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バベルの登塔者  作者: Crowley
一章 どこまでへも続く道
18/41

鍛治じゃなくて火事事件。

結局、地竜の名前は『ウシュムガル』に決まった。その代わりとは言えないが、アナスタシアがむくれている。頬を抓ると柔らかかった。


「って、なんで名前の相談に行っただけなのに女の人を誑かしてるんですか!」

「あぁ、そう言えば紹介してなかったな。(恐らく)この店の看板娘のアンさんだよ。」

「答えになってませんよ!」


アンさんだから大丈夫だと言いたかっただけなのだが、言葉足らずなようだ。そうやってアンさんを紹介してみると、アンさんは苦笑いしている。


どうしたのか聞いてみると、何故、私の名前を知っているのかと問われた。まさかと思って名前を聞いてみると。


「アタシはアンネローゼ・ゲルマよ。それにしてもなんでアタシの名前を?以前にもウチの店にきてくれたのかしら?」


なるほど、本当にアンさんだった訳だ。すごい偶然だな。赤毛のアンってどんな話だったかな?俺は良く覚えてないな。


アンネローゼに知っている本の主人公がアンという名前だと言うと何か照れている。なぜ照れているのか聞くと以前にも言われた事があるらしく、その時に歯が浮くようなセリフを言われたらしい。思い出し照れ?それは恐らくオズワルトだな。


「じゃ、ありがとうございます。では、また来ますよ、多分。」

「それでは。またのご来店お待ちしています。」




「アナスタシア、次の獣車はいつ来るんだ?」

「一時間後ですよ。」


……てことはなかなか暇だな。これからどうしようか、魔法の練習でもするか。


ベンチに座り、適当に手の平に空気に魔力の膜を作りギリギリまで薄く強度を高める。魔力の収束にムラが出来て空気玉が割れ、もう一度作り直す事を繰り返す。


一時間で出来る練習量も上達するにつれて、割れるまでの時間も伸びる。そして厚さ約一マイクロメートル、硬さは鋼鉄程の硬さまでは難なく行う事が出来るようになった。


すると、また新しくギフトを得た。今度のは『魔力操作』というものだ。魔力の扱いに関してはとても良くなるそうだが、それとは別に練習しておけば、大幅な成長が期待できるようだ。


そうこうしている間に一時間がたち、獣車に乗車する。魔獣は騎乗狼だからそれなりにスピードが出ることによる御者の配慮か、座席の質感が他と比べてとても良い。その分金は取られてしまったが。


「そう言えば次の街は何てとこなんだ?」

「次はピース男爵領の主要な街ファラリスです。」

「……家名に反して随分と物騒な名前だな。それで、どんな感じなんだ?」

「この国で三番目に大きい街、と言うより都市ですね。金属加工で栄えていますが、今の文化水準から考えて私の生前と比較すれば、さほど技術力は高くないでしょうね。因みに貨幣もここで造られているんですよ。」


そうなのか。元の世界の貨幣と比べれば劣るもののそれでも金属加工技術はそれなりにはあると思っていたが、それよりもアナスタシアの時代が凄かったとは………まあ、蠱毒を造れる位だからな。


それならアナスタシアもノルンもラヴェルで杖を買う必要なかったよな?あ、でも先端の玉以外の部分は木材だったしやっぱり買わなきゃいけないのか。


改めて窓から景色を見ると、やはり大自然と言う感じがする。大平原にちょこちょこ林があり、そこから出てきた酔い兎を人間程の大きさの禿鷹が鷲掴みして巣に帰っていく。まさに大自然だ。


大体自然をテーマにしたテレビ番組が、CSやケーブルテレビで放送していたのを知っている位で、見ることがなかったので現代人からしたらとても新鮮味があって面白い。


この世界はまるで弱肉強食を絵に描いたような世界だ。いや、競うものや競う範囲が広いだけで元の世界も弱肉強食ではあるか。


それでも、目に見える範囲で分かりやすく変化しているととても分かりやすい。異世界サイコー。


「あ、ご主人様!見えてきましたよ!」


俺が大自然に見とれているうちに近くまで着いてしまったようだ。


「なんか、煙の量が多くないか?火事かな?」

「主殿、火事じゃなく鍛治ですよ?」


くだらない事を言うんじゃない。例え鍛治だとしてもあの煙の量はちょっと異常だろう。御者に確認をとっても、やはりいつもより煙の量も多く色も濃いらしい。


来るまでの道中で風上に居るこっちでは雷もなければ、来るまでに地震の余波もなかったから、鍛治で事故ったのだろうか。故意によるものとも考えられなくはないがどちらにせよこれは人災だな。


