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迫真空手部・哲学の裏技  作者: そのまんま東のような人物のイラストをイメージ画として自身が一種の淫夢系のキャラクターとして扱われている、近年ではイワナ系朗読やFXで有り金を溶かしたりしている朗読兄貴
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浄土宗レイプ!日蓮と化した空手部

木村「さて、前回は日本に伝来してきた仏教をやっていきました。平安時代に興った末法思想を経て鎌倉時代に突入したのですが、この時に武士階級が誕生します。そして仏教も二つの動きが起こるのです。一つは原点回帰、もう一つは新たな仏教の模索です。今回はこれについてやっていきますよ」 


野獣「かしこまり!」


木村「まず一つ目の原点回帰ですが、これは『禅宗』と呼ばれます。主に座禅と呼ばれる修行を取り組み、自己の内面に眠る仏性を模索しました。主に『臨済宗』『曹洞宗』『黄檗宗』の三つに分けられます」


三浦「意外と黄檗宗を知らない人が多いのが悲しいゾ…」


野獣「臨済宗、曹洞宗は聞いたことあるけど黄檗宗は初耳ですねクォレハ…」


木村「最初は臨済宗からです。臨済宗を開いたのは栄西という人物で、彼は座禅の重要性を主張しました。また、臨済宗の特徴として『公案』が挙げられます。言うべくして問答、でしょうか」


野獣「どんな問答がなされたんですかね…?」


三浦「じゃあ俺が『無関門』と言う公案集から一つ例をあげるゾ。…旗を風が吹き上げていて、それを見た僧は『旗が動いている』と言い、もう一人は『風が動いている』と言った。ここで禅師が現れ、とある発言をした。すると二人の僧は震え上がった…と言うが、さて禅師は何と言ったでしょうかゾ?」


野獣「『俺、実はホモビ出演してるんだよね』だろ」


三浦「別の意味で震え上がるんだよなぁ」


木村「確か『旗や風が動いているのではなく、心が動いているのだ』と言ってたはずです」


三浦「流石は木村だゾ」


野獣「深いですね、これは深い」


木村「こうした公案を繰り返した臨済宗に対し、曹洞宗は『只管打坐』として、ただ座禅に取り組みました。これを説いた道元は座禅のみを基調としたのです。また修行と悟りは一体化しているのだ、とする『修証一等』と言う考え方もあります」


野獣「めちゃくちゃ厳しそう(KONAMI感)」


三浦「永平寺…(小声)」


木村「もう一つある黄檗宗は、隠元隆琦と言う人物が開いたものです。彼は臨済宗や曹洞宗とは異なり、座禅しながら念仏を唱える『念仏禅』と言うものを生み出したのです」


野獣「隠元と言えばインゲン豆だよなア!(スタッカート)」 


三浦「てかインゲン豆の『インゲン』は隠元隆琦が元ネタだゾ」


野獣「こマ?」


木村「本当ですよ。彼が伝えたからインゲン豆と言うんです。しかし本当は藤豆だった、という説もあります」


野獣「今度中野くんに調理して貰わなきゃ…(使命感)」


木村「さて、今度はもう一つの方向性、新たな仏教の模索についてやります。これは『浄土宗』と言います。その中の浄土宗を開いたのは法然という人物で、ただ「南無阿弥陀仏」と唱える『専修念仏』と言う行為を行うことで成仏するという『他力本願』を説いたのです」


三浦「阿弥陀の力に頼んで、念仏による浄土を願うことだゾ!」


木村「しかし法然の思想を更にもう一歩先を行った人物がいます。その名を親鸞と言い、彼は一切を阿弥陀の力に頼む『絶対他力』を唱えました。法然との決定的な違いとは、念仏をどう扱ってるかですね」


野獣「親鸞は念仏を軽視したのか?」


三浦「何せ専修念仏の停止を求めて島流しにされたぐらいだからね、しょうがないね」


木村「でも本人は法然のことを相当慕ってたみたいですよ?現に親鸞の弟子が彼について纏めた『歎異抄』にはそう書いてます」


野獣「これもうわかんねぇな」


木村「ここで登場したのが一遍です。彼は阿弥陀への信仰をしていようがいまいが念仏を唱えれば絶対に往生出来るものとしました。つまり念仏を重要視したのです」


野獣「浄土真宗とは対立の立場だな」


木村「こうした一遍は「踊念仏」と言うものを説きます。これは一種の祭りのようなもので、鐘などを鳴らしながら踊り、念仏を唱えるものです」


野獣「南無阿弥陀仏!南無阿弥陀仏!YO!YO!YO!YEAH!」


三浦「薬キメてそうな踊念仏は申し訳ないがNG」


木村「ですが、ここで凄い人物が登場します。その人は『念仏を唱える奴は無間地獄に堕ちる』『禅は天魔の行為だ』などと他宗を批判し回ったのです」


野獣「やばそう(小並感)」


三浦「仏教界隈のアイドルになりつつある日蓮オッスオッス!!」


木村「そうです、日蓮です。彼は日蓮宗を開きました。彼が記した『立正安国論』に詳しいのですが、彼のいた当時は災害が多発してました。しかし彼はその理由を『浄土宗などの邪宗を信じているからだ』と言ったのです。容易く言えば、他宗に喧嘩をふっかけました」


野獣「災害が起きる理由を他宗のせいにするとかコイツすげぇ変態だぜ?」


木村「そして彼は『邪宗を滅ぼし、法華経を信じることで国は安定する。もし邪宗を放っておいたら国は滅びる』と言ったのです。つまり彼は法華経を信じたんです。勿論、浄土宗などの他宗から恨みを買い、襲撃されたりします」


三浦「なおその後に伊東へ流された模様」


木村「そこで日蓮は終わらない。彼は帰ってくるのです。そして当時、モンゴル皇帝フビライ=ハンが日本に対して服従を求めるよう使者を派遣しました。これを知った日蓮は『予言が当たった!』と考え、更なる過激な他宗攻撃を加えます。そしてまたまた佐渡に流されるのです」


野獣「えぇ…(ドン引き)」


木村「しかし彼は自力で戻ってきます。二度目ですね。だが幕府に意見を取り入れてもらえず、失望して鬼籍に入ったのです。このうち、彼が受けた四つの迫害を『四大法難』と言います」


三浦「家燃やされたり首切られそうになったり…まずいですよ!」


木村「そんな日蓮は法華経の中でも『本門』と言う題目を唱えれば成仏すると考えました。…こうした日蓮の思想は後のナショナリズムと結びつき、思想運動に大きな影響を与えたのです」


野獣「因みに(自称)便乗仏教の三浦さんは日蓮についてどう思うんです?」


三浦「きっと俺も日蓮に批判されるだろうから、余り良くは思ってないゾ。でも彼が与えた影響については素直に讃えるべきだと思うゾ」


木村「さて、今回にて日本仏教は終わりです。次は中国から伝わった儒教の日本における発展をやっていきましょう」


野獣「これが日本文化の重層性ちゃんですか」

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