダム王国、怖すぎる。王妃も王子も普通じゃない。きっと国王も屈強で厳つい暴君に違いない。怖い。


「それにしてもこの国の王族の酷さと言ったら。君のような聖女をみすみす取り逃して偽者を得て喜んでいる様は実に滑稽だ。よくあれで国が保っていたな。逆に興味深いよ。仕事のできる官僚でもいたのか? それならそいつも引き抜こうかな……」


 思考を放棄した私と踊りながら、ブツブツと呟いていたアシュラ様は、目が合うとそれはそれは美しく微笑んだ。



「ということで、レリア。私と結婚しよう」



「…………は?」



 え、待って待って。怖い。すっごく怖い。この人、今なんて言ったの? 聞き間違いかしら? 聞き間違いよね! じゃなければトチ狂っているとしか思えないもの。いくら顔面が死ぬほど良くたって、怖いにも程があるわ!



「君は国外追放された後、行く宛があるのか?」


「それは……」


 正直、聖女の力さえあれば何とかなるだろうと言う楽観的な考えしか持っていなかった私は、何とも言えずそっと彼から目を逸らした。


「無いならアストラダムに来たらいい。最上級の待遇で迎え入れてあげるよ。ちょうどいいポストが空いているんだ。それこそが王太子妃、つまり私の妻だ。だから私と結婚しよう。悪くない案だろう?」


 太陽すら恥じらうほどの眩しい笑顔で、何を言っているのかこの男は。


「わ、私には無理ですわ。とても務まりません」


「君はこの国で、王子妃になる教育を受けて来たんだろう? だったら大丈夫だよ」


「いいえ! 私はここを離れられたら、今度こそゆっくりダラダラした生活を送ると決めているのです! 王太子妃になんてなったら……毎日忙しいのは絶対に嫌です!」


 とうとう私が本音を漏らせば、楽しげなアシュラ様は再びとんでもないことを言い出した。


「それなら別に、君は何もしなくていい。日がな一日ダラダラと過ごしていれば良いさ。好きなだけ贅沢をさせてあげるし、嫌なことは何一つやらなくていい。そんな生活をしても誰にも文句を言わせないし、もし君に楯突く者がいたら血祭りに上げてあげるよ」


「なっ……」


 この王太子、正気なの……?


「私は君が欲しい。君は安全で贅沢な最上級の暮らしができる。どちらも得をする取引だ」


「なぜ、そんなに私に拘るのです……?」


「んー、そうだな。正直に言えば、本物の聖女である君を取り込めば色々と有利にことを進められるというのがある。が。それ以上に君のその鋭い目付きが気に入った」


「…………は?」


「あとは……誰にも笑顔を見せないところも、不満や疑問が顔に出てしまっているところも。可愛いと思う」


「…………はぁ?」


 眉間に皺が寄る私に構わず、アシュラ様は尚も続けた。


「それから……自らが聖女でありながら、別人を聖女に仕立て上げようとするなんて。常人では考え付かないようなことをして自国の王族を貶めようとしているところも。ともすれば自国を滅ぼしかねない行動だと言うのに、国民のことなど考えないその利己的で大胆なところが好きだ」


「そ、それって褒めているのですか!?」


 耐え切れずに叫ぶと、何でもないように返される。


「勿論褒めているとも。今初めて知ったけど。どうやら私は母に似て、相手に尽くすタイプの人間らしい。君に尽くしてとことん甘やかして、最高の贅沢をさせてあげたくて仕方ないんだ。そうしてドロドロになって、私がいないと生きられなくなればいい」


 そう言ってアシュラ様は、強烈な美貌を撒き散らしながら微笑んだ。


「さあ、レリア。私と結婚してくれ」


 何なの、この無駄に良すぎる顔面はっ! 


