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迫真空手部・哲学の裏技  作者: そのまんま東のような人物のイラストをイメージ画として自身が一種の淫夢系のキャラクターとして扱われている、近年ではイワナ系朗読やFXで有り金を溶かしたりしている朗読兄貴
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国学レイプ!からくにぶりと化した空手部

木村「さて、今回は国学についてやっていきます」


木村「先輩がた、『国学』とは何か知っていますか?」


野獣「国の学問でしょ」(適当)


三浦「おっ、待てぃ」(江戸っ子)


三浦「国学って事は、きっと日本古来の何かを探求する学問に決まってるゾ」


木村「その通りです、三浦先輩。国学とは日本古来に存在した精神を探求する学問なんです」


木村「さて、その『日本古来のもの』とは一体なんでしょうか?」


遠野「真夏の夜の淫夢かな?」


木村「そんなもんが日本古来の伝統だったら国家の恥ですね……」


野獣「あっお前さ木村さ、真夏の夜の淫夢は恥でもなんでもないってそれ1番言われてるから」


野獣「かつてはアングラコンテンツの一つに過ぎなかったけど、今じゃ大衆に迎合した一大コンテンツなんだよなぁ」


野獣「そこら辺の高校生が俺の真似して『イキスギィ!』なんてしてるんだぜ。何処が恥なんだ?」


三浦「この国はもう末期だゾ…」(ドン引き)


遠野「でも、なんで恥なのかどうか聞かれても上手く答えられないですよね。…なんでですかね?」


木村「…」


野獣「やっぱり答えられないじゃないか」(憤怒)


木村「…いや、元々あった『ホモビデオへの卑下、哄笑』から誕生したコンテンツだから、だとは思います」


三浦「確かに、前提条件がホモビデオ出演者へ馬鹿にした態度から生まれた事実だからなぁ」


野獣「しかし、これから前提条件が崩壊して『恥』でなくなる日が近いかもしれない…」


遠野「てか本題に戻りませんか?」(半ギレ)


木村「そうですね、本題に戻ります。……日本古来のもの、それは「日本書紀」「古事記」の2つから成る『記紀』です」


木村「荻生徂徠などの思想がかつての中国古典に対して新たな認識法を拓いたように、我が国の古典にも新たなアプローチをしようと考えたのです」


木村「そこで出てきたのが契沖という人物です」


野獣「アル中?」(難聴)


三浦「もう耳鼻科に行けゾ…」


木村「契沖は『古の心』と『今の心』を分離して考えました。原文と註釈の間があまりにも離れている、と考えたのです」


遠野「つまり、昔の人が書いた文に対し、今の人が付け加えた注釈文を分けて考えたんですね」


木村「そうです。今の人が勝手に加えた註釈、もとい説明が本当の理解を示してくれる訳はないのです」


木村「真夏の夜の淫夢を観た1000年後の学者が『これは非常に哲学的なビデオだ』なんて言ってたら笑いますよね?」


三浦「俺は笑わないゾ」


野獣「鼻で笑って、どうぞ」


木村「これと同じです。文と文の狭間にあまりにも年代が掛け離れているのです」


野獣「それを契沖は批判した、というわけか?」


木村「はい。ですから、彼は日本が昔から持っていた本当の精神を追求したのです」


遠野「そういった意味では聖学にも似ていますね」


木村「確かに、後世の解釈を除外する、と言う点ではほぼ同じですね」


木村「そんな契沖の後に出てきたのが荷田春満です。あの伏見稲荷の神官をしていた人物ですね」


三浦「稲荷しかないやん」(伏見稲荷クレーマー)


遠野「なんか、こう……ME!ME!ME!を思い出します」


野獣「あっ…」(察し)


木村「そんな荷田春満は契沖の書いた本を読みました。そして契沖の思想を突き詰めます」


木村「彼は日本古来の精神を妨げていたのは仏教と儒教であるとして、この両者を除いた新たな地平を開きました」


木村「こうして賀茂真淵に移っていくのです」


野獣「カモメ?」


遠野「先輩、もう耳ヤバいですよ…」


野獣「大丈夫だって安心しろよ、ヘーキヘーキ」


木村「…本題に戻っていいですか?」


三浦「こんな奴の難聴なんて気にしなくていいから」(良心)


木村「では戻りますね。…賀茂真淵はそんな荷田春満の意志を『万葉集』に見ました。そうです、日本最古の和歌集です」


遠野「あな醜 賢しらをすと 酒飲まぬ 人をよく見れば 猿にかも似る」(原文)


野獣「だせえなあ。賢ぶって禁酒してるやつは猿みてえだよなあ」(意訳)


三浦「酷い和歌だなぁ…」


野獣「でも実際に万葉集に収録されてるんだよなぁ……」


野獣「ビールビール!」(和歌への反逆)


木村「意外と万葉集は面白い和歌がありますからね。そんな万葉集に注目した賀茂真淵は、後世になって失われた精神を見ます」


木村「私心のない真っ直ぐな『高く直き心』、そして男性的で力強い『ますらをぶり』の精神です」


野獣「これが日本古来の精神ってか?」


木村「そうです。外来思想である『からくにぶり』、つまり儒教や仏教などが入ってくる前の純粋な日本精神、これこそが"高く直き心"であって"ますらをぶり"なのです」


木村「そんな賀茂真淵は万葉集を解明したことで、古事記へのアプローチが可能であると思いました。しかし彼が万葉集を解明したのは晩年、もう長く生きれない時でした…」


遠野「悲しい」(純粋)


木村「そして彼はとある人物に古事記への解読を頼みます。その人物こそが、かの有名な本居宣長なのです」


三浦「あっ、あの人かぁ!」


野獣「(聞いたこと)ありますあります」


木村「本居宣長は賀茂真淵に依頼された古事記への解読を進めます。そして遂に『古事記伝』を完成させ、国学を大成したのです」


遠野「はえ~」


木村「彼は元々あった『からくにぶり』な註釈を除外し、新たな古事記の見方を切り開きました」


木村「そこで彼は、日本書紀や古事記などに見る、本当の神々の習俗を明らかにしたのです。これを『惟神の道』と言います」


野獣「今までとは違う見方である以上、新たな神話が出来上がったんやなぁって…」


木村「そして彼は『もののあはれ』の精神にも注目します。…ありのままの、何も邪魔されぬ純粋な感情。あはれ、これこそが日本古来の精神であると」


木村「ですから、『あはれの文学』と呼ばれる源氏物語に大ハマりしていたんですね。彼は源氏物語の二次創作まで書いていた程です」


野獣「同人誌とか出してそう」(偏見)


木村「このような本居宣長の精神は、平田篤胤という人物に受け継がれます」


木村「平田篤胤は道教やキリスト教などを混ぜ合わせ、独自の国学的宇宙論を形成したのです。その中でも特筆すべき点は、『幽冥界』の言説です」


野獣「こわい」


木村「全然怖くないんですよね、これが。…幽冥界とは大国主大神という神様がいる世界のことです。人は死後、この神様のもとへ行くのだ、と考えたのです」


木村「つまり、国学の宗教性を強めたのです」


木村「このような国学を『復古神道』と言います。平田篤胤は天皇を絶対視しましたから、ここから尊皇攘夷などの思想が生まれていくのです」


遠野「もうペリーとかがやって来そうですね…」


木村「次回、ペリー来襲します」


野獣「来ないでくれよな~頼むよ~」

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