表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/30

3話 遊びに誘おう

 僕が異世界に転生してから5年と半年が経った。

 今や僕は可愛い女の子…いや幼女だ。

 えっ?前は俺って言ってなかっただって?はは、矯正されたんだよ。女の子は俺なんて言っちゃいけませんってね。それでも嫌だと言い続けたら、何とか僕ってことで妥協して貰えたんだ。ただ話し方についてはきちんと直された。


 先程5年が経ったと言ったんだが、実際は5年は経ってない。というのも、この世界では時間の数え方が元いた地球とは違うらしく、この世界での1年は352日らしいのだ。


 そして、1年は10月に分かれており、1月7週間、一週間が5日となっている。そしてそこに年明けと年前の日を2日入れて352日なのだそうだ。


 他にもこの世界についてわかった事がある。この世界では魔物と呼ばれる存在がいるそうだ。魔物は魔素溜りや生殖行為で発生し、人に害を与える存在なのだそうだ。危険な為、極力会わないように街や村の外に出る時は、整備した道だったりを通ると良いのだが、それでも魔物と出会うことだってあるし、一部の魔物の素材は色んなものに使えたりもする。その為、増えた魔物を倒したり魔物の素材を取ってくる冒険者という存在もいる。


 そんな訳で今の僕の夢は冒険者になる事だ。異世界で魔物、冒険者と来たらもうなるしかない。しかし、冒険者になるには12歳からじゃないと駄目らしい。その為に、僕は来る時まで魔法の特訓を続けている。実は3歳の頃、お母さんに魔法を教えてもらおうとしたのだが、危険だから駄目と断られてしまった。そんな訳で僕には未だ先生は居らず、独学でやっている。ちなみにまだ魔法を発動させる事は出来ていない。5年間続けてもだ。


「母さん、ルーイ兄さんの所に遊びに行ってきます!」


 朝ごはんを食べた後、僕は母さんにルーイ兄さんの所に遊びに行く事を伝える。

 1人で外に出る事は許されているが、村の外は危険だからと出かける時は何処に遊びに行くかを言うように言われている。何かあった時にすぐに駆け付けられるようにする為だ


「お母さんでしょ!セレン!」


「うっごめんなさい」


 怒られた。確かに5歳で母さんは僕もどうかと思う。だけどしょうがないじゃないか。まだ前世での感覚が抜けて無い所だってあるのだから。


「村の外には出ちゃダメだからね」


 と優しい母さ…お母さんは注意をし、出かける許可をくれる。

 僕は〝はーい〟と返事をし、家のドアを開けた


 外を出ると、キラキラと輝く太陽が僕に向かって日光を降り注いでいく。戦神の月、夏の証拠だ。


「セレン、おはよう」


 あまりの暑さに顔を顰めていると、スコットおじさんが挨拶をしてくる。スコットおじさんは隣に住む農家さんで、奥さんのケールおばさんと2人で農業を営んでいる。娘にはエレイナという可愛い少女も居るのだが、まだ寝ているのか姿が見えない。残念だ。


「おはようございます、スコットおじさん」


 僕が挨拶を返すとスコットおじさんはニッコリとし〝今日は暑いから倒れない様に気を付けるんだよ〟と言ってくる。僕はスコットおじさんのその言葉にコクリと頷くと、〝行ってきます〟とだけ告げ、ルーイ兄さんが居る村長の家に向かった。


 村長の家に向かっていると向こうから父さんがやって来た。


「父さんおはよう」


「ん?セレンか、おはよう。こんな朝早くからどうしたんだい?」


 父さんは僕の事に気づいてなかったのか、少し遅れてから挨拶を返す。まぁ、あんなにも身長が大きかったら小さい僕など気付きにくいよね。余談だが、父さんの身長は198cmセントルもある。この世界での男性の平均身長は180cmなので、父さんはそれよりも20cm近く大きい事となる。ちなみに僕は現在106cmなので、父さんとは92cmセントルの身長差がある。今のところ僕の身長は平均的な伸びなので、父さんのように大きくなるかは不明だ。


「ルーイ兄さんと遊ぶから村長の家に向かってた所だよ」


「そうか、気をつけて遊ぶんだよ」


 僕は父さんにも、ルーイ兄さんと遊ぶ事を伝えると、余り話をせずに別れる。父さんの仕事は村の警備と、近くに魔物が来た時の魔物退治なので、長話をすると仕事の迷惑になるからだ。



 村長の家の前に行くと、そこには朝の体操をし体をほぐしている村長がいた。


「おはようございます、村長。ルーイ兄さんはいますか?」


「おはよう、セレン。ルーイはまだ寝ているぞ。起こしてくるか?」


「いえ、大丈夫です。起きるのを待ちますから」


「カッカッカッ。そうか、でも外だと暑いだろ。家の中で待っとるといい」


 そういい、村長は僕を家の中へと上げてくれる。

 ドアを通り抜けると、そこは居間だった。居間は広く、僕の家の居間の3倍はあった。僕の家は決して大きい訳ではないのだが、それと比べてもこの家は大きい。元の世界でもそこそこ大きい部類に入る家だ。