 滅茶苦茶怖いことを言い出したし、褒められてる気がしないし、絶対に駄目なのに。思わず頷きそうになるじゃない。こんな脳みそを破壊するような甘い提案、怖いし怪しすぎる。だから絶対に負けては駄目。


 何とか頷くのを堪えた私を見て、アシュラ様は優しく語りかけてきた。


「なあ、レリア。……あの馬鹿王子と偽聖女をギャフンと言わせたくはないか?」


「…………」


 ピクッと、思わず体が動いてしまう。


「追い出したはずの君が私の妃になると知ったら、あの二人はどんな顔をすると思う? 見てみたくはないか?」


「………………っ」


 これは狡い。狡すぎるわ。そんなの、見てみたいに決まってるじゃない。


「君は頷くだけでいい。あとは私が何もかも良いようにしてあげるから。何ならアストラダムがポルティアンを支配するまでの、仮の契約でも構わない。どうか私について来てくれ」


 顔だけじゃなくて声まで最高にいい彼に囁かれて、落ちない女はいるのだろうか。


「……はい。分かりました」


 根負けした私が頷くと同時に、彼は私を抱き上げた。


「……へ?」


 周囲が驚愕する中、為す術もなく彼の首に掴まった私は、そのまま王族の元に運ばれた。


「ア、アシュラ殿!? これはいったい……」


 開いた口が塞がらないらしい国王と、王妃、オリバー、ミケイラ。そんな彼等を前にして、私を抱えたままのアシュラ様は堂々と宣言した。


「私はこのレリア嬢に一目惚れをしてしまいました。貴国で不要と仰るのなら、是非我が国の王太子妃として彼女を貰い受けたい」


「は?」


「…………はあ!?」


 呆然とするオリバーと、その横でひっくり返るミケイラ。


「ア、アシュラ殿。その者は、国を騙した偽者なのですよ?」


「だが、私が騙されたわけではない」


「予言に該当していただけで、愛想もなく大して可愛くもない女ですよ!?」


「誰にでも尻尾を振るような尻軽に興味はない。それに、私には誰よりも可愛らしく見える」


「…………目は大丈夫ですか?」


 思わずそう漏らしたオリバーに、アシュラ様は鋭い目を向けた。


「それはアストラダム王国の王太子である私への侮辱か?」


「い、いえ!! 滅相もございませんっ!」


 強国の王太子の機嫌を損ねたくない国王と王妃、オリバーは低く低く頭を下げた。


「では良いな。私がレリア嬢を貰い受ける。異論はないな?」


「はい……! どうぞどうぞ、貰ってやって下さい!」


 ほぼ脅迫に近い形で了承を得たアシュラ様がニヤリと笑うと、失神したように驚愕の顔のまま動かなかったミケイラが突然叫び出した。


「なんでよ!? どうしてよ!? 偽者の分際で、なんでアンタが王太子妃になるわけ!? 私より偉くなるなんて許すわけないでしょう!?」


 国賓の前で絶叫するその姿は、聖女としてはなかなかに相応しくない。


 慌てたオリバーが、アシュラ様の目を気にしながら何とかミケイラを宥める。


「ミ、ミケイラ。王太子殿下の前だぞ、弁えろ!」


「イヤよ! イヤ、イヤ! 絶対にイヤ! だったら私がアストラダムの王太子妃になるわ!!」


「なっ……何だと!? 俺というものがありながら、何を言い出すんだ!」


「だってオリバー様よりアシュラ様の方がカッコいいじゃない! レリアなんかに奪われたくないわよっ! 私の方が彼に相応しいわ!」


「なっ、……なっ、……!?」


 ミケイラの本音に言葉を失ったオリバー。鬼のような形相のミケイラ。婚約早々その仲に完全な亀裂の入ってしまった二人。それを見てドン引きする周囲を物ともせず、アシュラ様は呑気に告げた。


「悪いが私は姦しい女は嫌いなんだ。全力で断る。貴国の了承は確かに頂いた。私はこれにて直ちにレリアを連れてアストラダムに帰る。此度の婚約、おめでとう。オリバー殿、ミケイラ嬢」




 こうして私は、泣きそうなオリバーと醜く歪んだミケイラの顔をそれはそれは楽しませてもらいながら。アシュラ様に連れられて祖国であるポルティアン王国、激震の走った終わり行く国を後にしたのだった。










