19.神獣フェンリル
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書き足しと書き直し、行間を開けましたので読みやすくなっていれば幸いです。
「お願いします!」
そう言ってルナは魔法陣に魔力を流した。
魔法陣は白銀色に光り、そこから現れたのは…
「フェ、フェンリルじゃとー!!!」
「え……ええええええ!」
「すごいの出てきたな」
なんとそこには神獣と名高き白銀色の狼がいた。
周りのギャラリーは学園長のその声で目の前の狼を前に絶句した。
『お主が我を呼び出したのか?』
静かになった会場に一匹の声が響く。
「……は、はい!」
フェンリルはじっとルナを見つめる。
『なるほど気に入った!いいだろう、私はお前の使い魔になってやる』
「ふぇ、私でいいのですか?」
『無論だ』
「あ、ありがとうございます!」
ルナは内心不安だったのだろう。
こちらを見て大喜びで抱きついてきた。
「まさかあのフェンリルを召喚するとは…そこの猫娘もお前のツレか?」
「ああ」
僕はまたしても満足気にそう言った。
「ルナちゃんすごい!」
「はい!私やりました。リーア様!」
「あ、あのー討伐は…」
「ふむ、彼女がまだ未熟故にフェンリルも力をほとんど引き出せてはないが、私はこの先がどうなるか見て見たいのじゃ」
学園長の一言に教員は黙って下がった。
僕たち3人はひとしきり会場を騒がせた後、次の試験へ向かった。
召喚された魔物は契約魔法にて使い魔とし、学園内では一緒に暮らすことができる。
ただ、2日目の試験では参加させることはできないらしい。
「つ、次の方……」
担当の教官さんは僕たちが召喚した魔物が異常すぎたため次は何が出るのかビクビクしながら作業している。
ごめんなさい教官さん。
そんなことを思いながら、次の会場へ向かった。
一方その頃、
「くそ、くそくそくそくそ!なんなんだあいつは!」
「獣人を庇って僕たちに恥をかかせるとは、絶対に許さない」
「2日目の試験では死亡した場合は責任は取れないんだったよな?」
「絶対殺してやる」
あの後レンに放置された3人組は周りから殺気を浴びせられる原因となる行動をとったとして非難の目を浴びたのだった。
「次は…」
「精霊召喚ですよ!!」
ルナはフェンリルを召喚できたことで気持ちが浮かれている。
「精霊…か」
「どうしたの?」
「いや、精霊ってあまり人前には姿を見せないんだろ?召喚できるかなと思ってさ」
「無理ね」
「無理ですね」
「即答かよ!」
「使い魔でさえ召喚できるのは1000人に1人と言われているのに、精霊はその二乗10万人に1人なのよ?」
「召喚できるのは精霊が見えるエルフか、精霊に好かれる体質の人だけだと言われています」
「精霊に好かれる体質か。まぁやってみないとわからないと思うけど」
「それじゃあいこっか」
こうした僕らは次の試験会場へ向かった。