黒船レイプ!水戸学と化した空手部
木村「皆様…お待たせしました」
野獣「何年振りなんすかねコレ」
木村「およそ二年ぶりになります」
遠野「えぇ…(困惑)」
三浦「マジで時間を損ねてます」
木村「取り合えず今回はペリー来航に関する思想についてやっていきますよ」
野獣「クキキキキキ…(更新の遅れに平然とすることへの怒り)」
遠野「まあ先輩、楽しくやりましょうよ」
三浦「そうだよ(便乗)」
野獣「しょうがねえなあ(妥協)」
木村「さて、先輩がたは『士農工商』って知っていますか?」
三浦「当たり前だよなあ?」
遠野「林羅山が『上下定分の理』によって身分制度を肯定したからこそ、士農工商という区分制度が正当化された訳ですよね?」
木村「はい、その通りです。林羅山の朱子学によって身分制度である士農工商は確立したんです」
木村「ただこれに対して反感を持つ勢力が出てきてもおかしくありませんよね?」
野獣「普通に差別対象であった農民は嫌だったんだろうなあ…」
三浦「おっ、まてゐ(江戸っ子) 農民もそうだが、一番蔑視されていたのは商人ゾ」
野獣「商人が?三浦さん、どういうことっすか」
三浦「農民は作物を幕府に献上していた以上、利益ある存在だったんだゾ。しかし商人はただ取引していただけで幕府には目に見える実益はなかったんだゾ。だから差別されまくりだったんだよなぁ」
遠野「はえ~(関心)」
木村「三浦先輩が仰ってくれていたように、士農工商の中でも商人は差別の対象でありました。勿論農民も蔑まれることはありましたが、商人ほどではないと言ってもおかしくはないでしょう」
木村「そこで、とある思想家の考えが爆発的に広まるんですね」
野獣「これ(誰なのか)もうわかんねぇな」
木村「その思想家こそが石田梅岩なんです」
三浦「石田バイアグラってなんだよ」
遠野「止めて下さいよ本当に!」
野獣「先人を悉く汚していく淫夢厨の鑑」
三浦「嘘つけ、俺は淫夢厨じゃないゾ」
野獣「だって先輩、語録しか喋らないじゃないですか。こんなん淫夢厨でしょ」
遠野「先輩も語録しか喋ってないじゃないですか!」
野獣「ん?喋ってねえよ?だって俺は『喋った言葉全てが語録になる男』だからな?」
野獣「その点に関してはバルトも大笑いだろうな」
木村「(唖然とする木村)」
三浦「否定できないのが怖いゾ…」
木村「…まあ、それは置いといて。石田梅岩はこうした朱子学による士農工商の正当化に対して疑問をぶつけたのです。どうして上下の理が職業にあるのか、と。」
木村「それに当時は商人がやたら蔑視されていたこともあり、商人そのものの道徳というものが喪失されていく時期でもありました。どうやっても蔑視されるし、道徳を守ったところで…という諦観から、商人の秩序が明らかに悪化していったのです。これを梅岩は重視します」
遠野「やっぱり士農工商制度を批判するんですかね?」
木村「いや、批判はしていません。"反感を持っただけ"なのです」
木村「だが士農工商は身分制度ではなく職区分であり、決して蔑視される根拠にはなり得ない!というのが梅岩の論です。そして彼は、荒廃した商人の秩序を回復させるために思想体系を組むのです」
野獣「あくまでも士農工商制度の存続には賛成したんすね」
三浦「因みにホモビ男優は士農工商のうちのどれゾ?」
野獣「士でしょ(適当)」
木村「因みに花魁といった人たちに当てはまる身分制度はないです。そんなにガチガチした制度ではない、という点においては西洋とは対照的ですね」
遠野「いつか金で制度が変える日が来そうで怖いですね」
木村「来ます(断言)」
野獣「(身分購入は)いかんでしょ」
三浦「シーランド公国みたいゾ~」
木村「何故士農工商は蔑視される根拠にはなり得ないのか?…それは『性』にある、と梅岩は説きます。宇宙の根源たる『理』は万人に等しく宿っており、これこそが『性』なのです。つまり誰にでも心の根源があるというのです」
木村「だからこそ、心の根源である『性』に基づいて清く生きることを梅岩は推奨します。そしてこれが商人の秩序を回復させるのを手伝ったのです」
野獣「具体的にどう生きればいいんだ?」
木村「まず第一に『勤勉』です。苦労して務めれば、心が落ち着きを得る環境を作れるのです」
三浦「勤勉じゃない人間は落ち着きが得られないのかゾ…?」
野獣「勤勉=勉強と捉えると、まあ余り勉強しない人は後に苦労するんだよなあ」
遠野「現在でいうところのFラン大学とかは正にそうですよね。一念発起して『勤勉』になる者もいれば、自堕落な生活を送る者もいる。苦労って大事だなあ(しみじみ)」
野獣「まあ俺らは苦労せずに金を得たかったからホモビに出たんだけどね!」
木村・三浦・遠野「HAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!」
