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COLORS  作者: 白屋箔手
プロローグ
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プロローグ

現代社会の流れに合わせて、日々人々は移ろい、その行動や習性も変わっていく。比例するように犯罪や、その隠蔽も変化し、また進化してきた。警察では追い切れない。あまりにも多い犯罪行為や、付随行為、またその多様性。それは人の数だけ枝分かれしこれまで絶えることなく、むしろ巧妙化し栄えてきた。

 人は考えた。すぐ隣に悪がいるのでは、と。

 そして人は目を瞑った。目の前に潜む恐怖を、見ないことにしたのだ。国家政府までもが、同じく目を瞑った。瞼の裏に、平和を描いた。それが幻影だと分かっていても、夢と知っていても。

 人の進化・衰退と時の流れと共に、人間の中には特異な体質を持つ者が徐々に現れ始めた。異能と呼ばれたそれは発見当初、これで凶悪な犯罪者達を抑圧できると考えた者も多かった。

 しかし、それを利用した犯罪が発生する事など、想像が容易にできるだろう。実際、これまでよりも酷いことばかり起きた。

 もしかしたら、異能と言われてかっこよさを感じるかもしれない。炎を、水を、風を、その手から作り出せたらどんなに格好いいものだろうと。便利なのだろうと。

 だが、それは障害になりうる。

 神は二物を与えずと言うが、異能を持つ者は、総じて何かが欠けていた。それは視力だったり、声だったり、四肢だったりと、様々だった。

 また、異能をコントロールするには、耐え難いほどの訓練が必要になる場合がほとんどだった。

 生まれつき脅威となる異能を持った子供などは、親の顔を知らない事が多かった。異能と、何かしらの欠如から将来を案じ、親が子供との別れを望むことが多かった。影では子供の異能の暴走による死亡も相当数あった。それと同数程度に、無理心中や子供の殺害もあった。

 政府は対応を迫られた。そして徐々に異能に対する迫害や差別も増加していった。

 そして、政府は対応を間違えた。

 異能者を隔離、隠蔽しようとしたのだ。結果的に失敗となったが、それは多くの反感と怒りを集めた。異能者はもちろん、異能を持たない者達もその感情を持った。

 そして、異能者を人間として扱わない人間から守ること、異能犯罪を抑制・鎮圧することなどを軸に、いくつかのまとまりができた。

 そして現在では、最も力を強め、多くの信頼を受けた集団が、役割を果たしている。

 それらの集団は自らを「自警団」と称し、あくまで政府の傘下には下らず、独立した組織であることを明かにした。

 当初政府は、自警団を危険因子と疑い排除を試みた。だが自警団が誕生してから、凶悪犯罪がみるみる減ったのを、民衆はすぐに理解した。故に民衆はその存在を、政府に認めさせ警察との連携も取らせた。それは今のところ、成功となっている。凶悪な犯罪は著しく減り、異能者の社会的地位も回復していった。

 だが、それを良しとしない者たちもまた、組織的な犯罪者集団や反社会勢力として現れていった。

 そして、そういった集団は自称か他称かは不明だが、次第に「ボムズ」と呼ばれた。多くの人間が「爆発テロが多いから」という理由でこの名称で納得していた。

 世論は、皆自警団に味方すると思いきや、少数派ではあれどボムズに加担するもの達がいた。

 自警団は更なる対応を迫られる。だが政治には介入しないこととなっている以上、自由のきくものではなかった。治安がまた悪化していく中、自警団は奮闘した。争いは争いを生むと、分からないはずがないのに。それでも、大切な人を、善良なる人々を守るために。

 これは、端的に言えば自警団の発足と、ボムズとの衝突の一幕である。 

こういうのが好きなので書いちゃった。

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