バラモンレイプ!梵我一如と化した空手部
木村「今までは古代中国の諸子百家の思想についてやってきました。今度は観点を変えて古代インドの思想をやっていきましょう」
三浦「本場のカレー職人が言うだけあって楽しみだゾ^~」
木村「オラ、ナメてんじゃねーぞ(タメ口)」
三浦「…随分、態度デカいね(NKGWボイス)」
野獣「このままだと長くなるからNGだ(神の宣告)」
三浦「ポッチャマ…」
木村「甥の木村、加速します。…話が大分逸れましたが、古代インドでは『ヴェーダ』と呼ばれる聖典を中心とした『バラモン教』と言うのがありました。先ずはそれについてやっていきます」
野獣「オッスお願いしま~す」
木村「このバラモン教が出来た背景ですが、古代インドには先住民がいました。そこへアーリア人たる異民族が侵入し、征服したのです。彼らはそこで『ヴァルナ制』を作ったのです。これは些か耳にした事もあるはずです」
三浦「当たり前だよなぁ?後にカースト制度と呼ばれるものゾ」
野獣「知ってますねぇ!…でもアレは差別化を肯定させる制度だし、んにゃぴ…やっぱり僕は嫌いですね」
木村「今正しく鈴木先輩が仰ってくれた通り、ヴァルナ制とは差別化を認めます。この制度の中では、祭祀を行う『バラモン』が一番偉かったんです。バラモン達は色々な儀式などを行うため、現世利益の呪術などを利用して王様などに取り入ったのです。つまり、権力が増大してしまったんです」
三浦「絶対的な権力は絶対的に腐敗するゾ」
野獣「三浦先輩がアクトンの名言を知っていたことが一番の驚きです」
木村「ここで、バラモン教の見直しが始まります。『コイツら色々な儀式してるけど、形式化してないのか?』と言う動きが高まるんです。つまりバラモンの否定です。そして彼らは『ウパニシャッド』、訳して奥義書たる書物を中心として、哲学的な思索に移るのです」
野獣「バラモンに嫌気がさした人たちが、形式化した儀式や祭祀から離れて内面的な思索に入ったんだな」
三浦「あーもう一回言ってくれ」
木村「簡単な話、『バラモンとか言う身分の奴らは儀式を司っていれば楽な生活が出来たらしいぜ』と言う事に対する批判ですよ」
野獣「三浦先輩も、マジメくんがGOを呼ぶ時だけ仕事して、後はずっと他の人たちから金や御飯をせびっては自堕落な生活をしていたらムカつきますよね?」
三浦「すげえムカつくゾ」
野獣「『ハハァ…今日はGO呼んだから飯よこせ』とか言われたら誰だって苛立つ。だから俺らはマジメくんみたいな奴を捨て、新しい哲学を作り出したんです。だってマジメくんに帰依していても、金や御飯をせびられるだけですから」
三浦「あーさっぱりした(理解)」
木村「三浦先輩も理解したようなので先に進みますよ。…バラモンを捨て、彼らは独自の哲学を生み出した。それは『ウパニシャッド』と言う書物を真ん中にして、宇宙や真理について考え始めたのです。これこそを『ウパニシャッド哲学』と言うのです」
野獣「しかしウパニシャッド哲学の名は知っていても、中身は忘れたわ」
木村「今からやります。…先ず宇宙の本質として『梵』、言い換えて『ブラフマン』と言うものが置かれました。梵こそが宇宙の本質であるのです。簡単に言えば普遍的な真理ですね」
三浦「バラモンを否定した次にいきなり宇宙が出てくるとはたまげたなぁ」
木村「そして、梵とは反対側に『我』、換言して『アートマン』と言う概念が設置されます。これは自分の本質、自分という存在の中に眠る真理です。真我とも言いますね」
野獣「梵は宇宙の真理、我は自分の真理。こう言いたいのか?」
木村「その通りです。…この二つは決して消えることはありません。そして梵と我は一つになることで真理を獲得することが出来て、あらゆる苦悩から逃れて解脱に至れるのです」
三浦「宇宙と同一化してみてぇなぁ俺もなぁ」
木村「これこそを『梵我一如』と言います。梵と我、ブラフマンとアートマンを同一化させることで解脱を目指す。これがウパニシャッド哲学の目的です」
野獣「どこか仏教に似てるな」
三浦「言われてみれば、解脱とか聞き覚えある言葉が出てきたゾ」
木村「いや、ウパニシャッド哲学が仏教に影響を与えたんですよ。序にやっておきますと、ここで『輪廻』が説かれます。人は生まれ変わり、過去の生き方が来世に関わる、と言う思想ですね。輪廻転生とはこの事です」