「少し急いでもらって構いませんか?」

「おうとも。俺も街に居る友人が心配だからな。あんたらよーく捕まってろよ?元競騎獣走者(ライド・レーサー)としての実力を見せてやるぜ。」


ちょっと何言ってるのか分からないが、取り敢えず急いでは貰えるそうだ。左腕でノルンを膝の上でガッチリとホールド、窓枠を右腕で脇腹と挟み込み固定する。


アナスタシアがウシュムガルを片手にこちらに恨めしそうな顔をしているのを見た直後、客車が跳ねた。全速力を出した騎乗狼が出したスピードは目算で時速約80キロ。


ある程度の整備はされているとはいえ、アスファルト舗装道路と比較すればガタガタな道だ。街に近づけば近づく程に跳ねにくくなっているが、それでもまだ跳ねる。後で車輪がとれないか心配だ。


五秒後には速度も落ち着いて、窓から若干煙が入り込んで煙たい。いつの間にか風下になっていたようだ。涙目になって細めた目から見えたのは慌てふためく衛兵達。


門の奥から火が見える。やはり火事だ。鍛治なんかじゃなかった。と、思ったら衛兵の一人がこっちに向かって走ってきた。


「冒険者の方々でございますか?」

「ええ、まあ。」

「もし、水魔法が使える方が居ましたら消火活動の協力をお願いします!衛兵だけでは手が回らず冒険者の方々に頭を下げて回っている次第です!」


てんやわんやで慌てふためいているだけかと思っていたら、ただの人材不足か。安月給、長時間労働、不自由な暮らし、ときた不人気職だしな。


「そうでしたか。分かりました、協力しましょう。多分俺は使えます。アナスタシアは?」

「ええ、使えますとも!」

「それでは冒険者カードの提示をお願いします!あとで領主の方から特別報奨金が少しは降りると思います!御者の方は南門脇外壁の前で臨時テントを張っておりますのでそこでお待ち下さい!それでは冒険者の方々、こちらに!」


御者に運賃を渡して別れて衛兵に先導してもらい共に走る。ノルンは俺が担いで走るが、事態も事態だ、アナスタシアも恨めしい顔をしていない。


にしても、この衛兵はやるべき仕事をしっかりこなしている。周りから聞こえるどうしようや、何をすればいいなどと対応が遅い奴らとは大違いだ。まだ若いのに凄いな。たぶん、出世するな。


門をくぐり抜けてみたのは一面の業火。木造建築しか技術が無い故に一度燃えると良く燃える。轟々と瓦礫の倒壊する爆音に、女子供の悲鳴と泣き声の大合唱。


いけない。感傷に浸っている場合じゃない。周りではまだ消火活動している冒険者や魔法使いがいっぱいいる。


アナスタシアには燃え広がる部分を何かしらの魔法で最小限の被害で済むように動いてもらう。俺は俺で魔法を考えよう。


創造するのは恵みの雨。攻撃するのではなく様々な善性の効果を齎す想像。想像は創造へと移ろって大気から魔素をかき集め、街の遥か上空に全体を覆う程の雨雲を形成すると、ポツリポツリと雨をゆっくり染み込ませるように、燃えたぎる家屋を消火して冒険者一人一人を援護するこの魔法に名付けよう。


「『恵雨(ライズ・シャワー)』」


突然湧いてきた力に驚きつつも消火速度を上げて、探知系スキル持ち主導で瓦礫から救出率が上がり、先程とは打って変わって衛兵の動きも良くなる。


この『恵雨』の齎す効果は、魔力、体力、疲労の回復、思考力、魔力、体力の上昇などなど多岐にわたるようだ。


もしかしたら、精力回復効果もあるかも知れない。またとんでもない魔法を創ってしまったようだ。自分の才能が怖い。


雨の効果により怪我人も減ってきているようだ。アナスタシアを向こう側に遣った意味が無くなってしまったな。後で小言を言われそうだ。姑かよ。


隣にいたはずの衛兵の青年はいつの間にやらどこかへ行ってしまったようだが、少なくとも雨を降らせたのは彼とさっきの御者には伝わっただろう。






アナスタシア命名『鍛治じゃなくて火事事件』より一週間が経つ。巷ではアナスタシアが命名した名前が何故か出回っている。何か恥ずかしいな。


一週間の間に瓦礫となった家々を正式に解体していく作業が進んでいった。銀貨三枚朝夕食事付きという太っ腹な好待遇の為に、冒険者どころか聞きつけた火事場泥棒までも解体をしていく。火事場泥棒は後で御用となった。


俺の魔力がぐんぐん吸われていくにもかかわらず、解体が終わった昨日やっと『恵雨』が止んでくれた。今日は冒険者達と住民など、消火救出活動をした人々に報奨金が配布される日だ。


