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バベルの登塔者  作者: Crowley
一章 どこまでへも続く道
12/41

勇者殺し、人助けの結末。

今俺は、今生で一番と言って良いほどの衝撃的な瞬間を見た。ベテラン冒険者の五人組パーティーが最低で三組あってようやく殺せるほどの魔物を、新人冒険者が一人で殺しきった。


かつて妻と友人と3月人で旅をしていた頃に友人が犠牲になり、俺と妻が逃げ帰ったことを改めて思い出す。未だに罪悪感が拭えない妻は毎朝エルフの村の崇める森の神に祈祷している。


っと、そんな事はどうでも………良くはないが、今はいい。彼にはサッサと妻を見つけて欲しい。死闘を繰り広げた直後の君には悪いがね。


彼を呼ぼうと視線を向けると、視界の端にはヤケに綺麗なままのノートのような物が落ちていた。気になって手に取り中を見てみても、読めない文字のようなものが書かれているだけで、何もわからなかった。


「おーい、ラルフ君!これは君のかーい?」




───────────────────────




「何とか殺せたな。うん。でもこれモンスターの討伐なのか?ヘタしたら殺人事件なんじゃ………いやでも、メルトさんはモンスター化したのを見てなかったしなぁ………誤魔化せたらもしかして、もしかするかも………?」


なんとか殺し切れた蛸蜘蛛を眺めて感傷に浸って己の罪状と向き合っていると、メルトさんから呼び声がかかる。


何かと思い行ってみると、その手には我等学生の必需品、それも良くあるタイプの大学ノートが薄汚れて持たれていた。油性ペンで田邉真綾と書かれている。


「いやー久し振りに日本語を目にした気がする。」

「?『にほんご』ってなに?このノートの事を言ってるのかい?」

「いや違う。えと『他の勇者の簡易能力詳細』?」


ページを捲ってみると以前ステファニーさんの家にあった、勇者カタログの一人の写真や能力などが一ページを余すところなく使いきり表されている。


またページを捲るとまた別の、また捲るとまた別の……と、四十人全員が細かく書かれていてしかも人によっては二ページや三ページに渡っている。


その上、敵対した場合の脅威度ランクに対処法、能力の数値化に成長率に伴う今後の脳力値の推移予想まで、A4というサイズを生かした情報量である。事実か否かは別として『()()能力詳細』であるのだから凄い。もう簡単なのか難しいのか全くわからない。


「ん?『にほんご』はこの言葉の事だったのか。言葉の意味は通じないが、恐らくこのグラフなどを見る限り、相当な量の情報が詰まっているのだろうね。」

「あの、このノート貰って良いですか?」

「ああ、俺が持ってても意味がないからね。モンスターとやり合ったばかりだけど、本来の目的は俺の妻を探す事だからね。君にはまだまだ働いて貰うよ?」


全くもってその通りである。メルトさんと二人で蛸屋敷の門をくぐり抜けたと同時に甲高い声が聞こえる。俺自身聞き慣れた声と混ざって別の声も聞こえる。メルトさんの顔の血の気が失せていくのを見れば自ずと誰かはわかる。


