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第三話 不良と遊ぼう!

第三話

 他の不良と共に気絶してしまった蒼疾がようやく気がついた。

「お、気がついたかい?」

「おわっ!!」

 女の子は蒼疾に馬乗りになっている状態であり、何故か自分のシャツのボタンを開けている途中だったのだ。

「な、何してるんですか!」

 あわててやめさせようとするが彼女の手は止まらない。

「おっと、ちょっと怪我とかしてないか調べたりしてるんだよ〜邪魔しないでくれ」

「怪我?」

「そう、あたしのあの技、食らっただろ?」

 思い出そうと努力する………そういえば、彼女が何か啖呵を切ったのを思い出すが詳しくは思い出せない。

「さすがに同種にそんなことするのは気がひけるし、見たところ不良って柄でもない………可愛い僕ちゃんって所だろうっておもってね〜」

 細めでじーっと蒼疾の顔を見る。そんな経験が殆ど無い蒼疾は困ったような顔をして結局、最後は目をそらしたのだった。

「ま、どこか痛むのなら教えて欲しいんだけど?」

「え〜と、大丈夫です」

「無理してないかい?」

「ええ、今のところは……………」

 未だに馬乗りになって抱きしめようと思えば抱きしめる範囲にいる彼女を意識しないように蒼疾は口を開く。

「ええっと、助けてくれてありがとうございます」

「い、いやいや、礼なんていいよ!あたしは別にあんたを助けようとしたわけじゃないんだからさ!………ところで、名前はなんていうんだい?」

 女の子は興味深そうに蒼疾をじっくりと見ている。

「ええと………天道時蒼疾」

「蒼疾か………」

「とりあえず、ありがとうございました!」

 目の前にいるのだが頭を下げ置くことにしたのだが………

「そ、そういわれると照れるな……」

 目の前の女の子は礼を言われることに対して慣れていないようで、顔を紅く染めていたのであった。そして、妄想を炸裂させている蒼疾も顔を真っ赤に染めている。

「え、え〜と、あなたの名前を教えてくれませんか?」

「え?あ、あたしかい?あたしの名前は………風華さ………岡野風華」

「風華さんですか………」

 自分より年下のようだが話し方、落ち着いているその態度が蒼疾よりも上っぽい感じを匂わせていた。

「風華さんはここで何をしているんですか?」

 ちょっとぼろぼろのアパートのような部屋を蒼疾はきょろきょろと見回した。そして、自分がベッドの上にいるということに気がつき、改めて顔を真っ赤に染める。

「ああ、ごろつきみたいなことさ………不良を襲っては財布をくすねたりしてる………ついでに、犯罪者となっちまった連中は警察の前に転がしてきてる」

「………いいことをしているんですか?」

 そういうといやそうな顔をする風華。

「いいや、言ったろ、ごろつきみたいなことをしているって………さっきも言ったけど、蒼疾を助けたのは興味を抱いたから」

「興味?」

 蒼疾は自分の体を見渡す………だが、別におかしいところは………いや、あった。

「この、翼のことですか?」

「そう、それ」

 不良のかたがたもこういうものをつけていたのだが蒼疾はその中でもおかしい姿だったのだろう。

「え〜と、この翼のことを知っているんですか?」

「まぁね。蒼疾は知らないの?」

 首を振る蒼疾に風華は成る程〜と軽めに頷いた。

「あの、嘘だって言ってくれても構わないから僕の話、聞いてもらえませんか?」

――――

 蒼疾は彼女にこれまであった本当のことを話した………ちなみに、蒼疾の話はダンボールに入れられたところから始まった………話し終わると、聞き手になっていた風化は彼に告げる。

「家、行ったのか?」

「え?」

「蒼疾の家だ………今頃やれ行方不明だ!やれ誘拐だ!とかになってるんじゃないのか?急いで行ったほうがいい」

 今まで気がつかなかったことを風華に言われる。そういえば…………といったところだろうか?

「そ、そうですね………」

 立ち上がろうとする蒼疾を風華が止める。

「………ところで、一つ聞きたいことがあるんだけど?」

「え〜と、何ですか?」

「蒼疾君は何に釣られて天使につかまったんですか〜?」

「…………」

 絶句するしかなかった………きっと、今の自分の顔をカメラで取ったらさぞや面白い顔となっていることだろう。さらに言うならばいきなり敬語になった風華の顔は非常ににやーっとしたものだった。見たものすべてが損をしてしまう………そんな顔だった。

「ぼ、僕を捕まえたのは天使だったんですか!?」

「おっと、話を替えようとしない!」

 逃げられないように体重をかけ、両手で蒼疾の顔を押さえる。

「えっと、そ、そう見ないで下さい……照れてしまいますから……」

「そう?あたしは別にかまわんさ」

 どうにかして逃げようと考える蒼疾だが、体は動かないし、篭絡されてしまうのは時間の問題だろう。

「ほらほら〜♪あたしの目をちゃんと見なさい!」

 徐々に迫ってくるその可愛い顔に蒼疾の妄想は徐々に危ない方向へとスピードを高めていく。

「く、唇があたっちゃいます!」

「あたしはあんたみたいな外見の男の子好みだからだいじょーぶ!」

「が、外見で人を判断するのも………」

「中身もよわっちそうで素直でいぢめがいがあってたまんないわ!」

 もう最高よ!といってさらに近づいてくる。

「…………」

 蒼疾はここまでかとおもっていたのだが…………

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」

この世が裂けてしまうのではないかというほどの叫び声が二人の耳に入ってきたのであった。

「!?」

「今のは!?」

風華は扉を開けるとベッドでボーっとしていた蒼疾ににやりと笑う。

「鴨がネギしょってやってきた!!」

「鴨?」

 鴨ってあんな鳴き声するのか〜と考えていた蒼疾の手を風華は掴む。

「さ、いくよ!」

「どこへ?」

 扉の先には廊下なんてなく、そのまま一階………ここが地上四階だと今頃蒼疾は気づく………へと二人は飛び降りる。勿論、なれない蒼疾は叫んだのだった。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」


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