19話 癖強洋服店
服屋、服屋はどこだろう?
通りを見ながら歩いていくがなかなか見つからない。
血飛沫がついたローブで長時間歩くのは流石に何か問題がある気がする。
しばらくするとようやくそれらしい店を見つけたので入る。
「い〜らっしゃいませ〜♡」
店に入るとそこに筋肉質の女装した男がいた。
「マチガエマシタ。」
180度向きを変える。
そしてそのまま店を出ようとすると
「ちょっとちょっと、ひど~いじゃな~い♡」
と腕をつかまれる。
「イヤ、ホントニ、マチガエマシタ。」
「ローブが汚れてるから、替えを買いにきたのね♡」
めざとい。
「まあ、そうなんですけど…。」
「だったら最初からそういえばいいじゃない♡」
そうプリプリと怒りながらローブを探していく男(?)。
「ローブはこれでどうかしら?」
そう言って出されたのは今のとあまり変わらないローブ。
なんでもいいのでそのまま頷く。
「洋服はどうするの?」
洋服も必要かな?
今着ている服しか持ってないや。
「じゃあ適当なのを見繕ってください。」
せっかくなのでちゃんとした服にしてもらおうか。
「なら、あなたのお顔を見ないとね♡」
「え?」
あっという間にローブを剥がれた。
「あらあら美人じゃな〜い♡ローブなんか被るのがもったいないわねぇ♡」
そう言ってさらにあれこれと服を引っ張ってくる。
「これも似合いそうね♡」
そう言いつつ色々な服を当てる。
「あらクール♡」
服を当てながらそう言う。
「エレガ〜ント♡」
次々に服を変えていく。
「今度は可憐ね♡」
正直このお店にある服は全てデザインがいい。
あんまり服にあまり興味がない私でも惹かれる服ばかりだ。
しばらくされるがままにされていたが、最終的には舞踏会にでも行きそうなドレスを当て始めた。
「いやその服は流石に使わないかな。」
そう言うと
「あらせっかく似合いそうなのに…。晩餐会で着ればきっと貴族でもイチコロよ♡」
そう言って残念そうな顔をする。
「晩餐会に呼ばれる機会なんて多分ないから。」
「まあまあ、でも持っておいて損はないわよ?」
「いくら?」
「特別に大銀貨1枚でどお?」
「買った。」
多分結構割引してくれてるのだろう。
「他のもまとめて合計大銀貨2枚よ♡」
「はい、これで。」
お金を渡して、服をしまう。
「またいらっしゃ〜い♡新作もどんどん用意するから♡」
店を出る時にそんなことを言われた。
癖は強かったが、いい服は買えたのでよかった。
服が欲しくなったら、あのお店にまた行こうかな。
そんなことを考えていると、店主の姿が頭に浮かぶ。
いや、しばらくは行かなくてもいいな。
あまりにもキャラが濃い。
そう思いながらお風呂に向かって歩き始めた。
お風呂は意外にも豪華だった。
もっと汚れていると思っていたが、貴族の風呂場にも引けを取らないのではないだろうか?
ゴブリン達の血も落とせたし、足も延ばしてゆっくりお湯に浸かれたし、満足。




