第六話 THE END
事情があって今回で終わりになりました、すみません。
第六話
家の中をあらかた見てまわった風華は未だに蒼疾を引き連れていたままだった。
「ふ〜ん、なかなか広いわね?お風呂も二人ちょうど入れるサイズだわ」
「ええ、まぁ……って、どういう意味ですか?…それに、もう、僕の家じゃありませんけど?」
悲しげに言う蒼疾に軽い調子で風華は答える。
「まぁね、これからはあたしたちの家だわ」
そうですね………と蒼疾は呟いたが次の瞬間には風香の肩を掴む。
「あら?あたしにとうとう振り返ってくれた?お姉さん、そんなに見られると困っちゃうわ♪」
「そ、そんなことより………あたしたちの家ってどういうことですか!」
詰め寄る蒼疾に風香はため息をつくようにして答える。
「………あのねぇ、別にあんたの両親はその気になれば探せるわ。それより、家を失ったあんた、どうするの?ダンボールで暮らす?それもまた一つのお話があって面白そうね?」
計画性のない突拍子の言葉が一番危なくて身を滅ぼしやすい要素なのよ!とそういって返答を待つが、蒼疾はぼそぼそと呟くしかできない。
「う………それは………」
そんな言葉は聞きたくないとばかりに風華は一方的に告げる。
「とりあえず、この家を借りる!そして、それからあんたの両親を探せばいいわ」
「で、でも僕お金持ってないし………」
再び外へとやってくる風華と蒼疾。彼らの前に車が一台止まって家財道具一式を入れ始めたのだった。
「だ・か・ら!あたしもここに住むのよ!あたしがお金を出してあげる代わりに蒼疾は家事ね?はい!けって〜!」
そういって空き家と書かれていた紙をはがし、家財道具を家の中に入れ始める白い人たちの一人が彼女に表札を渡す。
「どうぞ、お嬢様」
「お、お嬢様!?」
驚く蒼疾をさらりと無視して風華はお手伝いさんにすばやく答える。
「ん、ありがとう………ああ、メイドを一人雇っておいて………新人、よろしくね」
「かしこまりました」
家財道具を入れ終えた白い服たちの人たちはあっという間に去っていったのだった。
「まぁ、何も考えないでゆるりとたまには生活してみたら?」
ぽんぽんと蒼疾の肩を叩いてそんなことをいう。蒼疾は首をかしげながらも風華のほうに向き直って念を押すようにたずねる。
「…………いいんですか?」
「いいのいいの!気にしない気にしない!天使の施しは万人のためにあるのよ」
ニコニコといった調子で蒼疾の肩をばしばしと叩く。
「さぁ、年越しの準備をしないとね?」
「……そうでしたね」
今思えば既にクリスマスも終わっており、感覚は未だに夏なのだが季節ではもうそろそろでこの年も終わってしまう。
「さ、行くわよ〜」
「どこへ?」
「ショッピングよショッピング!」
蒼疾の腕を抱きしめるようにして風華は歩き始める。
―――――
「あの男、絶対に尻にしかれてるわ」
街中、そんな声が蒼疾の耳に入ってくるが、彼の頭の中は腕に当たっているやわらかいものに意識がいっていてそれどころではなかった。
「…………」
「何そんなにがちがちになってるの?」
「だ、だって…………その、嬉しいんだか、はずかしいんだか………」
混乱する蒼疾に彼女は告げる。
「実はね〜この話………今日で終わり!」
「ま、まじっすか!?」
「うん、正確に言うと、次の行でエンド!」
〜END〜




