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不安
その後も俺は金木に精一杯張り付き、簡単にはシュートを打たせなかった。タフショットは何本か決められたが自分では良くやったと思う。
3Qが終わり64-60。ついにリードを奪う。
「大和、ナイスディフェンスだ。このまま最後まで突っ走るぞ!」
監督も興奮している。あと1Q、絶対に勝つ。
「大和」
冴島が俺に話しかける。
「ありがとうな」
冴島は下を向く。
「まだですよ、冴島さん」
冴島は頷く。
4Qが始まる。相手ボールで始まり島江がボールを運ぶ。ディフェンスは石山。トップで左右に揺さぶり右にドライブ。石山に体を当ててから横にステップしミドルシュートを決める。
少しだけ不安視していた事が起きた。それは石山のディフェンスを狙われる事。石山に金木を止める事は出来ないし、島江にはフィジカルで押し切られる。こちらが相手以上に得点し続けなければいけなくなる。
その不安は的中していた。東三河は徹底的に石山の所を攻める。サイズ、体重のミスマッチ。スキルでも島江が上だろう。開始4分でついに追いつかれる。72-72。
「石山、交代だ」
ディフェンスの良い2年生の堀土と代わる。鈴木監督は点の取り合いで勝つのではなく、守りを固めた。




