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闇術使いの英雄凱旋  作者: K=Shou
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第一話 アビリティユーザー

第一話です

今回はABUとABHと呼ばれる物が出てきます。

 放課後になって、俺は朝に聞いた”例の家”に向かって歩いていた。


『あの家はね、誰が住んでるかもわからないから少し不気味だよね~』


昼間に月影から言われた言葉を思い浮かべる。


――まぁ確かに、誰が住んでるかなんざわかんねぇわな。


そう、あの家に住んでいる人物を知ることは容易ではない。

なぜならあの家はセキュリティ万全、難攻不落の要塞みたいなものだ。

外の柵には赤外線センサーシステム、玄関には指紋、声紋認証システム、

敷地内には無人機関銃5門…と、数え切れないほどの防犯設備が配備されている。


――っと、ついたか。


色々考えながら歩いているうちに、いつの間にか例の豪邸前にたどり着いたみたいだ。


俺はおもむろに門のすぐ横にあるインターホンのような機器に手を伸ばす。


【声紋確認を致します、訪問者様の場合は画面右の訪問者ボタンを押してください。】


俺はインターホンのような機械のすぐ隣にある、スピーカーのような見た目をしている機械に向かってに声を発する。


「声紋確認、神埼涼」


【…声紋を確認しました。続いて、指紋認証に移ります。画面に指をかざしてください。】


今度はスピーカーの更に横にある画面に人差し指をかざした。


【…指紋を確認致しました。おかえりなさいませ、涼様。】


機械がそう告げると、門が鈍い音を建てながら大きく開いていく。


「ハァ~本当に疲れた。相変わらず面倒だなこの機械…まぁ設置したのは俺なんだが。」




そう、設置したのはこの俺、神埼涼。

この家は俺達が住んでいる家。


主にとある秘密を厳守するためにこのセキュリティを配備したのは良いが…っ!



「なぜ!事もあろうに!秘密を厳守するべき!お前らが!目立つようなことをしている!」


場所は変わってここは“例の豪邸”の中にあるリビング。

俺がここにいる二人に朝起こった出来事を説明した後だ。


「い、いや、それはね、ほら、ABHに所属するものとしてね、日々ね、精進をしなきゃいけないじゃない?」


と言い訳するこいつは火山凛。俺と同じABH所属の隊員。18歳彼氏なし!


「そんなことはどうでもいい!第一限度があるだろ!あくまで!バレないように!バレないように努めてこその訓練だろ!」


「うっ、まぁ、それは、ね…」


凛は完全に怯んでるな。まぁ、普段無口の俺がこんなに声を荒げるのも珍しくはあるが…


「お、落ち着いてください涼様。今からでも訓練方法を変えればなんとかなりますよ。」


と、必死に俺をなだめるこの男は上山悠人。この家の執事であり俺達と同じくABHの隊員だ。


「だいたい上山さn…上山も上山だ!凛を止めるチャンスはいくらでもあったろう!」


「いえ、それには理由がありましてですね…」


「…理由?」


「は、はい、とりあえず服をお着替えになったほうがよろしいのでは?私服に着替えたほうがゆっくりとお話もできますし。」


「…あーそういや、制服のままだったな。そうだな、着替えてくるか。」


俺がそう告げるとふたりとも露骨にホッとしたような顔をしやがる。

凛なんかは本当に心から安心した感があるぞ…なんか癪だな。


とかなんとか考えながら自室へと移動し、私服へと着替え始める。




「窮屈だな、ABUってのは。」



…ABU、アビリティユーザー。アビリティを使うことが出来る人間の総称。

アビリティというのは一部の人間が持って生まれた能力であり、人を守ることも殺すこともできる危険な能力。



ABH、アビリティハンター。国連所属の国際組織。

近年増加傾向にある凶悪犯罪を取り締まる国連所属の精鋭部隊…と言うのは表向きで、その実態は主にアビリティと呼ばれる物の回収、取り締まりが任務。


世界はアビリティの危険性を恐れ、アビリティの回収、並びにABUを仲間に引き入れることでその危険性をなくし、ABUの管理で世界の統制をしようと図り我々ABHを好き勝手顎で使ってくれやがる連中だ。




そんなことを考えながら着替えを済ませ、リビングへと再び移動する。


「…またせたな。それで、さっき言ってた理由っていうのは?」


俺はソファーへと腰掛けながら二人に問いかけた。


「ええ、説明するわ。」


凛はそう告げると、ゆっくりと説明を始めていく。


「私達が外で訓練をしてた理由は一つ、ABUよ。」


「…ABU?この町で出たのか。」


「ええ、おそらく氷雨(フリーズレイ)のアビリティ。その反応が出たの。」


凛が言い終わると同時に今度は上山が口を開いた。


「反応…と言うより目撃情報ですね。少し前まで噂になってまして、我々と同じようなね。」


「なるほど、つまりお前らはそいつの目に留まるためにわざと外で訓練をしてたのか。」


「はい、それも、街中で噂になるような規模でね。」


「…そうか。俺としたことが…きちんと理由を聞けばよかったな。すまなかった。」


二人に詫びを入れつつおもむろにソファーから立ち上がった俺は二人への指示を出す。


「では当面のミッションだ。氷雨(フリーズレイ)ABUとの接触を図り、保護、監視。

並びに危険性のある人物であった場合はアビリティを回収、以上だ!」


「承知致しました。リーダー。」


「了解よ、リーダー。」


同時に言葉を発した後に凛が口を開く。


「さぁーて、というわけだから涼。街へ出るわよ。」


…は?


「まてまて、何がというわけなんだ凛。」


「決まってるでしょ。情報収集よ!」


「…」


「というわけだから悠人さん。自宅待機よろしくっ♪」


いやまてまて!


「お気をつけていってらっしゃいませ、凛様、涼様。」


「いやいやいや、まだ外に出るなんて一言も言ってないぞ。上山もなぜとめn「いってきまーす!」


こうして、我々のABU保護作戦が開始された。

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