表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
再び巡り会うその日まで  作者: 10雪菜01
番外編ーシーク・ドールの場合ー
41/44

番外編−最終話−



(スパッツ……か)

俺はベッドに転がりながら胸中で呟く。


リリアのパンツの丸見えがどうにかならないものかと博士に聞きに行った答えがソレだった。

しかし、もう夕刻。

時計を見れば19時を回ろうとするところ。

スパッツなるものを買いに行くには少し遅い。


(特にすることも無いし、風呂でも入るかなー)

自室のベッドに寝そべりながら壁にかかる時計を見る。


夕飯でも、と考えたが

(そもそも、腹なんて空かねぇし)

俺は胸中で呟き、ベッドから状態を起こし、腕を頭上へと持ち上げる。


ギシッ……と背中の伸びる感覚を確かめてから俺は腕を下ろし一つだけ息を吐き出す。


シーク・ドールは空腹を知らない。

それでも、ライアさんもリリアも人間と同じ物を食す。

それも、朝昼晩と三食。

リリアに至っては間食もする。


そんな二人に感化され俺も食事は摂るようになっていた。

しかし

(二人とも仕事なら食べる必要性を感じないんだよなー)

以前、一人の時でも食べてはみたのだが、なんとも味気なくて……

二人がいないときは特に食べる意欲も湧かない。


(やっぱ風呂だな風呂)

そう思い、ベッドから軽快に立ち上がり部屋に備え付けられているチェストを開ける。


バスタオルに、フェイスタオル。

そして、柔軟剤の香りがする部屋着。ランニングシャツに

(トランクス、履きたいけど…まずは洗濯してもらってから)

俺は新品のトランクスを洗濯してもらうためいそいそと一緒に準備する。

(明日の夜が楽しみだっ)

意気揚々と、いつものパンツを取ろうとした時だった。


ブリーフとブリーフの間から

(…なんだこれ)

パサリ。と黒い布切れが落ちる。

摘まみ上げ、眉根を寄せれば黒い三角形の布。

(すげぇ…伸縮性)

指で摘まみ、左右に引っ張るとブリーフなんかよりも伸縮性に優れていて。


(……パンツの一種……なのかな?)

