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迫真空手部・哲学の裏技  作者: そのまんま東のような人物のイラストをイメージ画として自身が一種の淫夢系のキャラクターとして扱われている、近年ではイワナ系朗読やFXで有り金を溶かしたりしている朗読兄貴
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孝レイプ!寛政異学の禁と化した空手部

木村「今回は日本に伝来してきた儒教の敷衍についてやっていきますよ」


野獣「デッデッデデデデ!」


三浦「カーン」(控え目)


木村「今日はスペシャルゲストォ…」


木村「大体わかってるだろうけど…」


木村「まー、俺があんまり言うと、俺より目立つから…嫌なんだけど(本音)」


木村「Mr.YOU THE ROCK☆!あっ!ンハッ☆」


遠野「お邪魔しまーす」


三浦「全然違う人なんですがそれは」


野獣「遠野じゃん、オッスオッス」


遠野「今回からは参加させて貰うことになりました。(間)先輩方、宜しくお願いします」


三浦「はい、ヨロシクゥ!」


木村「という事でですね、遠野さんを含めた四人でやっていきますよ」


木村「…実は儒教と言うのはですね、仏教よりも早く伝来してきたんです。だけど儒教が社会的な公開性を獲得するのは江戸幕府の登場以降になるんです」


野獣「しかし何故に江戸幕府以降になるんだ?」


木村「宗教政策でキリスト教が禁止され、仏教も活動が規制されたのに対して、儒教は保護されました。今まで朝廷貴族や僧侶によって担われていた文化が、『武士政権』という江戸幕府によって一転させられ、儒教の独壇場になったんですよ」


遠野「禁教令しかり、寺院諸法度しかり、様々な弾圧策が敷かれましたからね…」


木村「では儒教は江戸幕府の登場までに全く発展していなかったのか?と言われると、それは違います。鎌倉時代後期に一山一寧と言う僧が『朱子学』と言う儒教の一派を伝えたのが、本格的な日本儒教の始まりと言われています。この頃は仏教を補強するものとして研究されていました。」


木村「そして戦国時代に入ると、桂庵玄樹の『薩南学派』や南村梅軒の『海南学派』などと言った"新たな儒学"が生まれたのです」


野獣「でも噂だと南村梅軒って実在が疑われているんだろ?」


木村「ええ。本当に居たのかどうかは不明ですが、彼が日本儒教史の中でも列記とした活動を行っているのは認めうるところですね」


三浦「一体何者なんだゾ…?」


木村「少なからず土佐を地盤にしていたそうですね。桂庵玄樹や南村梅軒は、一山一寧が伝えた朱子学と仏教の結び付きを切り離そうと試みたんです」


木村「こうして出てきたのが藤原惺窩です。彼は桂庵玄樹や南村梅軒が試みようとしていた「仏教」と「儒教」を切り離しました。ついに儒教を仏教から独立させ、日本に定着するきっかけを作ったのです」


遠野「藤原惺窩さん凄いっすね…」


木村「彼こそが『朱子学派』としての本格的な儒学者です。一山一寧と何が違うのかと言うと、彼は元々は出家人でしたが、儒学者に還俗するのです」


三浦「還俗ってのは出家人が俗人に戻ることだゾ」


木村「そんな彼は『天人合一思想』を唱えました。つまり宇宙の原理たる『理』は人の心にも備わっており、それゆえ天と人は同じである、と言うのです」


野獣「俺らは宇宙だった…?」


三浦「ホモは宇宙(哲学)」


遠野「やめてくださいよ本当に!」


木村「こうした藤原惺窩の弟子にいたのが林羅山です。彼も同じ朱子学派ですが、そんな彼は身分制度を正当化しました。これを『上下定分の理』と言います」


木村「朱子学では、万物を秩序づける『理』があります。さきほど天人合一思想で言ったものです。天地にも上下があるように、身分にも上下があることを『名分』として根拠付けたのです」


野獣「封建社会たる江戸時代ではうってつけの思想ですね…」


木村「その通りです。さっき江戸幕府はキリスト教や仏教を弾圧しましたが、儒教が保護されたのは以下の所以です。つまり『下克上の否定』、そして『士農工商の正当化』が幕府受けしたのです」


三浦「これが安定した江戸時代を生み出した元凶ですか?」


野獣「そう考えると江戸時代って凄いですね…」


木村「この林羅山が建てた私塾こそが、皆様もご存知の『昌平坂学問所』に繋がるんです。そして朱子学が更なる発展を遂げていくのです」


遠野「こうして寛政異学の禁が発令されて、朱子学が官学となるんですよね」


木村「そうです。そんな林羅山の息子にあたる林鵞峰という人物も有名ですね。彼も林羅山と同じ朱子学派です。この親子揃って言えることは、他の学問を排撃していることです。つまり『朱子学が一番!』という一尊主義になってしまっているのです。」