 それから三ヶ月もしないうちに、ポルティアン王国は崩壊寸前だと言う噂が隣国のアストラダム王国まで届いた。


 何の力も持たないミケイラが偽者の聖女であることはすぐに露見し、元々困窮していた国民が、唯一の希望であった予言の聖女が偽者だったと知ってクーデターを起こしたのだ。


 王族の無能な指揮ではクーデターを抑えることはできず、全土に広がった反乱により王宮は孤立、籠城という愚策を講じた王族にもう勝ち目はない。


「思ったよりよく保った方だな。そろそろ我々も動こうか、我が愛しのレリア。君を働かせてしまうのは心苦しいよ」


「何を言うのです。私も少しはこの国のお役に立ちませんと」


 この三ヶ月。たらふく美味しいものを食べさせられて、ガリガリに痩せていた私は程よく健康を取り戻していた。アシュラ様は約束通り私を使役することもなく、蝶よ花よと幼子を育てるが如く散々甘やかされ、最上級の待遇を受けた私は、自分でも驚くくらい見違えるほどに綺麗になっていた。


 贅沢な最高品質のシルクをふんだんに使ったドレスを身に纏い。彼の手を取った私は、三ヶ月ぶりに祖国を訪れる。



 馬車で優雅に辿り着いたポルティアンの王宮は、酷い有様だった。国民により城から引き摺り出された王族が、縄で縛り上げられて痩せ細った顔で恐怖に凍り付いている。


「これはこれは。随分と悲惨な有様だな」


 アシュラ様の声に顔を上げた彼等は、私を見て目を見開いた。


「そ、そなたは……まさか、レリアか!?」


 この状況だと言うのに。美しく変貌した私を見て今更頰を染めるオリバー。舌打ちしたアシュラ様が、私を隠すように前に出てその汚れた襟首を締め上げる。


「我が国の王太子妃になる女性を呼び捨てとは。自分の立場が分かっていないのか」


「ヒィッ」


「何故アストラダムの王太子がここに!?」


 驚愕するポルティアンの国王に向けて、アシュラ様は穏やかに伝えた。


「我が国の王室に打診がありましてね。無能な王族に代わり、ポルティアンを統治して欲しいと」


「な、何だと!?」


 アシュラ様の言葉に、集まっていた民衆からも驚きと戸惑いの騒めきが広がった。


「私がお呼び立てしたのです」


 そんな中、立ち上がったのはポルティアンの宰相だった。唯一、聖女候補だった私を優遇しようとしてくれた宰相。今回の国民のクーデターを率いたのは、他でもない彼だった。



「皆の者。我が国には新たな統治者が必要だ。老い先短い私ではとてもこの国を纏められない。そんな中、どの国よりも富める隣国のアストラダム王国が、我等を引き入れて下さることになったのだ。どうか理解して欲しい」


 民衆に向けて演説する宰相。しかしこの感動的な場面、実は予めアシュラ様と宰相が仕組んだことだった。








 私がアストラダムに連れ去られたあの日、ポルティアンを発つ前に、アシュラ様は私を最後まで聖女候補として見ていてくれた宰相の話をすると、すぐに内々に密談を要請した。


『この国は間もなく終わる。その前に、私と手を組まないか』


 アシュラ様の突然の申し出を、宰相はもちろん固辞した。


『国を裏切ることなどできません!』


『宰相。では取引をしよう。そなたは確か、熱心な磁器の蒐集家だと聞いたが』


『そ、それが何か……』


『アストラダム王国で初めて作られた磁器の皿、〝幻の藍花〟と交換ならどうだ?』


『ま、まさか! あの、アストラダム王妃が手ずから絵付けを施したと言う、〝幻の藍花〟ですか!?』


『そうだ。我が王室所蔵のものを一枚、そなたに譲ろう』


『…………何でも言う通りに致します、アシュラ王太子殿下!!』







 そんなわけで、幻の皿に目が眩んだ宰相により、この国は売られたのだ。


 宰相の言葉で国民の意思は概ね傾いたけれど、まだ決め手には足りなかった。そこで漸く私の出番。


「皆さん、聞いて下さい」


「あれは……聖女候補だったレリアじゃないか?」


 私が前に出ると、何処からともなく驚きの声が上がった。


「私は聖女候補だった時、ここにいる王子オリバーとミケイラに虐げられ、本当の力を発揮することができませんでした」


「まさか……」


「そんな……イヤよ! 嘘よ!!」


 オリバーが凍り付き、ミケイラが絶叫する横で。私は声を張り上げ真実を告げた。


「聖女はミケイラではありません。私だったのです」


 両手を組んで祈るポーズをすれば、民衆の上に雨が降り注いだ。



「本物の聖女様だ!」


「救国の聖女、我等が国母様!」



 雨音に負けないくらいの歓声を上げる民衆へ向けて、私は高らかに声を上げる。


「アストラダム王国は、追放された私を受け入れてくれました。そのお陰でこうして皆さんを導くことができるのです。アストラダムはその恩恵を惜しむことなく国民に与えてくれます。私と共に、アストラダムを迎え入れましょう」


