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白き剣聖と黒き賢者  作者: Dorago
プロローグ
1/38

1.入学そして…… sideひかる

初めての投稿で緊張しています。

おかしな点、改善できそうな点などあればコメントください。返信はします。

投稿は周期的に間を開けて行う予定です。

よろしくお願いします。


6/12

すこし書き足しと行間を開けました。読みやすくなっていれば幸いです。


 入学式。


 僕は今日この日、桜ヶ丘高校の生徒になった。


 僕が通うことになったこの学校は、偏差値は53と普通の高校だが、地元の評判が良く家からも近かったのでここにした。



「ひかるー」



 僕は高校で出会ったばかりの友達(仮)に呼ばれ振り返る。



「今日は入学祝いにカラオケ行こうぜ」

「入学祝い?いやだ」

「まぁまぁ。俺が今日歌いたい気分なんだよ。だから付き合え」



 僕はこいつが苦手だ。

 それに、

 


「僕は気分じゃない。今日、僕の親は帰りが遅いから、家のことをいろいろとしなくちゃいけないんだ。だいたい二人だけで行く気なのか?」

「うぐっ...…。そ、それならほらあそこにいる同級生っぽいあの子達誘わないか?」



 僕は呆れた顔をする。



「はぁ、僕は帰る。ナンパはしたくないからな」

「そんな!?ひかる、俺とお前の仲じゃないか!」

(いつからそんなに仲良くなったんだ?さっき会ったばかりなのに?)



 そんなことを思いながら、僕は彼と別れ、スーパーに寄って家に帰った。



「ただいまー」



 家には弟ただ一人。



「おかえり、にいちゃん。可愛い女の子とかいた?」



 弟は年頃の男子なので女の子との出会いなんかに興味深々だ。



「そーだなぁー、トドとかシュ○ッグならいたぞ」



 僕は冗談でそんなことを言う。

 すると、弟はつまらなそうに



「へぇー...。そりゃすごいね」



 と言った。



(なんだそのリアクションは)



「いや別に」



 声には出してなかったはずなのだが……



「俺はただ、兄ちゃんは女の子に興味がないんだなぁって思ってさ」

「そんなことないぞ。ただこういう話は弟と語り合うもんでもないからなー。そんなことより弟よ。今日はカレーだぞ!」



 これ以上何も話すことはないので話を変える。



「またー?毎日毎日カレーで俺飽きちゃったよ」



 わがままな弟だ。



「そーだなーなにがいい?」

「オムライスで!」



 卵がない。買いに行くか。



「わかった。それじゃあ買い出し行ってくるわ」

「うん。行ってらっしゃい」






 僕は今、交差点で信号待ちをしている。


 そこで僕は青信号の前で立ち止まっていた一人の女の子を見ていた。


 その子は俯いていて、何か悩んでいるようだった。


 僕はその子のことを知っているわけではなかったが、声をかけないといけないそんな気がした。


 しかし…



「何かお困りですか?」



 やってしまった…。さっきはナンパはごめんだ、なんて言っておきながら、今の僕の状況はナンパそのものだった。



「えっと、その、どちら様ですか?」



 彼女は僕の方へ振り返り言葉を返す。


 が、話しかけた僕の方が言い淀む。



「え、あ、僕は遊馬(あすま)ひかると言います。えっと、うかない顔をされていたのでつい」



 何が「つい」だよ!

 しかし、彼女はいやな顔もせず、丁寧に返してくれた。



「ありがとうございます、大丈夫ですよ」



 とても大丈夫そうには見えないのだが、彼女の問題なので割り切ることにした。初対面だし。



「そうですか、すみません。ご迷惑でしたね」

「いえいえお気遣いどうも、それでは」



 そういって彼女は信号を渡り始めた。






 ーー嫌な予感がした。



 唐突に何が頭をよぎる。このままではあの子に何かある。


 そんな確証のない自信を僕は持っていた。



「まただ。今日の僕はなんか変だな。らしくない」



 だが、僕は自分の直感を信じ、彼女を方へ振り返った。


 その時、横からトラックが走ってきた。



「あいつ、ながら運転してやがる」



 僕の悪い予感は当たった。


 このままではあの子が死んでしまう。


 そう思った僕は全速力で彼女の元へ向かった。


「まにあってくれ…」


 ただ純粋にそれだけを考えて……



 キィィィィィィドンン!!!



 それが僕が効いた最後の音だった。



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