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闇術使いの英雄凱旋  作者: K=Shou
1/6

プロローグ

初投稿です

至らぬ点もあるかと思いますが頑張っていきます。

「おはよー神崎君。今日も朝早いねー。」


彼女は教室へ入ってくるなり、俺に声を掛ける。


「お前も大概早いだろ。月影。」


俺は、窓の方を向いたまま声を返す。


「まーね。私が2番で神崎くんが1番だもん。」


と話すこいつは月影ミレ。

俺と同じ中学二年生。俺のクラスメートで、クラスの人気者。常に人の中心にいる、所謂リア充。


「しっかしまぁ月影、なんで毎日毎日こんなに早く登校してくるかねぇ。」


「それは神崎君にも言えることじゃない?わざわざこんな早くに来なくても、家でゆっくりすればいいのに。」


「家でゆっくりはしたくねぇな。学校にいたほうが時間を気にせずゆっくり出来るし、勉強に集中できるんだよ。」


俺は窓の方を向いたまま話を続ける。


「それよりお前だよ、月影。こんな早く来ても、やることと言ったら俺と話すぐらいだろ。」


「んー?だってそれが目的だからね~。早く来たらその分、神崎君と話す時間が増えるじゃん。」


「…言ってろ。」


―――俺はこの女、月影ミレが苦手だ。


彼女はやさしい。確実に、誰が見ても。

彼女は、どんな人間でも困っていたら必ず手を差し伸べる。

優しい、と言うよりお人好し。

基本、無口で”寄らば切る!”というオーラを放っている俺にわざわざ話しかけてくるぐらいのお人好しだ。


―――さっきの発言も、間違いなく彼女の優しさそのものだろう。


だがそんな優しさも、人によって、時によっては苦痛になりのしかかってくる。

俺にはその優しさが、時に真っ黒に、裏があるように思えてしまう。

彼女の人間性を、裏があるように捉えてしまう。否定をしたくなってしまう。

俺はその優しさを、うまく信じることができないんだ。

俺は心が貧しいんだろうか。

もしくはただ単に…


「…崎君、神崎君!」


「…あぁ、すまん。聞いてなかった。」


…考え事をしていると、周りの情報が全く入ってこなくなる。俺の悪い癖が出ちまったな。


「神崎君結構そういうとこあるよね。考え事でもしてた?」


「…いや、ただ眠かっただけだ。それでどうしたって?」


「だからね、最近学校周辺に変な噂が立ってるんだって。」


「…変な噂?」


この町で変な噂なんざ早々聞かないぞ…

嫌な予感がする。


「うん。なんかね、学校の近くにおっきな豪邸があるでしょ?その家の庭に雷が落ちたりキャンプファイヤーみたいな炎が上がってるのを見たって人がたくさんいるんだって。」


―――マジかよ…


「…真っ昼間からか?」


「そうみたい、それも結構な頻度でね。何せ大勢の人が見たって言ってるから噂は本当みたいだけど…神崎君は見たことない?」


「……」


「神崎くん?」


「…いや、見たこともないし聞いたこともないな。そんな噂。」


「そっかー。もしかしたら何かあるのかな?あそこの家。」


「どうだろうな。俺はあまり興味が無いが。まぁとりあえず、そんなところにはあまり近づかないほうがいいぞ。何されるかわかったもんじゃないからな。」


―――あのバカどもは。

閲覧ありがとうございました。

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