10話 帝都へ
それにしても外の世界に出て初めての戦闘が人間とは。
複雑な気分だ。
そんなことを考えながら山道を身体強化を使って進んでいく。
しばらく走ると馬車が見えてきた。
追いつけてよかった。
「よく無事だったな」
ジョンが声をかけてくる。
「本当にな。囮になってもらってすまん。」
マークが言う。
「それにしてもどうやって逃げてきたんだ?」
ジョンが言う。
「逃げてきたわけじゃないよ。ほら。」
異空間から紅鋼の大剣を取り出す。
「これは『魔術師殺し』の剣じゃないか」
ジョンが言う。
「首もみたい?賞金首の首。」
「いや、結構だ。」
笑いながら言ったら少し引かれた。
ちょっと面白いと思ったんだけどな。
「賞金首だって言ってたよね?どこでお金もらえるの?」
「冒険者ギルドでもらえるはずだ。」
「首だけでもいいよね?」
「ああ。本来は剣とか身体の一部だけでもいいんだけどな。」
そうなんだ。
まあ首を持ち歩くのは嫌か。
せっかく拾ってきたのに残念。
持ってきた首どうしよう?
ギルドで処理してもらえるかな?
「これも回収してきたよ。」
野営道具をオリバーに渡す。
「ありがとうございます。道具の回収までしてもらって。」
オリバーが言う。
「結構高そうだったからね。」
「うちの商会で売ってるものなのでよかったら安くしときますよ。」
「お金が貯まったらお世話になるかもね。」
そんなことを話しながら道を進んでいると城と城壁が見えてきた。
「綺麗。」
思わず呟く。
「まあ帝都だからな。」
ジョンが言う。
建物じゃなくて魔術なんだけど。
帝都を覆うようにかけられた魔術。
緻密な模様で描かれた魔術印が輝いている。
きっと魔力感知を使わないと見れない光景だろう。
帝都に近づくと道に列ができていた。
門兵の検査を受けるためだろう。
「これをどうぞ。」
オリバーがローブを差し出してきた。
「いいの?」
「はい、野営道具のお礼です。それに冒険者ギルドに行くならその顔は目立つでしょう。」
まあ確かに絡まれるのは面倒くさいしありがたくちょうだいしておく。
「ありがとう。」
しばらく待つと私たちの番がきた。
「何か身分を証明するものを。」
ジョンとマークはカードのようなものを出す。
あれが冒険者証かな。
オリバーも何か取り出して門兵に見せている。
オリバーが手招きをしてる。
「もう金貨は払っておきました。私たちは先に入っていますので。何かあったらクレスト商会をお尋ねください。」
「冒険者ギルドへの案内もするか?」
マークが聞いてくる。
「いや、大丈夫。自分で見つけるよ。」
「そうか。何かあったら冒険者ギルドで俺を探せ。力になるぞ。ジョンに用があるなら酒場で探したほうが早いと思うが。」
マークが笑いながら言ってくる。
「おい!まあ、また機会があったらよろしく頼む。」
ジョンが言う。
「ふふ。また機会があったらね。女神の加護が貴方達に在らんことを。」
そう言って3人と別れた。
「通行には検査が必要ですのでよろしいですか?」
門兵の一人が聞いてくる。
「もちろん。やましいことなんてないし。」
「わかりました。こちらへどうぞ。」
そう言って奥の部屋に通される。
そうして案内された部屋にあったのは板のような物だった。
よく見るといくつかの魔術刻印が刻まれている。
「これに魔力を込めてください。」
言われた通りに魔力を込めると板が光った。
鑑定を受けた時に似ている。
「これで大丈夫ですよ。魔力の登録も終わりました。」
なるほど。
魔力刻印を刻んだ魔導具に魔力を流させることで鑑定をしつつ個人で異なる魔力を登録させるのか。
素晴らしくよくできたシステムだ。
「これが帝都では身分証として使えます。どうぞ。」
そう言って門兵は金属でできたタグプレートのようなものを渡してきた。
「ありがとう。」
そう言ってタグプレートを受け取る。
「それではようこそ帝都アウレリオンへ。」
そう言って門が開かれた。
更新が不定期で申し訳ありません。
もう少しペースを上げたいと思います。