メルトさんは妻が危ないと呟いた後、アナスタシアの声が聞こえた()()()()に飛び出していった。


あちゃー、アナスタシアの方に行きづらいなー。でももう、見えなくなっちゃったしなー。


「すみません!バレンシアの方に行かしてもらいます!」


ほんの少しの罪悪感とメーターの振り切った不安感もあり、遠くまで聞こえるように叫んで足早にアナスタシアの元へ駆け出していった。




「よぉ、やっと来たか。遅かったなぁ?クククッ」


メルトさんの家の中に入ると、そこにアナスタシアはおらず田邉真綾の彼氏、岡部章二がリビングのソファーに座って、こちらを一瞥すると卑しい嗤い方で嘲笑する。


「おい、バレンシアはどこへやった?答えろ。」

「おいおい、そんなマジになるなって。それに、『バレンシア』なんかじゃなくて『アナスタシア』ってんだろ?なぁ?ヴェア・ヴォルフさんよぉ?」


ドスの利いた低い声に『雰囲気(オーラ)』を使って質問しても、章二は先程からと同じく軽い語調であしらわれ、その上偽名である事も見破られている。


「それよりさぁ、勝負しようぜ?」

「はあ?何言ってんだよ?」

「勝ったらアナスタシアを連れていける。負けたら死ぬ。な?簡単だろ?」

「駄目だな。勝てるか否かに関わらず、アナスタシアの了承がないとダメだ。」

「あっそ。なら大丈夫だな。あいつが言ったことだし。」


なっ?!アナスタシアが?そんなことって………あるな。多分あいつは俺が余裕綽々として勝てると思ってやがる。まぁ、それはそうだけど。


「はぁ、分かったよ。ったく、アナスタシアは俺を何だと思ってんだ。」

「ははっ、まぁ良いじゃねえか、信頼されてるようでよぉ?」


はぁ。溜め息しかでないよ。それは信頼じゃなくてどうせ勝てるって舐められてんだけどな。そんな事とはつゆ知らず、章二は未だ勝てると楽観視している。


「んで、殺される準備は整っているんだな?」

「はあ?俺は負けねぇよ。てか、テメェの手足ぶった切って目の前でヤってやるよ!クケケッ」


言質は取った。一瞬で片付けてメルトさんの元に行って手伝わなければならない。今、彼が放り投げたコインが地面に落ちた瞬間から始まる殺し合い。


章二を中心として魔素の奔流が竜巻のように流れる。残り十秒。対して俺の心は静謐な湖の如く凪いでいる。残り九秒。『魔流視』というギフトが手に入った。残り八秒。ほう、魔力の流れが見えるのか。残り七秒。家の中にある人型の魔素の塊がアナスタシアか。残り六秒。章二の腰の道具袋から面白い武器があるようだな。残り五秒。それよりあの魔素だまりは…残り四秒。くぐもったあれは負の魔素だな。残り三秒。あれだけ群れを潰したからだよな。残り二秒。あ、コインもうそろそろ落ちきるかな?残り一秒。やるとするか。ターゲットは岡部章二、お前だ。残り零秒。『灰燼雨』


章二はコインが落ちるやいなや、道具袋から刺のついた八角形鉄の棒ってあれ金棒だよな?うん、金棒を取り出した。柄は刀のような感じだがその先は金棒だ。


僅かに金棒部分に魔力が宿っている。これは本人の魔力じゃなくてこれ本来の物……つまり、魔法武器と言うことか。


などと分析をしている合間に十メートル程あった距離を一瞬にして詰めてくる。その上もらったとばかりに、顔を歪ませ金棒を顔に向かって振りかぶる。


素手で抑えつけてやろうかとも思ったが、頭の中でそれは駄目だと訴えかけられ、泣く泣く金棒の下を潜り抜け空振った腕を思い切り裏拳で殴ると、殴った所を中心にクルクルと飛んでいった。