 絶望する王族とは対照的に、熱狂する国民。


 こうして宰相と国民の立会いの元、ポルティアン王国の王権はアストラダム王室に譲渡された。


 元王族は身分を剥奪されて国外追放。処刑を望む声も出ていたけれど、そこはアシュラ様。


「特別な能力があるならまだしも。唯一の取り柄である権力を失った奴等が、他国で金もコネもなく生きていけると思うか? それも傲慢で身勝手で、自分では着替えもしたことのないような奴等だ。一ヶ月もしないうちに野垂れ死ぬだろう」


 対外的には慈悲深さを演出した、それはある意味死刑宣告だったのだ。





 全てがアシュラ様の思い通りになり、平穏が訪れたアストラダム王宮の庭園で、私は彼と向かい合っていた。


「さて。君のお陰で我が国は一つの犠牲もなく欲しいものを手に入れた。母上も満足しているし、元ポルティアンの国民達には早速仕事を与えて生活を保障している。全てが上手くいった今、改めて聞こう」


 アシュラ様は、私の両手を握ってその眩しいご尊顔を思い切り見せ付けてきた。


「レリア。このまま私の本当の花嫁になってくれないか?」


 この三ヶ月。アシュラ様は、正直に言って出来過ぎなくらい私を大切に扱ってくれた。約束も守ってくれたし、意外なことに彼の両親を含めて誰一人、突然王太子が連れて来た私の存在を否定する者はいなかった。


 今や私にとってアストラダムは、とても居心地の好い場所になってしまっていた。


「……私でよろしいのですか?」


「心外だな。この三ヶ月で、私は誠心誠意この想いを君に伝えてきたつもりなのだが。まだ疑うのか?」


「…………いいえ。どうやら私の負けです」


 やり過ぎなくらい私を甘やかす彼に根負けして、私は彼の手を握り返していた。


「私をあなた様の花嫁にして下さい」


 花のように微笑んだ彼が、そっと私を抱き寄せる。そのまま初めてされた口付けは甘く、花の香りがした。


「…………レリア。嬉しいのだが、そんなふうに露骨に喜ばないでくれ。可愛すぎておかしくなりそうだ」


「え? ……あっ!」


 何のことかと思い目を開けると、もう秋も終わるこの季節だと言うのに、庭一面に花が咲き乱れていた。ファーストキスに舞い上がり過ぎて、聖女の力で咲かせてしまったらしい。道理で花の香りがするはずだわ。なんて恥ずかしいの!


「こ、これは違うのです! 忘れてください、今すぐ! お願いだから見ないで!」


「…………ふっ」


「…………」


「……くくく」


「…………、」


 私の髪色のように、春の色に染まった一面の花畑の真ん中で。クスクスと楽しげに笑う彼につられて。生まれてこの方まともに笑えたことのなかった私は、とうとう耐え切れずに笑ってしまったのだった。















予言に該当する聖女候補が二人いて、聖女だった方は王子と結婚するそうです。どうやら私が聖女なのですが、もう一人の聖女候補と王子が恋仲になって私を邪魔者扱いするので、望み通り追放されてあげようと思います。 完




読んで頂きありがとうございました!


アシュラ様の両親が気になる方は、連載『その王妃は異邦人』をお暇潰しにどうぞ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 「その王妃は異邦人」の世界と一緒の話だったんですね! 先にこちらから読んでしまったので意味が分からなくて評価を低くしていたんですが、 本編を読んでやっと理解しました。
[一言] 『その王妃は異邦人』のside storyだったのですね(*≧∀≦) コチラも楽しく読ませて頂きます! 有難うございました
[一言] 有難うございました! 楽しく読ませて頂きました(*´∇`*)
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