目覚めたのは?
やっぱり無理だー!!!
いくら阿難陀であっても、一国の主であってもやっぱり無理!!
俺、男とは寝れない。抱くのも無理。
眠っていたはずの俺の魂が突如目覚めたのだった。
そうさっきまではオーロラの魂が目覚めていた。はずだったのに、なぜかあの場面で俺とバトンタッチ。
そんな事とはつゆ知らず、さっきまでのいい雰囲気から突然の拒絶に王子は困惑していた。
「オーロラよ・・・」
王子も負けずと渾身の力で俺の手を払いのけ、再度俺と体を重ねようとした。
先ほどの無礼は、うぶな娘の照れだろうと思い込むように。
が、次は王子の接触を肘でガードした。
ギリギリギリギリ・・・。
近づこうとする王子の顔と俺の肘の攻防戦。
「リース王子。申し訳ございません。私無理です」
「無理とは?」
ギリギリギリ。
「その・・・ふしどを共にするのが」
一呼吸置いて、王子の力がスッと抜ける。
「そうか、申し訳なかった」
王子は俺を気遣うように優しい声を出す。
すまぬ、リース王子よ。
やっぱり無理だったのだ。身体は乙女、中身は男なのだ。
男に抱かれるのはダメだ。
「そうだな。緊張しているよな。ことを急ぎすぎたな」
「申し訳ございません」
「謝るな。まずはお茶を持って来させよう。酒でも良い。心を落ち着かせたら気持ちも変わるだろう」
ニコニコと提案するが伝えわってない。
「違うんです王子」
「ん?」
「この行為が無理なんです!!」
王子がポカンとする。何が起こったのかわからように。手に持っていた団子を落とした子供みたいに。
すぐに王子は何か思いついたようにぱぁーとにこやかになる。
「そうかわかった。すまなかった。今日一日ゆっくる休むといい。何今日がダメなら明日でも良い。ん?それも早いなら来週でもいいぞ」
「リース王子、あの」
上機嫌な王子はさらりと俺の手を取り、肌を寄せる。
お天気王子、曇りのち晴れ!
「いたたたたーー!!」
ゴキっ!!
やっちまった。
抱き寄せキスをしようとしてきた王子の手をマルタ同様、後ろ手に捻り上げてしまった。
慌てて離すが時既に遅し。
「オーロラ私に一体何を・・・」
「申し訳ございません。ついっ」
ベットの上で何度も土下座する。
王子の顔はみるみる怒りの表情に変わる。天気の急変。雨から雷雨。
「どういうことだ?私を弄んだのか?!」
明らかに戸惑っているのがわかる。
うん、そうだよね。わかるよ。わかる。
俺だってびっくりすると思う。
まさか、一人の人間の人格が入れ替わっているなんて思いもしないよな。
これを伝えられたら楽だろうが、まず信じてはもらえないだろう。
痛むのか、腕をさすっている。ゴキって変な音しちゃったし。
「王子本当に申し訳ございません。お怪我は」
「ええい、触れるな!!」
癇癪を起こした子供みたいに甲高い声で吠える。
「オーロラよ。お主はやはり聖女ではない。聖女失格だ!!!」
雷が落ちた。
残り、後数話で完結です。
こんなに完結が長引くとは思ってなかったけど、ここまでこれました。