「どうかしたのか?」


 村長は僕がボーッとしてるのに気づいたらしく声を掛けてくる。


「あっいや、やっぱり村長の家は大きいなと」


「カッカッカッ、一応これでも村長だからな。村の価値を高く見せるには、一番上の存在が大きい家に住んでいる事も大切なんじゃよ」


 成程、経営的な話なのだろうか。僕にはよく分からないが、村長が言うからにはきっとそうゆうものなんだろう。


 水を貰い、暫く待っているとルーイ兄さんが2階から降りてくる。


「じいちゃんおはよー」


 どうやら寝惚けているようで、村長の隣に居る僕には気付いてないようだ。そのまま僕の事には気付かずに横を通り過ぎて顔を洗いに家の裏手に行ってしまったので、僕は気づかれないようにこっそりと後ろを付いて行った。


 家の裏手にある井戸の前につくと、ルーイ兄さんは既に顔を洗い始めていた。僕は桶に掬ってある水を急いで手のひらに掬うと、ルーイ兄さんの正面に行きズボンの真ん中目掛けてその水をパシャリと投げる。ルーイ兄さんは水がズボンに当たるのと同時に「ひっ!」と小さな悲鳴をあげた。

 僕はそれ見てクスクス笑っていると、ルーイ兄さんは僕がやった事に気づいたようで、怒った顔をして言う


「セレン何時から居たんだよ、てかいたなら言えよ」


「ごめんごめん。でもさっき、村長の隣に座っていたのに気づかなかったルーイ兄さんも悪いんだよ」


「え?さっき、じいちゃんの隣にいたのか?」


「ああ、隣に座っておったぞ」


 どうやら村長も付いてきてたらしく、後ろから村長の声が聞こえた。


「ルーイ、セレンはお前と遊ぶ為に朝早くから待っていたんだ、さっさと着替えて来るといい」


 ルーイ兄さんは村長にそう言われると〝はーい〟と返事をし、服を着替えに部屋に戻っていった。



 着替え終わったルーイ兄さんと村長の家の前で合流し、話をしながら散歩する。


「全く…セレンのせいであの後、俺が叱られたじゃないか」


 話を聞くとどうやらあの後、ルーイ兄さんのお母さんはルーイ兄さんがお漏らしをしたと勘違いし、叱ったらしい。僕がやったと説明しても信じてはくれなかったらしく、少しして喧騒を聞いてやって来た村長が説明をすると、やっと怒りは収まったらしい。


「ごめんね。そこまでなるとは思わなかったんだよ」


「はぁ…もういいよ」


 ルーイ兄さんは諦めたのか、ため息を吐いて許してくれる。


「そう言えばセレン。何して遊ぶんだ?」


「さぁ?何も決めてないよ?」


「何も決めてないって…」


 ルーイ兄さんが今度は呆れた顔で僕を見る。でもさ、10歳の子が5歳の子供に遊びの内容を決めてもらうのはどうかと僕は思うんだ?精神年齢は確かにこっちの方が年上だけどさ……。


「二人で出来る遊びは殆どやったからね」


「まあな、俺たちと同じ位の子が他にもいれば良いのにな」


 そう、この村には子供が居ない。現在村にいる10歳以下の子供は、ルーイ兄さんと僕の2人のみ。10年前は30人近くの子供が居たらしいが、皆大人になると同時に街へ行ってしまったらしく今は居ない。そのせいで結婚している若い世代が居らず、子供が少ないのだ。現在の村人は80人近く、その内の50人以上が45歳より上の年齢と、若い人よりも年寄りの人の方が多い事態になっている。これはこの村の上層部達も頭を悩ましている問題の一つで、解決策はまだ見つかってないらしい。



「この村…どうなるんだろうね」


 僕はルーイ兄さんに聞いてみる。言った後に気づいたが、ルーイ兄さんはまだ子供だしこうゆう話は苦手な筈だ。なので返事が来る事は期待しなかったのだが、意外にもルーイ兄さんは村長にこの事を聞いてたらしく返事が返ってくる


「じいちゃんが言うには村の統合?を考えているらしいぜ」


 統合…つまりは複数の村を一つにし、大きな村にしようとしてるって事か。でもそれだと根本的な解決にはなって無い筈だ。近くの村だって若い世代が居るとは限らないし、居たとしてもこの先村に残るとは限らない。村長もこの事を理解はしてる筈なのに、何故村を統合しようとしてるんだ?


「さあ?。それよりもエレイナ姉さんの所にでも行こうぜ」


 どうやら僕の考えは声に出てたらしく、ルーイ兄さんは話を中断させ、エレイナ姉さんの所に行く提案をしてくる。


「そうだね。もしかしたら起きてるかもしれないし」


「いや、流石にこの時間だとケールおばさんに起こされてるだろ」


 エレイナ姉さんに会うために家の近くまで歩いて戻ると、エレイナ姉さんは丁度家から出てきた所だった。エレイナ姉さんは僕達に気付くと、笑顔で話しかけてきた。


「あら、ルーイとセレンじゃない。おはよう」


「おはよう、エレイナ姉さん」


 僕は挨拶を返すが、ルーイ兄さんが挨拶を返さない。不思議に思いルーイ兄さんの方を振り向くと、ルーイ兄さんは少し顔が赤くなった状態で固まっていた。ルーイ兄さんの顔の前に手を翳すが反応がない。仕方が無いので、僕はエレイナ姉さんに一緒に遊ぼうと誘ってみる。

 エレイナ姉さんは少し悩んだような顔をした後、


「そうね、今は暇してるし一緒に遊ぼうかしら」


 そう答え、微笑むのだった。

遅くても今月中にと言っていたのに、やる気が出てそのまま数時間で書いてしまいました。

やる気って恐ろしいものですね(^_^;)


もし面白いと感じてくれましたら、感想やブックマーク等をしてくれると作者のやる気が上がりますので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