小首を傾げた時、

「たっだいまー!テアちゃーん!」

勢いよく自室の部屋が開け放たれる。

現れたツインテールと、チリチリなり響く鈴の音色に

「げっ。リリア」

俺は顔が引きつる。


「げっ。って何よげって!」

頬を膨らませ、不服げにリリアは入室してくる。

「何か用?」

なんだか悪い予感しかしなくて、咄嗟に背中へと黒い布地を隠したのだが

「なぁに隠したの?ん?」

ニッコリと微笑んでリリアは俺の腕を掴み上げる。


「ぁっ!ちょ、辞めっ!」

俺は慌てて制したのだが、明らかに俺の声に反応したわけではなく

「なっ……」

言葉を失い、右手に持つ布地を凝視してリリアが固まる。


「リリア?」

「まず、座りなさい」

ポフポフと、部屋のカーペットを叩かれて俺は

「……わかったよ」

と素直に従いその場に座る。

彼女の様子を俺は伺えば、彼女も座りながら

「……冷めるわ…」

「ん?」

ボソリ。と呟くリリアの声が聞き取れなくて俺は小首を傾げる。


「100年の恋も冷めるって言ったのよ!」

チリンチリンと鈴を激しく揺らし、リリアが俺へと言葉を放つ。

「はぁ?」

俺の手から黒い布地を奪い取り

「テアちゃん!いーい?何があったか知らないけどね!ブリーフの方がまだマシよ!?」

信じらんない!なんて付け足しながらリリアの形相が変わっていく。


「えっ?ぇっ?」

呆気にとられる俺に

「これは!ブーメランパンツっていうのよ!私、このパンツはテアちゃんには無しだと思うのよ!」

「ぶ……ブーメランパンツ?」

初めて聞いたその単語に俺は眉根を寄せる。


「とぼけないで!ブリーフなんて純粋すぎるって思ってたのよ!まさか!こんな!変態チックなパンツが好きだったなんて!」

そう、オッドアイの瞳を見開きながらリリアが叫んだ時だった。


「変態チックで悪かったな」

低い声が頭上から降り注ぐ。

その声の主は

「ぁ、ライアさんお帰りなさい」

俺の憧れの人が任務から帰ってきたのだ。


「ライア?邪魔しないで貰える?今ねテアちゃんと…、ぁっ!返してよ!」

「返しても何も、このパンツは俺のだ。なんで、テアの部屋にある」

少しだけ、呆れた顔をしてライアさんはリリアの手からブーメランパンツを奪い取る。

「俺の……パンツ?」

キョトンとリリアが小首を傾げれば、ライアさんは一つだけ頷いて

「そうだ」

とライアさんはそのブーメランパンツを、戦闘服の内側へとしまい込む。


「テアちゃんじゃ無かったのね!」

心底ホッとした顔をして、リリアはその場に座り込む。

「……でも変態チックなんだろう?」

少しだけ怒気を含めた声でライアがリリアに聞く。

リリアはオッドアイの瞳を泳がせて

「ぇっ⁉︎ぁー…んふふふー♡」

言葉を濁そうとするから

「なんで、変態なの?」

俺は率直に問いかける。


「なんでっ……て……だって……その……」

尻すぼみになっていく言葉とは反比例するように、リリアの顔が赤くなっていく。


「……形状が。まぁ所謂、盛り上がるからな」

ライアさんが呟けば、一つだけコクンとリリアが頷く。

「盛り上がる?」

俺はライアさんを見つめ上げ問いかけるが

「お前はまだ知らなくていい」

ポンポンと、頭を撫でられてしまう。


そして

「ジェイクから教わったんだ」

ライアさんが口を開く。

「ジェイクから?」

眉根を寄せてリリアはライアさんの深い緑色の瞳を見つめる。


ブーメランパンツを戦闘服のジャケットから取り出して

「元々はボクサーを履いていたんだが…伸縮性に優れていてな。この戦闘服のときは、コイツを履けって言われたんだよ」

リリアに見せる。

「そんな、見せなくていいわよ」

ソッポを向く、リリアにライアさんは

「そうか?」

なんて。


「それで?どうしてそれを勧められたの?」

「ボクサーだと、この戦闘服ではパンツのラインが出るからな」

「それだけ?」

「あと、ブーメランパンツの方が伸縮性があって動きやすい」

サラリと答えるライアさんを見てリリアが

「アンタってそういうやつよね」

はぁ。とため息をついて頭を抱える。


「それに、ジェイクが教えてくれたこと無下には出来んだろ」

「ライアはジェイクを崇拝しすぎなのよ…」


二人の会話に付いていけない俺はなんだか取り残された気分になる。


勇気を出して

「ふ……普段からソレなんですか?」

と問いかければ

「いや?仕事の時だけだ」

その答えにリリアの顔が引きつるのが見えた。

「じゃあ……アレなの?暗殺してるときは常に……」

「その通りだが?悪いか?」

「いや……別に……」

「ええっと、ええっと!普段はどんなパンツ履いてるんですか⁉︎」

俺は咄嗟に突拍子も無い質問をしてしまう。


一瞬、ライアさんは驚いた顔をして

「……今から暇か?」

「え?ぁ、風呂に」

「ちょうどいい。一回俺の部屋に一緒に行こう」

そう言って、彼は俺のことを立たせる。

「ちょ、ちょっとちょっと!」

リリアが俺達を引き止めようとしたけれど

「何。男同士の……いや、師弟関係の大事な話のついでに……な」

クスリ。と含み笑いを見せてライアさんは俺の肩を寄せる。


「え?」

「俺もなテアのブリーフはどうかと思ってたんだ。ボクサーでもと言いたいが……トランクスを用意してある」

と、ライアさんは俺の耳元で囁いてきて。


背中からは

「ちょっと!ちょっと!私だけ除け者なんてダメ!っていうかなんか怪しいわ!テアちゃーん!」

なんて、リリアが叫んでいたけれど

「ごめんリリア。俺、ライアさんの部屋に行くね」

そう告げて、自室を後にしたのだった。




番外編−シーク・ドールの場合−

END

ご閲覧いただきありがとうございました。


もぅパンツパンツ煩くてすいませんでした。

でも、キャラのパンツって気になりません?

私は気になるんですよね…笑


このお話で、番外編は終わります。

次回より三章に突入します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