木村「続いては『倹約』ですね。これは勘違いされがちですが、ケチになることではないです。ただ余分な製品は作らず、ものを徹底して使い尽くすことを重視したいのです。『もったいない』が近いですね」
野獣「現在の大量生産主義が見て泣きますねクォレハ…」
三浦「勿体ないは大事ゾ」
遠野「ただ、世の中にはホモビ男優を登場させる対話篇を書いて時間をムダにする奇人がいるらしいっすね」
野獣「ただのバカでしょ」
木村「最後は『正直』です。相手のことをまず第一に考えて取引を行う、当時の賄賂主義に対してのアンチテーゼでもあるのです」
遠野「『他人の幸福の中にこそ、自分の幸福もあるのだ』といったトルストイみたいですね」
木村「これこそが清く生きることの内容です。これら梅岩の思想は『石門心学』と呼ばれます」
木村「そして石門心学が商人階級で爆発的に敷衍したのは、当時の幕府の腐敗が挙げられます」
木村「梅岩の死後、田沼意次が登場します。しかし彼の時代は賄賂が非常に横行したのです。…だからこそそんな幕府、そして官学だった朱子学に対する批判の意を含め、石門心学が爆発的に広まったのです」
野獣「う~んこの腐敗」
三浦「『正直』という賄賂主義に対する最高の武器。勃たしてやれよ?(イケボ)」
木村「はい、ここでペリーが来ます」
野獣「黒船の時間だあああああああああああああああああ!!!!!!」
遠野「笑っちゃうんすよね(達観)」
三浦「もう(幕府)おしまいゾ…」
野獣「こういう悲しい結果になって…(幕府)終わりですね」
木村「ペリーが来航した時のことを纏めた『墨夷応接録』によれば、林復斎という人物がペリーと交渉にあたったようです。まあ結果は不公平条約である日米和親条約の締結、そして開国です」
木村「大老かつ開国派である井伊直弼が反対派を弾圧した安政の大獄、そして桜田門外の変…これらの事件に直接関わり、そして今後は根幹となっていく思想があります」
木村「正にペリーの来航で一気に注目を集めた思想、それこそが『攘夷論』なのです」
三浦「一緒にぃ、幕府を倒そうぜ!(支離滅裂)」
野獣「おかのした(従順)」
遠野「気になったのですが、攘夷論そのものはペリー来航前からあったんですかね?」
木村「ありました。それこそが『水戸学』と呼ばれるものです」
木村「『水戸学』の創始者ともされる思想家が藤田幽谷です。彼は『正名論』を著し、身分制の再定義を提案したのです。というのは、士農工商制度が腐敗によって安定を崩したからです」
野獣「その藤田って奴はどういった感じに再定義しようとしたんだ?」
野獣「まさか、天皇を…」
木村「はい、お察しの通りで。徳川家は万世一系である天皇を尊重することこそが大事だ!と説いたんですね。完全に攘夷ですよコレは」
木村「そして徳川家が天皇を尊重すれば、臣下や大名もきっと天皇を尊敬するようになり、天皇を中心とした制度が確立するのだ!と述べています。これが幽谷の述べる『正名』です。名とは名称、言ってしまえば身分のことで、『正名』とは名が一致することを言います。つまり天皇を中心とした身分社会を目指したわけですね」
遠野「過激っすね…」
木村「いや、まだですよ。ここからです(糞ムリエ)」
木村「次は相沢正志斎です。彼は『新論』という著書の中で、天皇を中心とした体型の構築こそが民心の統合になる、といった具合に藤田の思想を受け継いでいます」
木村「しかし彼は『西洋は打倒すべき!』という西洋打倒論を説きます。天皇を中心とした改革の上で西洋を倒せ、という攘夷論の根源ともいえる思想ですね」
野獣「おっ、やべぇ110番だな」
遠野「西洋に勝てるわけないだろ!いい加減にしろ!」
木村「最後は藤田東湖ですね。幽谷の息子です」
木村「彼は民衆が自発的に天皇を尊敬することで、民衆と天皇の心が一体化すると考えました」
木村「主な著書である『弘道館記述義』の中で、民が天皇の権威を敬って忠誠を誓うことこそが大事と考えたのです。これは相沢が"上からの改革"を訴えたのに対し、東湖は"下からの改革"を訴えた点において対照的ですね」
野獣「すげえ物騒っすね」
三浦「ナショナリズム見てるかー?フラーシュ☆」
遠野「まずいですよ!(世界大戦の記憶)」
木村「三浦先輩が仰ったように、攘夷論は日本ナショナリズムの先駆けとも言えます。鎖国していた日本がペリー来航によって開国したことで、自国の思想体系を築く必要性が迫られました。それこそが万世一系である天皇であり、倒幕運動に参加した人々は水戸学を尊んだのです」
木村「相沢と東湖の思想を合体させて『国体論』と呼称します。この国体論の下、倒幕運動へと進んでいったのです。そういう意味で水戸学とは攘夷論の根源と求められますね」
野獣「日本が、始まる」
木村「今回はここまでです。次回はとうとう江戸時代が終わります」
遠野「悲しいなあ…」
三浦「終わったり終わらなかったりしろ」