冒険者はギルドへ、住民とそれ以外は衛兵の詰め所か役所へ行ってくるようになっている。そして問題は人がいれば必ず起こる。


「おい!報奨金が銀貨三枚って何の冗談だよ!」

「そうよ!誰かが回復魔法を掛けてくれたからよかったものの!私の腕は大火傷を負うところだったのよ?!」

「俺なんて右腕が使い物にならなくなって引退しなきゃなんないんだぞ!」

「お前ら金貨一枚は貰えるって言ってたじゃねぇか!何パチ扱いてんだよ!」


これは冒険者ギルドについて聞こえた数十人の内の何人かの声を抜粋したものではあるが、確かにこれは酷い。


隣に居た冒険者の話によると雨が降る前には瓦礫に埋もれた死傷者が救助者側にも一定数は居るようで、そんな危ない所で銀貨三枚の給料はあんまりだと抗議しているらしい。


因みに、この国の貨幣は銅貨、銀貨、金貨、各種に大が付いたものと白金貨の七種。上がり方は十対一で固定される。


銅貨一枚大体百円位として、銀貨三枚は三万円。俺が記憶している限りでは、一般的な消防士の月収を日給に換算すると、二万円弱程なので比較しても逆に高いのだ。魔法で傷口くらいなら回復は一瞬だとは言えども、消防士と違って防火服が無いしその年収も諸々の保険などが含まれていないかもしれない。そう考えると、納得がいくようないかないような。


そうやって詰め掛けた数十人のお陰で俺は未だにその銀貨三枚も貰ってない。完全に出遅れた感じだ。抗議があると前々から知っておけば、朝寝坊なんてしなかったのに。自分のミスが悔やまれる。


窓から外を見てみると騒ぎを聞きつけたのか、野次馬と衛兵が駆け付けた。先頭には先日の衛兵の青年。ギルドの扉を大きい音を立てて開いて注意を引きつける。


「おい!お前ら、何の騒ぎだ!」

「ああっ、クソッ衛兵が来たぞ!」

「何の騒ぎか聞いている!そこのお前、答えろ!」

「えっ、俺?」


周りを見渡した先日の衛兵が何故か俺に向かって聞いてきた。一応、冒険者の群れからは離れているのだが、近くにいるというだけで同胞なようだ。


衛兵に説明してやると、とりあえず抗議行動を起こした冒険者達は衛兵達に取り締まられてしまった。青年に大変でしたねと言うと、彼は苦笑してその場で暴れだした冒険者を締め上げて落としていた。


因みに隣にいた冒険者も抗議組の一員だったようで、ちゃっかり捕まっていた。


今日一番災難に見舞われたギルド職員さんと世間話を少しして銀貨三枚を貰った。その後、何か簡単なクエストが無いかと依頼書の貼ってある掲示板を見ると、図書館の整理と言うものがあった。


どういう依頼か職員に訊いてみるとギルドの中の図書館の蔵書の整理をしてほしいのだそうだ。


そんなものを見たことがないと言ってみると、基本的には普段はギルドの地下にあって職員以外立ち入り禁止になっているが、職員に頼めば貸し出してくれるそうだ。


普通、カードを貰った時に口頭で説明されるらしいが、カルゼさん同伴だったため聞いてない。しかもなりたての人はまずは戦う魔物の生態や採集する植物の植生を知るところから始めるそうだ。


新事実に青天の霹靂を受けるままに、この一週間借りていた部屋の契約更新をする。本来は今日チェックアウトするらしいが、他を探すのにも時間を割いてしまうからである。


アナスタシアとノルンに図書館の蔵書の整理のクエストを受注してきたというと、


「えー、初仕事が内職系ですかぁ?もっと派手なのが良かったです。討伐系とか。」

「良かった……危なくなくて。でも、本って私でも持てるほどの重さなのでしょうか?私は非力なので心配です。」


と、前者アナスタシア、後者ノルンと二者二様の反応だった。まあ、楽だけど銀貨一枚だからまあまあ高額な依頼なんだけどね。




「と言うわけで。図書館にやってきた訳ですが、主殿、まず私達がやるべきことは何でしょうか?」

「何故お前が仕切る?まぁいいや。ノルンは箒と塵取りを持ってきて、アナスタシアは俺と本を棚に戻そうか。」


職員に案内され図書館に着くやいなや、俺とノルンは顎が外れるほどに唖然としてしまった。それは蔵書の多さだけではない。


乱雑に積まれた蔵書の山が大きいのが二つ、小さいのが両手の指の数を超えた。装丁が無くなったのか元々ないのか紙の束が重なったものも少なくない。


何故か進行を務めるアナスタシアとノルンにそれぞれ指示を出して作業の開始。ノルンは職員に教えてもらった掃除道具置き場にパタパタと駆けていき、アナスタシアは五十音順になっているという本棚に纏めて入れられるように片付けている。


