起きてくださいご主人様!起きたら僕、キスします!
え!?
ご主人様がどんな人か、ですか?
えっと・・・
執事の僕にメイド服を着せたり、
一緒にお風呂に入るルールを作ったり、
女性用の下着を穿かせたりする、すばらしい人です。
あれ?おかしいな?何で涙が出るんだろう・・・。
「あの・・・。」
目の前にいる美青年に声をかける。
・・・返事は無し。
「ご主人様ぁ・・・。」
呼んでみる。
反応は無し。
この方は僕のご主人様の伊集院祐次様。
大学生でおられます。
僕は祐次様の専属の執事、井上春樹です。
高校生です。
ご主人様が遅刻なさらないようちゃんと起こすのも、執事の役目です。
ご主人様の綺麗な金髪を触ってみる。
「ん・・・。」
あ、起きた!やったー!
「・・・。」
あれ?
「ご主人様?」
返事はない。
二度寝・・・。
どうしよう、ご主人様が起きてくださらないと執事長に怒られます・・・。
仕方がありません。
「起きてくれたら、僕・・・キスします!」
がばっ!
・・・起きた。
執事の僕にメイド服を着せるご主人様ですが、
まさか、これで起きるとは・・・。
「おはようございます。今朝はいいお天気ですよ。」
笑顔でいつもの朝の挨拶をする。
「おい。」
「はい。何でしょう。」
「キス。」
「いいお天気ですね。」
ここはなるべく話を逸らしたほうがいいようです。
「あ、僕は朝食の準備を手伝わないといけないのでこれで失礼いたします。」
「・・・待て。」
腕を掴まれる。や・・・ヤバイなのです。
「親に約束は守るように教わらなかったか?」
「何の話か分らないのですが・・・」
「じゃあ、体に訊くか。」
「ごめんなさい!キスをすると、約束しました!!」
顔を近づけられる。ぎゅっと目をつぶる。
「何をしている。お前からキスをしろ。」
「え・・・」
「早くしろ。」
意地悪です・・・。
ご主人様の蒼い瞳が僕を見ています。
「あの・・・。」
「なんだ。」
「見られているとしづらいのですが・・・」
「仕方が無いな。」
ご主人様が目を閉じる。
逃げようとしましたが、腕を掴まれていて逃げれません。
僕も男です!覚悟を決めろです!
軽く頬にキスをした。
「・・・。」
「しましたよ。さあ、学校の準備を・・・」
「キスの仕方も分らないのか・・・。」
「え?キスしましたよね?」
「キスはこうするんだ。」
「ふぇ!?」
押し倒されたと思ったら、いきなり唇にご主人様の唇が触れた。
「!?」
僕の口の中をご主人様が舐め回す。
そして、やっとご主人様の唇が離れた。
「これがキスだ。」
「・・・。」
「どうした?」
「ひ、ひどいです!ファーストキスだったのに!!」
目から涙がこぼれる。
ムラ・・・
「ご主人様の意地悪・・・。」
涙が止まらなくなる。
ムラムラ・・・
「謝っても、許しませんから!!」
「すまん。」
え?謝った?あの、ご主人様が?
「理性が飛んだ。」
「・・・え?ええええええ!!」
ムラムラムラ・・・
ちょ、あの、ち、近づかないでください!
す、スカートの中に手を入れないでくだ・・・
や、やめ、何で服を脱がすんですか!!
そ、そこはらめですぅ・・・
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「春樹?」
「何ですか?先輩。」
「なんで、求人情報見てるんだ?」
「何も訊かないで下さい。」
「え・・・ごめん。」
ご主人様が執事に何をしたかは、
ご想像にお任せします。
呼んでくださりありがとうございます!
あなたは、神様です!!