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空色勾玉

 この勾玉は、たったひとつだけ、一生に一代の願い事しか聞いてくれない。

 だからこそ私、願いたいの・・・・・・。

 ソラは空色の勾玉を握って、祈りをささげた。

 荒れ野の真ん中で。

 乾いた風だけが吹きすさび、水も食べ物もない大地。

 ソラは願った。

 愛するものの復活を。

 コンと、ヘルマンと、自分がいる生活を取り戻せるなら、と。

 だがしかし、コンの願いは聞き届けても、ソラの願いはあっさりとかき消されてしまった。

 勾玉はぼろぼろに砕け散り、後には破片が残った。 

「そんな、そんな!」

 あわててソラは破片をかき集めた。

 しかし不思議なことに、破片はソラの手のひらで、とけて消えてしまう。

「いやあああ! ヘルマン、コンラード! こんなの、こんなの、いやあ!」

 神とは、なんとも無情で、なんとも差別的な存在だろうか。

 そして、無慈悲でもあり、神はソラに対して、沈黙を選んだ。

 ・・・・・・神は――。


 

 皇帝になったコンラードは、今よりもっと治世をよくせねばならなかったので、とても苦労した。

 ユリアヌスの行いがいかに怠惰しておったか。

 思い知らされるコンラード。その中で、彼はソラを想い、むなしくなった。



「ああ、ソラ。今頃どこでどうしているだろう」



 ソラは勾玉と運命を共にする少女だから、勾玉が消えたとき、ソラの命のともし火も消滅した。

 死んだら、生命は大地にかえる。

 ソラは蘇らなかったヘルマンを想い、悲しく散って逝ったのだった。

 


 

「ヘルマンよう。歴代の英雄もはかなかったが、俺たちも・・・・・・はかないなあ」

 


 コンラードは遠い昔を懐かしむように、つぶやくのだった。 

 簡単に終わりすぎ・・・・・・。

 しかもコンラード、きれい事言いすぎだし。

 ああ、ソラが・・・・・・。

 というか、うう、腰が痛い! 汗

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