表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第1章 はじまり

あるところに魔法まほうくにがあった。

そこでまれた子供こどもたちはおおきくなるとみんなだれでも魔法まほうひと使つかうことができるようになるのだった。


そら魔法まほうひかかがや魔法まほうからだいや魔法まほう。だれもがそれぞれに自分じぶんっている魔法まほう使つかって生活せいかつをしていたのだった。


そのくにに、あるおとこまれた。

そのかしこく、ほかよりもはや文字もじきできたりした。運動うんどう上手じょうずで、あしはやく、いしつぶてをとおくのまとてられたりもした。


しかし、なかなか魔法まほうちからがあらわれてこなかった。

とうさんもおかあさんも、そのおとこせいいっぱいの愛情あいじょうそそいで生活せいかつしてきたが、いつまでたっても、そのおとこ魔法まほう使つかうことができなかった。


そのおとこが10さいになったときには

もうむらのだいぶ年下としした子供こどもたちも自分じぶんたちの魔法まほう使つかえるようになっていた。近所きんじょ子供こどもたちは「おにいちゃんまだ魔法まほう使つかえないの?」、「はや使つかえるようになったらいいのにね」などと口々(くちぐち)にわれてしまうのだった。


あるとき、そんなおとこのことがおしろ王様おうさまみみにもうわさとしてとどいてしまった。おりしも、王様おうさまつかえていた予言魔法よげんまほう使つかえる家来けらいが、ここ10ねんのうちに、魔王まおうがこの魔法まほうくにおびやかすのだ、というおそろしい予言よげん王様おうさまつたえていたのだ。


王様おうさまは、これまでいたこともないような、かんがえられもしなかった、魔法まほう使つかえない子供こどもうわさき、それが、なにか、この平和へいわゆたかな魔法まほうくにおびやかす、魔王まおうにつながっているようにおもわれてならなかった。


王様おうさまは、とても不安ふあんになり、側近そっきん家来けらいたちと相談そうだんした。そして、王様おうさまは、そのおとこ父母ふぼと、かれらがむらたいし、つぎのように命令めいれいした。


「このくに魔法まほう使つかえなかったものはいない。

 魔法まほう使つかえないおとこが10さいになるまでに

 魔法まほう使つかうことができなければ

 それは邪悪じゃあくなものの手先てさきになるに相違そういない。

 そのおとこは、この魔法まほうくにまもるため

 魔法まほうくにから追放ついほうしてしまうことにする。

 この命令めいれいしたがわなかったものは、

 だれでもみな牢屋ろうやれてしまうぞ。」


そのおとこ父母ふぼも、おとこも、この命令めいれいいて、とてもかなしんだ。そんなひどいはなしがあるのかとなげいた。むらひとたちも、そんな家族かぞくて、かわいそうにおもったが、王様おうさま命令めいれいにはさからえない。家族かぞく村人むらびとたちは、どうにかおとこが12さいになるまでに、魔法まほう使つかうことができるようになってほしい、といのるばかりだった。


けっきょく、おとこは、10さい誕生日たんじょうびても、魔法まほう使つかうことができなかった。まもなく、おしろから兵隊へいたいたちがやってきて、おとこいえた。おとうさんもおかあさんもどうにか息子むすこいえいてもらえるようにたのんだが、王様おうさまさからったという理由りゆうで、二人ふたりとも牢屋ろうやれられてしまった。


そして、おとこは3にん兵隊へいたいれられて魔法まほうくに国境こっきょうまでった。そして、おとこはそこから人間にんげんくに追放ついほうされてしまったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