野獣「あっ、これかぁ!」
木村「この反バラモンとも言うべき思想は、『ジャイナ教』と『仏教』と言う二つの思想に受け継がれます。今回はジャイナ教についてやっていきましょう」
三浦「いいゾ〜これ」
野獣「あくしろよ」
木村「第一にですが、ジャイナ教はマハーヴィーラ、別名ヴァルダマーナが創始した宗教です。彼はウパニシャッド哲学と同じように、バラモンを批判します。また聖典ヴェーダの権威でさえ否定しました。そしてマハーヴィーラは、世界や宇宙を『生命』と『非生命』と言う二つに分類したんです」
野獣「これもうわかんねぇな」
木村「つまり世界や宇宙を『生命があるかないか』で区別したんですよ。こうした形而上的な思想は無神論であり、仏教と繋がりがあるんです」
三浦「ウパニシャッド哲学は無神論じゃないのかゾ?」
木村「あれは汎神論ですね。梵と言う概念が普遍的な真理として扱われてるので、無神論とは違います」
三浦「なるほどゾ」
野獣「しかし、生命と非生命とに分けてどーすんだ?」
木村「全ての生き物には苦しみがあり、その生き物たちを殺せば、それらの苦しみが自分たちに降り掛かってくるからだ、と考えたんです。…つまり生命あるものは全て苦しみを持つのです。そして、それらを殺せば反動的に苦しみを増やすことになる。もし苦しみが増えれば輪廻に相関する…。これをマハーヴィーラは防ぎたかったのです」
野獣「確かに一寸の虫にも五分の魂とも言うから多少はね?」
三浦「そんな事言ったら微生物だらけの世界では大変じゃないか…」
野獣「知らず知らずのうちにダニや蚤を殺してたかもしれんわ。そいつらの苦しみが俺に来るとか…嫌になりますよ人生~」
木村「ですから彼は徹底的な不殺生を唱えます。口にマスクして虫を吸込むのを防ぎ、誤って不殺生する可能性のある日没後には外出しない。──これこそがジャイナ教です」
野獣「食べる時どーすんだろうな」
木村「乳製品、穀物、豆類などみたいですね。ここはマハーヴィーラの思想の可否によります。肉や魚はもっての外です」
三浦「ジャイナ教にはなれる自信がないゾ…」
木村「しかし彼はこうも言います。…あらゆる物を持ってはならない、と。彼は無所有を説いたのです」
野獣「やべぇよ…やべぇよ…」
三浦「そうだよ(恐怖)」
木村「しかし、どうして無所有を説いたのでしょうか?…彼はこう考えます。物を持つことは欲求です。欲求は運動を誘発し、運動は虫を殺生します。つまり道具や物は虫を殺す可能性があるから持つのをやめろ、という事です」
野獣「服も駄目なのか?」
木村「駄目です(即答)」
三浦「こんなんじゃ裸生活一直線だゾ…」
木村「先輩がたも裸になって風呂入ったり、ホモビ撮影したりしてるじゃないですか。それを日常生活に移しただけですよ?」
野獣「なんだ、そんなに俺らの裸が見たいのか?」
三浦「見たけりゃ見せてやるよ(余裕)」
木村「なんで見たがる必要があるんですか(反論)」
野獣「悲しいなぁ…」
木村「…話を戻しますが、今いるジャイナ教徒でも、無所有を徹底する人たちと最低限行う人たちとで分かれてるみたいですね。裸のまま過ごすのはかなりキツいですが、これこそがマハーヴィーラの考えなのです」
三浦「徹底しすぎて怖いゾ」
木村「また彼は、先程の生命と非生命との区別においても見られる通り、あらゆるものに真理を見出しています。これは彼の認識にも影響し、とある言い方に対する断言を避けるようになるのです」
野獣「どういう事なんですかね…」
木村「例えば僕が『ここにホモビデオがある』と言ったとします。しかし、これは『僕の見方からすれば』と言う事が忘れられている訳です。つまり、如何なる事物に対しての判断に一方的になるのではなく、『ある点からすれば』『その人からしたら』と言う事を付け加えた訳ですね」
三浦「つまりさっきの例だと、『木村の見方からすれば、ここにホモビデオがある』と言えばいいのかゾ?」
木村「そういう事です」
野獣「はえ^~すっごい…意外と忘れられている点ですね…」
木村「これを『アネーカーンタ・ヴァーダ』と言います。言うべくして相対論と言ったところでしょうか」
三浦「なるほどゾ…」
木村「さて、今回はここまでにします。次回はかの仏教についてやっていきますよ」
野獣「便乗仏教が遂にお出ましか…」
三浦「僧だよ(便乗)」