表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レナちゃんとやさしい動物たち  作者: 高山 由宇
1/9

プロローグ 〜雨と風と雷と小さな女の子〜

 その日は、朝から雨が降っていました。

 真っ黒な雲が重く垂れ込み、時折、カミナリさまの太鼓の音が辺りにこだまします。

 風も強くなってきました。

 河原に吹く風はひときわ強く、びゅうと吹き荒れては、小さな女の子の横を吹き抜けていきます。

「もうむり…っ」

 真っ赤なスカートをはためかせながら、女の子はその場にしゃがみ込んでしまいました。その手には、真っ赤な傘の柄を握りしめています。ですが、傘の骨はぽきりと折られ、もはやその役目を果たせるような状態ではありませんでした。

 哀れな女の子の頬を雫が伝います。

 それは雨なのか。それとも、切なさゆえの涙なのか…。

 もうどうしたらよいのかわからず、大声をあげて泣き出しそうになったその時です。声が聞こえました。それも、助けを求める声です。

「だれ…?」

 女の子はすっくと立ち上がると、それまでの悲しさも忘れて辺りに問いかけます。これでひとりじゃなくなるかもしれない…その思いから、女の子は懸命に声の主を探しました。けれども、なかなか見つけることができませんでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