初転法輪レイプ!四苦と化した空手部
木村「今回は仏教についてやっていきます。…前回はジャイナ教で終わりにしましたが、反バラモンとして忘れられないのが『仏教』です。これの創始者ことゴータマ・シッダッタは余りにも有名ですね」
野獣「仏陀、釈迦、如来…呼び名は沢山あるよな」
三浦「僧だよ(便乗)」
木村「まずこのゴータマ・シッダッタですが、有名なのが『天上天下唯我独尊』と言う言葉です」
野獣「生まれた瞬間に七歩歩き、右手で空を、左手で地面を指しては『天上天下唯我独尊』と言った逸話だろ?知ってる知ってる、こいつスゲェ変態だぜ?」
三浦「あー、なんか勘違いしてるみたいたが、確かこれは事実じゃないゾ。これを言ったのは過去七仏たるうちの一人である毘婆尸と言う人だゾ。この人の事が転じて仏陀の逸話みたいになってるのはなんだかなぁ…。詳しくは長阿含経を読んでくれ」
野獣「(こんな先輩初めて見たわ…)」
木村「そうです。今三浦先輩が述べてくれた通り、これは飽くまでも人々の願いから生まれた逸話です。過去七仏と言うのは、ゴータマ・シッダッタが産まれる前に仏になった六人にゴータマを入れた七人を指します。つまり毘婆尸はゴータマ以前の人なのです」
野獣「はえ^~」
木村「さて、そんなゴータマ・シッダッタはシャカ族の王子です。彼は自分の居城の東門で老人に、居城の南門で病人に、居城の西門で死者に、居城の北門で出家者に会います。この出来事は『四門出遊』と言い、この経験でゴータマは『苦しみ』に出会い、北門の出家者を見て出家しようと考えたのです」
三浦「ここで彼は生、老、病、死と言う苦しみを見つけたんだゾ。これも長阿含経に詳しいな。別の言い方として『四門遊観』があるゾ」
野獣「MUR凄いっすね…」
木村「そんな彼は六年の苦しい修行を経て、遂に瞑想に入ります。そして彼は『縁起』を悟るのです」
三浦「十二縁起も咥え入れろ~?」
木村「説明しますよ。…まず彼は、全ての現象は独立する事なく、互いに関わっていると考えたのです。必ず何かに依存するため、アートマンなんて有り得ないのです。何故なら、独立する真理なんて縁起の上では存在しえないから。これを『諸法無我』と言います。」
野獣「縁起がいい、縁起が悪いってよく聞くけど、あれも仏陀が元ネタなのか?」
三浦「僧だよ(肯定)」
木村「ええ、そうですよ。この縁起は因果関係を示すので、良し悪しは存在しません。しかし後に意味が転じて、幸せや不幸の原因の兆しとして用いられる事が増えたみたいですね。元ネタを知らずに使用してる人は多いと思いますよ」
野獣「んにゃぴ…」
木村「この縁起ですが、十二因縁と言う系列の教えも存在します。まず十二因縁ですが、それぞれ『無明』『行』『識』『名色』『六処』『触』『受』『愛』『取』『有』『生』『老死』の十二個からなる要素が、徐々に苦しみを作り上げていくのです。その苦しみの起点は『無明』、つまり前世の煩悩です」
三浦「余談だが、後に縁起説は頼耶縁起などと言った諸説に分けられて考えられているゾ」
木村「この縁起を悟ったゴータマ・シッダッタに、梵天と言う神様が彼に説法するよう願ったのです。この事を経て、遂に彼はサールナートの鹿野苑にて初めての説法を行います。この初説法を『初転法輪』と呼ぶのです」
三浦「因みに梵天の逸話は『梵天勧請』と言うゾ!」
木村「この初転法輪にて、彼は『四諦』と『八正道』と言われています。ではそれぞれやっていきましょう」
野獣「イクゾー!」
三浦「デッデッデデデデ!」
木村「カーンが入ってないやん!」
野獣「お前が言うのか…(困惑)」
木村「…気を取り直して続きをやります。まず四諦とは、四つの真理と言う事です。そのうちの『集諦』から煩悩が生まれ、それが『苦諦』として苦しみが生まれます。逆に『道諦』と呼ばれる正しい行為を行うと、『滅諦』として苦しみが消えるのです。これを纏めて『四諦』と呼称するのです」
三浦「ここでは『集諦』から『苦諦』、『道諦』から『滅諦』と因果関係が結ばれているんだゾ。これも縁起によるものだな!」
