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白き剣聖と黒き賢者  作者: Dorago
一章 禍いの黒猫
6/38

6.A級冒険者

テスト週間なのでしばらく投稿できません。

ブクマしてくれている方申し訳ありません。


6/14

書き足しと書き直し、行間を開けましたので読みやすくなっていれば幸いです。

 あの後僕は直ぐに意識を手放した。




 気がつけば、ベッドの上だった。


 いや、生まれてからずっとベッドの上だ。


 だが、いつもと見える景色が違うのだ。


 そして、僕の周りを数人の大人が囲んで、何かを話している。



「何が原因なのかしら?」


「とりあえず落ち着くんだ、サラ」


「これが落ち着いていられますか!だってアルカスやオルカス、アメリアの時にはこんなことはなかったんですよ?なんで急にこの子だけ……」


「……」



 これは、もしかしなくてもかなり迷惑をかけているようだ。


 どうやら意識を失っている僕を誰かが見つけて、すぐに両親とともにここに連れて来たらしい。


 だが、意識を失ってるだけなら寝ていると勘違いしてもおかしくない。


 僕がこの病院らしきところに連れてこられた理由を考えていると、



「わかりましたよ。原因は魔力枯渇(まりょくこかつ)によるものですね」


(魔力枯渇?なにそれ?)


「魔力枯渇ですって?本当ですかそれは?」



 両親は僕の体を調べてくれたケリーと言う人にぎねんの眼差しを向ける。



「ええ、只でさえ魔力の少ない赤子のレンくんが魔法を使ったことが原因で間違いないと思われます」



 なるほど。魔力を使いすぎると魔力枯渇という状態になり、意識を失うらしい。



「でも、レンはまだ生まれて三ヶ月ですよ?そんな子が魔法を使うなんて有り得るわけが……」


「最初は私も疑いました。ただ、それ以外に考えられないもので……申し訳ありません」


「間違いないんですよね?」


「はい」



 どうやら僕の今の歳で魔法を使うことはありえないらしい。


 まぁ当たり前か。僕は今生後3ヶ月なのだから。



「そうですか。ありがとうございます」



 僕が魔法を使ったことは信じられないらしいが、どうやら両親はこのケリーさんという人をいたく信頼しているらしい。


 両親は僕を抱き上げて「よかったねー」と言ってあやしてくる。


 魔力枯渇は魔法を使うものなら一度はなったことがある一般的なものだ。


 ただ、赤ん坊がなったという例がないだけで。


 両親は原因が魔力枯渇と聞いて安心したようだ。


 その後、両親はもう一度お礼を言い、ケリーさんの元を後にした。







 家ついた後、僕はひと段落した事を確認すると、ステータスを開いた。



【名称】レン=フィン=ベルトリート

【種族】人間 【性別】男 【年齢】0歳

【称号】侯爵家三男

【職業】なし

【スキル】空間収納

【魔法】火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、光魔法、闇魔法、時空魔法、無魔法




 (わぁーすんごい増えてるよ)



 たった一回使っただけで、ステータスに現れるなんて、この世界ではスキルはたくさん持っているのが普通なのだろうか?


 まぁ魔法が使えることは願っても無いことだ。


 何がどこまでできるか試してみたいな。


 ただ今回の件で僕は反省している。


 あまり両親に心配をかけるものではない。


 次からは魔力枯渇になっても気づかれない場所で試そう。


 こうして魔法実験が日課となり、僕の退屈な毎日は終わりを告げる。














 あれから三年。


 自分で歩くこともできるようになり、僕は魔法についてさらに詳しく知るため、読みかけだったオリヴィアの魔法の本を探し出し読んでいた。


 そのおかげでわかったのは、スキルと魔法は似て非なるもので、スキルは魔力なしでも使えるものがあるのに対して、魔法は必ず魔力がないと使えない。


 さらに魔法は量や質によって同じものでも効果や規模が違うのだ。


 魔力を上げる方法は最初に魔法を使った時のように、魔力を限界まで使うことによって上限が増えるようだ。


 これは魔力枯渇をした次の日に魔法を使うと上限が増えていたことから何回か検証して確認済みだ。


 質に関しては魔力操作の精度で決まるらしい。



(量と質に関しては時間をかけるしかないか……)


「よし、じゃあ今日も始めーー」


「レンはいるかー?」



 僕を呼んだのは父さんだった。


 父さんの元に行くと後ろに一人男の人が付いて来ていた。


 執事さんだろうか?



「何でしょうか?」


「どうした不機嫌そうに?」


「別に」



 魔法の練習の邪魔をされてふてくされてるだけだ。


 そんな僕の様子を気にせず父さんは話し始めた。


「今年でお前も3歳だ、なのでこれから二年間、お前には自分の身を守る術を、剣術を磨いてもらう。教官はここにいるクランツだ」



(剣術!それを先に言わないか父さん)



 我ながら随分と調子のいいことだ。



「ご紹介に預かったクランツだ。Aランク冒険者をしている。これから二年間よろしく頼む」



 父さんの後ろにいた男の人はなんとAランクの冒険者だった。


 最初僕を値踏みするかのように見た後自己紹介をしてくれた。



「レンです。お願いします」



 僕はさっきとは打って変わって笑顔で対応する。


 自己紹介が終わったところで父さんが話を切り出す。



「それじゃあ場所を移して早速始めてもらう。時間帯は毎日1時から3時だ。頑張れよレン」



 父さんからの激励に元気よく返事する。



「はい!」



 僕はワクワクしていた。


 剣術なんて初めてだったので、使えるようになった自分を想像して浮かれていたのだ。


 それに神様から貰った能力補正でどうにかなると思っていた。


 しかし、これから始まるのが剣術指導という名の過酷な訓練だということを知らずに…














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