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ギルド長とルイス

「タレス、あの嬢ちゃんなにもんだ?」


部屋に入ってくるなりルイスが言った。


「わからない。」


「レベルが上がらないなんて聞いたことないぜ?」


「ああ、本部にも確認はとってみる。」


「そもそもお前の眼で確認はとったんだろ?」


「ああ、だがまだ私のスキルを欺くスキルがあるのかもしれないだろ?」


「まあそうか。」


そう言うとルイスは納得した様子で言った。



「お前は直接戦ったんだろ?どうだったんだ?」




「戦い慣れてるな。ていうか杖を使ってないのに魔術の発動が速え。」



「杖なしか?魔術師の中でも高等技術のはずだよな?」


「ああ、普通は杖がなかったら発動が遅くて使い物にならないはずなんだ。」


「グラティア学院の卒業生とかか?いやそれなら情報が出てるか。」



「お前は嬢ちゃんが貴族だと思ってるのか?」


そうルイスが尋ねてくる。


「可能性はあるだろ?」


「貴族のお嬢様が受付で生首だすか?」


そう言ってルイスが笑う。


「それはそうだが…。」



「そもそもお貴族様が六大元素持ちの娘をほっぽり出すか?」


付け加えてルイスが言う。



「わからないが、顔を隠してるんだからない話じゃないだろ?家出とかな。」


「まあな。」


「それより。」


途端にルイスが真剣な表情になる。


「あの嬢ちゃん経典外の魔術アンレコード・マジック持ってるぜ。」


「どれだ?」


そうルイスに尋ねる。


「氷属性だ。」


そう言われた瞬間に思わず頭を抱える。


「威力はどんなもんだった?」


「見てねえ。だが柄に手を掛けた瞬間の圧がやばかったな。闘技会で新獣王を見た時と同じくらいの圧を感じた。全力で戦闘態勢に入るとこだったぜ。」


「お前がか?」


「ああ、圧だけでいえばな。」


経典外の魔術アンレコード・マジックの氷属性なら貴族説はなくなるか?」


「まあ、国の象徴みたいな魔術だからな。それとも本当に『お転婆姫』の再来ならわからんが。」


「どっちにしろ厄介なことにはなりそうだな。」


これからやってくるであろう面倒ごとを想像して思わずため息をつく。


「それを捌くのはギルド長であるお前の仕事だ。頑張れよ。」


「とりあえず彼女には目にかけといてくれ。」


「わかったよ。それよりまた久しぶりに一緒に飲みに行こうぜ。」


そう言ってルイスは出ていく。


ギルド長になってからしばらく一緒に飲みにいってない。

パーティを組んでいた時はほぼ毎日飲んでたな。

懐かしい。



「まだ当分先だな。」


机の上の書類を見て、そう呟く。














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