俺はバラバラになった紙束を一纏めにして十字に重ねていく。少しするとノルンが来たので作業をノルンと交代。俺は本棚の高い所から梯子を使ってはたいていく。


昼前から始めて作業に没頭すること約七時間。やっと綺麗に清掃終了。紙束は職員に訊いてみるとあちらで預かると。それでも、数冊同じ名前の本と入りきらない本が出てきた。


「すみませーん、この『メリル魔物観察記』って何冊かあるんですけどー、全部入れなきゃ駄目ですかー?」

「んー?あー、新人君達に貸すから多い方が良いけどー、それで他の本が入りきらないようだったら最新版だけ残して、後は貰ってもらってもかまわないよー。」

「わっかりましたー、ありがとーございまーす。」


それでも、貰った本は旧型の『メリル魔物観察記』一冊だけだった。それでも面白そうなのでよしとしよう。報酬は銀貨一枚と本一冊、本は製本技術が現代ほど進んでいないため高価な事を考えると割のいい仕事だった。




「主殿はランクを上げようとは思わないので?」

「あぁ、俺は興味無いかな。もし急に上がって目立ったりでもしたら、目的が達成されにくいからな。ま、ゆっくり上げてけばいいよ。」

「そう、ですか。」


翌日の昼、『メリル魔物観察記』を読んでいると、アナスタシアに訊かれた。答えた通りではあるが、宿代や食費などはカルゼさんの貯蓄だけに頼ってはいけないため、またクエストを受注しなければならないか。


読書も早々にノルンと『空気弾(エアショット)』の練習をしている間、アナスタシアにはなるべく割のいいクエストを探してもらう。


どうせ、アナスタシアのことだから討伐系のを持ってくると思っていたが、意外や意外、「ピース男爵次男家の草むしり」で報酬が銀貨三枚という非常に割のいい仕事を持ってきた。


期限があと数日という短時間ということもあり、その日は休日として、その翌日に向かう事になった。






次男家はファラリスの中でも東側に位置していて、あの火事では全く被害にあわなかった故に周辺には冒険者のぼの字もない。所謂、貴族区域だ。


ガリア辺境伯邸よりかは小さいものの、それでも他と比べれば大きな屋敷である。この屋敷の持ち主は長男は側室の息子らしいが次男は正妻の息子という複雑な家庭環境で生まれた人だ。


側室の長男が優秀過ぎるまでに優秀で平民よりの思想を持ち、正妻の次男は平凡過ぎるまでに平凡な貴族よりの思想を持つらしい。


ピース男爵はどちらも平等に愛し、平等に育てたつもりらしいが、全く正反対の性格に育ったようだ。俺には知ったこっちゃない。


「すみませーん、冒険者ギルドから依頼の件で参りましたー。」

「はぁーい、ただいまぁー。」


珍しいコンドルのドアノッカーを叩いてから要件を大声で言う。屋敷の奥からドタバタと音がしたあとに扉が開く。出てきた中年の恰幅のいい女中に案内されて屋敷の裏庭に行く。


はっきり言って酷い。雑草は伸びきって腰までの長さになり中には変な花も見える。滅茶苦茶だよ、こんなの。


「あ、あの、こんだけの量を俺達で?だけで?」

「ええ、そうよ?私はもう年だから、やろうとしたら腰を痛めちゃってねぇ。」

「わっかりましたぁ~、はぁ。」


やり方考えると面倒だし一気に刈ってしまおうか。アナスタシアに案を募ってみると、アレを使ったらと勧められた。あー、アレねアレ。アレってなに?


「あの、火がブワァーってなるやつですよ。」


そう言われればやっとわかるだろう。確かにアレなら一掃出来そうだな。ということで、一発かましましょうか。


「『灰燼雨(ロスト・レイン)』」


この魔法は掃除なんかにはもってこいだな。指定したものを消滅させるから楽だな。そうやって除草作業を終えた報告をすると女中のおばさんが屋敷に呼んでくれた。


「グリッド様、除草作業を請け負って戴いた冒険者の方々をお招きしましたが宜しいですね?」

「わ、わかった。へ、平民如きに茶はい、要らんだろうが、い、いい一応出してやっても構わないのだよ。」


なんだかちょこちょこどもったネチっこい声が聞こえたが、恐らくそのグリッドとやらがピース男爵次男坊なのだろう。おばさんには先に客間に通してもらったのでグリッド氏を待つ。


少しすると客間の扉が開いてバランスボールみたいな体型の男が汗を拭いながら入ってきた。今日は涼しいのだが少し歩くだけで大汗をかくようだ。後ろからお茶をトレーに乗せたおばさんがきて扉を閉める。この男がグリッド氏で間違いないようだ。




後々コイツが面倒くさくなっていくのはこの時の俺でもなんとなーく分かった。分からなかったのはどのぐらい面倒くさいことになるのかだった。

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