今顔が歪んでいるのは使い物にならなくなった肘が砕けたことと、渾身の一撃を避けられた事の二つの所為だろう。


「ぎゃああああぁああ!痛でぇよぉあぁぁああ!ぐぅぅぅあああ!」

「黙れよ、ゴミムシが。」


おっと、本心が出て来てしまった。お前のしでかした、いやまだだから、しでかそうとしただな。事は大きい犯罪行為だ。───故に神炎によって裁く。


「ま゛あ゛やぁぁああ!だずっげでぇぇあああ!」

「命乞いは聞かねぇ。お前が言い始めた事だ。人のもんに手ぇ出して、ただで許されると思ってんじゃねぇよグズが。」


苦しみ、悶えて、転げ回れ。ゴブリンとコボルトは十秒は耐えたぞ?後五秒で記録更新だ。汚いし邪魔だ。脚を掴むんじゃねえよ。


「んなっ!なぜぇ、がぁぁぁああ!」

「なぜ燃え移らないかって?自分の魔法でやられる訳ないだろ、馬鹿が。おっと、記録更新十三秒だ。ってもう聞いてないか。」


塵一粒残さない魔法はその場に岡部章二の遺品を綺麗なまま残している。初めて人を殺した心情は、日常的であったのか静謐な湖の如く凪いでいた。




───────────────────────




時は少し遡り、メルト側。




クソックソクソクソッ!どこに居るんだアシュリー!フレブスが咲いている所なんてもう全部探しきったはずだぞ?


自分への罵倒、どこかで何かに巻き込まれたアシュリーへの応援を心の中で繰り返し繰り返し繰り返す。フレブスが咲いている所を思い出していると、アシュリーとのある会話を思い出した。


『ねぇ、あなた。』

『どうした、アシュリー?』

『コボルトって、野菜は食べないけれど、フレブスの花と葉は食べるそうよ。』

『それは分かったけど、あんまりそんな所にいくなよ?襲われたら大変だからな。』

『大丈夫よ。これでも元冒険者じゃない、まだ中級レベルは余裕なのよ?よ、ゆ、う!』


………まさかな。見知らぬ少年の為にそこまでしてリスクを負う必要が。否、お節介焼きだからな。有り得なくはないな。ここで、可能性の一つとしてコボルトの生態について思案する。


コボルトはクイーンコボルトを頂点とし、クイーンコボルトが番となる一匹のコボルトと交わることで群を繁栄させていく。


クイーンコボルトが交わるのは番のコボルト一匹のみで、それ以外は他種の生物と交わりコボルトと同じ人型でなくてもイケる。それによって産まれるのがゴブリン、又はハイゴブリンである。


(しもべ)のコボルト(以下雑兵)達は繁殖期になると、他種生物を見繕い巣にしまい込み調教する。それに使用するものがフレブスの葉である。


単一で使用すれば幻覚をみる、と言うのもこれは一種の薬で売買すればお縄にかけられる。コボルト達も食すものの長い年月の進化の過程で耐性がついている。


その葉っぱで頭をイカれさせ苗床として犯し回す。獣ならば多少気性が荒いだけですむが、人種は理性があるだけ地獄だ。


一日に何度も麻薬を飲まされ幻覚をみて、醜悪な雑兵共に犯され回され、使えなくなれば性欲の捌け口から食材となる。


そこまで考えれば、考えてしまったならば、最悪な予感しかしない。フレブスを取りに行ったアシュリー。魔力欠乏症で倒れたならば一刻も早く回復を。あれはあそこに。そっちにはそれが。フレブスは、蛸屋敷。でも遠い。近場なら?…………よし、一丁コボルトを殲滅してこようかな。そして、失敗し苗床に。繁殖期じゃないかも?それはない。人間と同じ万年繁殖期だから。


同じ考えがグルグル、グルグルと堂々巡りして良い発想が出来ない。ヤバいヤバいヤバい。アシュリーが、犯される、汚される、そしてそしてそしてそしてそして。


「ああああああああああああ!」


俺は心を鬼にする。いや、この表現はどこか異なるな。狂戦士(バーサーカー)?そうだ。俺は狂戦士となる。待っててくれなんて言えないな。せめて、せめて死んでくれるな、アシュリー。そしたら俺は────