木村「元はと言えば、寛政異学の禁も林羅山の子孫にあたる門人が口出しして生まれたんです。そして、この林鵞峰の子孫、林鳳岡の時代に朱子学は大きく広がるのです」


野獣「でも朱子学の教えだと居敬窮理と言うように、心の安静、換言して慎みを大事にしたんだろ?他学を排撃するとか慎みどころの話じゃないんだよなぁ…」


木村「そうです。だから彼は行動と学問の矛盾を、後に説明する中江藤樹などに批判されたのです」


三浦「中江藤樹って誰だよ(困惑)」


木村「しっかり説明しますよ。その前に木下順庵についてやります」


木村「木下順庵も同じ朱子学派ですが、彼は教育者として有名です。多くの著名人を排出していて、彼の学派は『木門派』と呼ばれています」


遠野「木下順庵!彼は凄いですよね、新井白石や室鳩巣などを生み出した人ですから」


野獣「よく知ってるな…」


木村「そんな木門派の一人、新井白石は『西洋紀聞』『折たく柴の記』などで有名な著述家です。政策にも深く携わり、武家諸法度の改訂が専ら知名度が高いところでしょうか」


木村「続いても同じ木門派の一人、雨森芳洲は朝鮮との外交にあたった人物です。多くの他国語に通暁しており、自身も朝鮮語入門書たる『交隣須知』というものを書いています。彼は民族や文化の平等を述べ、誠意と信義とを以て外交する『誠信外交』を説きました」


木村「最後は室鳩巣です。彼も同じく木門派の一人で、こちらは朱子学の講義を行ったりした人物です。有名な『赤穂浪士の討ち入り』──主君の仇を討った武士の処分を巡って、助命を説きましたが、結局は切腹が命じられました」


木村「木門派はこんなところですかね」


野獣「ソリティア状態ですねクォレハ…」


遠野「ミラnsネクロリベssデーモンssガンサーチ発動シンクロワンハンssミラコピ効果ネクロリベssデーモンssネクロサーチガン効果ネクロ墓地…」(呪文)


木村「ついていけてますか?」


野獣「んにゃぴ…何とかついていけてます」


三浦「そうだよ(便乗)」


木村「では続きに移りましょう。今度は先程名を挙げた中江藤樹です。彼の思想の出発点は朱子学でした。しかし仏教や神道などに学び、最終的には王陽明の著作を読んで多大な影響を受けています」


木村「親子、夫婦、兄弟、その他あらゆる人間関係を成立させる原理こそ『孝』である、と中江藤樹は説きます。この孝こそが万物を貫く普遍的な原理であり、全ての根本と言うのです」


木村「王陽明の時にも言いましたが、陽明学の基礎たる『致良知』と『知行合一』は、彼を学ぶ上では欠かせない要素です。大事なのは、これらが藤樹なりに解釈されていることです。つまり彼は、この二つによって『孝』の実践に勤しんだのです」


三浦「そうすると藤原惺窩の思想とは違える訳だな!」


木村「そういうことです。つまり彼は朱子学派ではなく、『陽明学派』なんですよ」


遠野「 寛 政 異 学 の 禁 」


野獣「弾圧されますねぇ!」


木村「確かに彼の陽明学的思想は弾圧されました。しかし林羅山の朱子学を『所詮は武士の身分の肯定に過ぎない』とした見方をする人も一定数いたんですよ」


遠野「これが先程言ってた批判の内容なんですね」


木村「ええ。こうした中江藤樹の思想に共鳴する人もいて、熊沢蕃山を初めとする陽明学者が数多く生まれました。これは幕府批判にも繋がり…やがて爆発します。この爆発こそが大塩平八郎なのです」


野獣「大塩平八郎の乱の首謀者ですね…」


遠野「大塩さん!?まずいですよ!」


木村「大塩平八郎は私塾『洗心洞』を開き、陽明学を研究しました。当時の歴史家である頼山陽から"小陽明"と呼ばれるぐらいの人です」


木村「彼は飢饉が発生したのにも関わらず、民を放ったらかしにする幕府の腐敗に憤激し、遂に反乱を起こします。これが俗に言う『大塩平八郎の乱』です。結末は皆さんの知るところです」


野獣「朱子学が身分制度を肯定し続ける限り、江戸幕府は肯定させられる…別の角度から見て初めて異常性に気付けるもんなんだな」


木村「今日はここまでにします。次は崎門学派や古学派についてやりますよ」

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