木村「次は八正道です。これは先程述べた道諦における正しい行為である八個を纏めた言葉ですね。内訳としては、正しい見解、正しい判断、正しい言葉、正しい行為、正しい生活、正しい努力、正しい配慮、正しい精神集中です。それぞれ『正見』『正思』『正語』『正業』『正命』『正精進』『正念』『正定』です。これらの実践的な行いこそが『八正道』なんですよ」
三浦「そしてゴータマは楽と苦痛の両極端を否定し、適切な行いを心がけたんだゾ。これを『中道』と呼ぶのを知ってるのは当たり前だよなぁ?」
野獣「ちょっと三浦先輩見直しました(小声)」
木村「そんなゴータマ・シッダッタは、四門出遊の時に悟った『生』『老』『病』『死』を纏めて『四苦』と呼びます。これは三浦先輩の仰ってくれた通りです。これに加えて新しい四つの苦をゴータマは追加します。これを『八苦』と言うんです」
野獣「四苦追加しまーす(大物youtuberボイス)」
木村「追加した苦についてですが、まず『愛別離苦』は愛する人との別れる悲しみです。『怨憎会苦』は恨む人に出会う苦しみで、『求不得苦』は求められるものが得られない悲しみ、『五蘊盛苦』は心身が活動するだけで生まれる苦しみです。これらの苦しみも、八正道を行えば滅諦できるんですよ」
野獣「俺も遠野に会えなくなったら苦しいなぁ…」
三浦「おっ、待てい(江戸っ子)…お前の場合は求不得苦だゾ」
野獣「向こうも愛してくれてるんだよなぁ…。嫉妬民は悔い改めて」
三浦「ヴォエ!!!」
木村「さて、最後に『四法印』についてやります。四法印とは仏教の教えを特徴付ける四つの思想です。一つ目に『一切皆苦』ですが、これは現実すべては苦しみであるという事です。二つ目に『諸行無常』ですが、これは全ての現象は生成変化すると言う事です。三つ目に『諸法無我』、これは先程述べた通りですね。四つ目は『涅槃寂静』、これは煩悩が全て消えた時に無苦の境地へ至れる事です」
野獣「しかし、後に仏教は『上座部仏教』と『大乗仏教』に別れるんだろ?…これの違いってなんだ?」
木村「上座部仏教は自力で修行し、自力で悟る保守派ですよ。逆に大乗仏教はあらゆる生物を救済する改革派です。よく上座部仏教は『小乗仏教』と揶揄されますが、別に正解はありません。思想ですから…」
三浦「俺の便乗仏教は大乗仏教の派生だゾ」
野獣「そう…(無関心)」
木村「今度は仏教の改革派である大乗仏教の人たちについてやりますよ。まずはナーガールジュナです。この人は竜樹とも呼ばれますね。…そんな彼は万物の本質は無いと言います。例えばここにホモビデオがあったとします。しかし万人に『これはホモビデオだ』と納得はさせることは出来ません。何故ならホモビデオと言う本質がない以上、それはTDNビデオかもしれないし、百合ビデオかもしれない。…固定の本質が無いため、確定が出来ないんです」
野獣「ホモビデオでしょ(適当)」
木村「これを彼は『無自性』と言います。そして、これこそが彼の思想の根幹なのです。この思想を『空』と呼びます。つまり無自性こそ空なのです」
三浦「この空の理論を纏めた般若心経は有名だゾ。世界を構成する五つの要素も全て空だから、諸法無我を基調としてるんだよな。因みに前者は『五蘊皆空』と言うゾ」
木村「続いてはヴァスバンドゥとアサンガ兄弟ですね。それぞれ世親、無著と呼ばれます。彼らは外物のあらゆるものは実在せず、全て心の働きによって実現しているように見せかけられているだけなんだ、と考えます。つまり見えているものは全て実在しないんです。これを『唯識思想』と言います」
野獣「唯識という事は、識は実在するのか?」
三浦「いや、これは全ての表れの源に過ぎないからだゾ。結局は全て『空』に落ち着くんだゾ」
木村「そうなんです。最終的には空とされるんです。彼らはナーガールジュナの思想を受け継いだんですよ」
野獣「デカルトみたいやね」
木村「デカルトは考える我を実在すると断言してますから、唯識思想とは若干異なりますね。ただ似てはいますね」
野獣「なるほどなぁ…。しかし仏教ってあれだな、西洋の唯一神思想とは異なって特殊だな」
三浦「だったら野獣も便乗仏教に来ないかゾ?」
野獣「やだよ(即答)」
木村「特殊だからこそ面白いんじゃないですか。今回はここまでにしますが、僕自身はとても大好きですよ(告白)」