───生きていく気力がないよ。






───────────────────────






森の中を颯爽と走り抜ける。家の方向に向かって走り続ける。襲ってくる狼型の魔物は風の刃で斬り伏せて、棍棒を持ったゴブリンはバラバラにする。


何れにしろ、襲ってくるモノは赤い華を咲かせ、風の塊の爆風を利用して盛大に射出。さながらミサイルが地面と平行に飛来しているようである。


だが異なるのは飛来する速度だ。ミサイルのような速さはないが代わりに、風が巻き起こらず隠密性が非常に高い。何度か命の危機を乗り越えられる程に。


一瞬目の端にレイズと火達磨になった男をチラッと見るが、彼の方は救出に成功したらしい。生き物を見る目をしていなかった。どうやら彼は闇が深いらしい。


十数秒すると以前アシュリーと話していたゴブリンの巣は………クレーターとなり、広く陥没している。


あぁ、この時間は徒労に終わった。そう考えが浮かぶと、同時に悲鳴が聞こえた。遥か向こうの方からと、()()()()。メルトは一つある考えに至る。


地面の下に巣を作ったんじゃないか?と。


そう考えたのは束の間、手から何度も何度も火球を作り出してはぶっ放し、作り出してはぶっ放して多大な砂埃と地面に大きな亀裂を生んだ。


そのまま考えることはせず、亀裂の端に向かって撃ちまくり、バキリと大きい音を立てて陥没していた地面は更に大きく陥没した。


「アシュリィィィイイイ!」


ただただ愛するヒトを求めて咆哮する。髪は振り乱し、目は血走り瞳孔が狭まる。周りからはゴブリン(ゴミ)コボルト(クズ)の金切り声が響き渡り、それを悪鬼羅刹の如く力を振り回し薙ぎ倒す。


斬って焼いて刺されて射抜いて抉って切られて捻って貫いて射抜かれて折って壊して抉られて、何度も何度も痛めつけ、薄汚い穴の中で鉄臭い赤の池に膝をつく。


満身創痍。一言で表すのならこれが最適だろう。いくら普段は冷静で頼もしい腕利きの元冒険者と言えど、トチ狂った狂戦士(バーサーカー)ならば身を守るよりもまず先に攻撃している。理性的なメルト・サマリアはもういない。


己か敵か、分からなくなるほどの血濡れた体で幽鬼のように探し回る。小さく何度も愛する妻の名前を潰れかけた喉で呟き、遂には歩く力さえ失って這う這うの体で芋虫のように探した。


結論としては見つかった。最適解を導き出せたかといわれれば否と答えるほかない。崩落した瓦礫の下にいる。頭だけは。


胴体には数々の裂傷が刻まれて手足は切り取られていたが、何度も見た小さな臍の隣にある黒子は確かにアシュリーのものだ。


完全に冷え切ったアシュリーの亡骸に寄り添って泣いた。鳴いた。啼いた。そしてまた咆哮した(ないた)。下腹部から漏れ出ている忌々しい乳白色のドロッとした液体と己とゴミクズ共の血が溶け合い混ざり合い、性の、生の臭いが悶々と屍死累々としたアナを赤黒く彩って、生者のいない場所に二人の人間が現れる。




───────────────────────




凄惨だ。処刑中に背後を通り過ぎた何かをアナスタシアを助けた後、追っていくと昨日潰して回ったコボルトかゴブリンかの巣に着いた。


凄惨だ。昨日削ったクレーターを更に掘り進めたのか、結構な深さになって地面だったものの瓦礫が落ちていったのだろう。


凄惨だ。ゴブリンだかコボルトだか知らないが五体満足な死骸はなく、必ずどこかしかが欠けているだいぶスプラッタなものをみている。


凄惨だ。メルトさんは首までない達磨になっている死体に寄り添って息絶えている。恐らくあれがアシュリーさんなのだろう。


凄惨だ。魔流視で視るとドロドロとした明らかに負の魔力だろうものが溜まりに溜まっている。この怨念はメルトさんのものかゴブリンやコボルトのものか。


………凄惨だ。これだけのモノを見て何も感じない自分がいる。後ろでは何も入ってない胃から胃液だけを吐き出しているアナスタシアがいる。恐らく俺の心はどこかで死んでしまったのではなかろうか。


彼ら、メルトさん、アシュリーさん、ゴブリン、コボルト、彼らのように死んでしまったのではなかろうか。


突然、腰に差して納めたアナ首がカタカタと震え始めた。何事かと思い引き抜いてみると、勝手に刀身が伸び始めて巨大な穴の中空まで伸びて止まった。


また勝手に元の刀身の長さに戻ったので納めた。一体何が起きたのかと魔流視を使ってみると無くなっている。綺麗サッパリ、負の魔力が。アナ首すご。




アナスタシアをつれて森をでた。あの大穴は結局錬金術を使って埋めた。ほっておけばそれを魔物が食べて肥えて種を繁栄させてしまうためだ。この世界の墓標がどんななのか分からないので西洋風の墓標をたてた。


死人に鞭を打つようだが彼らの死体の中から使えそうなものを剥ぎ取っておく。しっかりと磨けば高く売れるものもあるかもしれない。


更にはメルトさんの家からも使えるものはとっておいて、中を綺麗にアナスタシアが掃除する。もしかしたら、誰かが使うかもしれない。


そうして森をでた後、今の本業を思い出した。すると、忘れ物に気付く。嫌でも気付く。そう、蛸蜘蛛だ。ゴブリンとコボルトの討伐証明も取ってない。


蛸屋敷に行くと、死んだまま動いてない。動いていたらそれはそれで嫌だけども。するとまたいつの間にか『無限容量(ストレージ)』なるギフトを取得していた。全く、ここ最近は偶然が多すぎて必然に感じる。


視界に入る中で指定した『物』を入れられるらしい。これは道具袋より使えるな。なんて思っていたら、ふと疑問に思った点がある。


アナスタシアは物に入るのか。出てきたときに苦しかったと言ってポカスカ殴られた。そこまで痛くないなんて言ったら鳩尾に渾身の右アッパーが入った。こうかはばつぐんだ!ヴォルフはたおれた。


先日に風魔法で試し斬りした、ゴブリンとコボルトの討伐証明を手に入れたが少し腐っていたようだった。が、しかし、ストレージに入れると、劣化が遅くなるようだ。てか、劣化してない。


どうにも上手く回りすぎている気がする。ま、それで凄い得になっているので文句は言うまいよ。某は謙虚の体現者ナリよ。




クエストクリアの報告をした後、宿に戻り戦利品と遺品の整理を行う。どちらかというと遺品は殆どが生活用品で、カルゼさんのような地下室が見つかるような事はなく、本当に衣類と家具に各種消耗品があっただけ。


なかなかに容量の多い道具袋をメルトさんの遺品の中に見つけて、使用済みであったり使う必要のないものはその中に入れて、メルトさんには悪いがゴミの一時的な保管庫にさせてもらう。道具袋もストレージに入れられるのだ。


戦利品には結構使えるものがある。武器なり防具なり使えるものは多く、道具袋の中に道具袋があり財布として利用されていたりと、見た目に反して几帳面な性格だったらしい。ナイスだぞ岡部。


果てには学ランや通学用鞄などの元の世界で使っていた物まである。百円玉なんかを見ていると、日本の造幣技術も捨てたもんじゃないと気付ける。この世界では使えないのでせいぜい、いつか超電磁砲として使わせてもらうぐらいしか用途がないけれど。


「主殿、邪魔者も消せた事ですし、今後の事について話しませんか?」

「………と、言うと?」

「簡単に言えば、ここで少し観光なり買い物なりしてから次の街に行くのか、それとも他のクエストをちょこちょこやってから行くのか、はたまたもう荷物を纏めて次に行くのか。って事です。」


悩みどころである。奴隷売買の見学をしてみたいし、クエストも少しやりたい、と言うより冒険者っぽい事ももう少ししてみたい。別にすぐ行ってしまっても構わないとも思う。


楽しみたいという事を念頭に置くならば最後は却下、二つ目は微妙だが別の街でもできる。最初のだって他でも出来そうだけど、ラヴェルはそれで栄えているらしいからな。


「じゃあ、観光するかな。」


と、鶴の一声でラヴェルでの方針が決まった。

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