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迫真空手部・哲学の裏技  作者: そのまんま東のような人物のイラストをイメージ画として自身が一種の淫夢系のキャラクターとして扱われている、近年ではイワナ系朗読やFXで有り金を溶かしたりしている朗読兄貴
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プラトンレイプ!哲人と化した空手部

木村「続いてはプラトンについてやって行きましょう。先輩がたもプラトンについては流石に見聞きしたことはありますよね?」


野獣「当たり前だよなぁ?イデア論が有名ってそれ一番言われてるから」


三浦「プラトンって何ゾ…プランクトン?」


野獣「駄目みたいですね(諦観)」


木村「じゃあ始めますけど、プラトンは基本的にイデア論で有名ですね。…まず一つ聞きますけど、三浦先輩…そこに置いてある布団は、『完全なもの』ですか?」


三浦「ポッチャマ…」


木村「えぇ…(困惑)」


野獣「お前さKMRさ、この布団は完全なものじゃないぜ。何故なら布団はそれぞれ硬さや柔らかさがあって、どれ一つとして同じものは無い、つまり完全なんて存在しない、はっきりわかんだね」


木村「鈴木先輩、流石ですね。…そうです、完全なものなんて有りません。私達は作り出す事も見ることも出来ないんです。しかし、それなのに私達は完全な布団を理解できますよね?…ふかふかの、柔らかい布団。これが『布団のイデア』って言うんです。言い換えれば、"普遍的な完全概念"って所ですね」


三浦「何言ってるのかサッパリ分からないゾ…」


野獣「三浦さん、例えばここに三角形があったとしてさ、内角の和は分かる?」


三浦「知ってるゾ。364度ダルルォ!?俺を舐めて貰っては困るゾ」


野獣「(そんなわけ)ないです。180度なので覚えて、どうぞ。…そんなことは今関係ない、今三浦さんの頭の中には三角形が思い浮かんでいますか?」


三浦「…浮かんでるゾ」


野獣「それは真っ直ぐの線で出来上がった三角形なハズ。しかし現実の三角定規とかは必ずしも真っ直ぐでは有りませんよね?…例えば凹みとかあったり」


三浦「まあ、拡大して見ればそうなるゾ」


木村「先輩に続いて言わせて貰いますが、その三角形は凹みがあるのに、三浦先輩はそれを三角形だと思い込みますよね?」


三浦「…ま、まぁ言われればそうだゾ。大まかに考えれば三角形だけど、細々と見たら凹みとかあるゾ」


木村「しかし、頭の中には凹みとかが一切ない三角形がある」


三浦「あるゾ。それによって、目の前の三角定規を三角形だと思い込むゾ」


木村「それこそがプラトンの言うイデアなんですよ。…プラトンは、今我々が見えているものは全てイデアの模造品に過ぎないと言ったんですよ」


野獣「つまり、今見えているものは全て偽物って言いたい訳だな、簡単に言うと」


三浦「今見えているものが偽物…分かったゾ!今見てるものは偽物だけど、見えているものに付属する共通的な概念こそがイデアってわけだな!!」


野獣「流石っすね先輩…ここら辺は理解するのに苦労するのに」


木村「話を続けますが、そのイデアが存在する世界を「イデア界」、私達が見えているものが存在する世界を「現象界」とプラトンは呼んだんです。そしてイデアは善や道徳といったものにも存在します。…つまり、本物の善を知りたければイデアを探求したければならない、と考えたんですよ」


三浦「これがソクラテスの無知の知による真理追求の結果ゾ?」


野獣「イデア論はぶっちゃけソクラテスとは余り関係ないような…。でもソクラテスの影響を受けてるのは間違いないですね、ウン」


木村「しかし、何故私達は見たこともないイデアについて理解できるのか?…それは産まれる前にイデアを見ていて、それを産まれた後に思い出したから、とプラトンは言ったんです。これを『想起説』と言いますよ」


野獣「産まれる前にイデアなんか見れる訳無いんだよなぁ」


木村「でも鈴木先輩、どうして私達は見ず知らずの完全な存在を知っているのでしょう?…想起説は案外否定出来ないものですよ」


野獣「ウーン…」


三浦「なるほど、プラトンの思想の根幹はイデアって事なのかゾ?」


木村「基本はそうですね。…そして話は変わりますが、私達は綺麗な夕陽を見たり景色を見たりする時、感動しませんか?」


野獣「んにゃぴ…軍畑駅近くの鉄道橋は迫力あって感動しましたねぇ」


三浦「俺は妹と一緒に行った岡山の県北のローカルな町並みに感動したゾ!」


木村「その感動は、かつて見たイデアを思い出すから、とプラトンは言うんです。そして、この感動はイデアに対して憧れてもいるんですよ。憧れていなければ感動なんてしないでしょう?」


野獣「当たり前だよなぁ?憧れなんか無いような、毎日見る景色なんか見ても感動なんかしないってはっきりわかんだね」


木村「そのイデアへの憧れを「エロス」と言うんです。…なんか段々分かってきませんか?」


三浦「おっ、そうだな。完全なものに憧れを抱く、つまり俺らは不完全だからこそイデアを目指すんだな」


野獣「MURなんか深いっすね…」


木村「だから、プラトンは何でもかんでも情報を鵜呑みにするのは良くないと言いました。我々は洞窟の中の棒に縛られた囚人で、我々が見てるのは後ろから火で照らされた影なんです。もちろん、洞窟の外には太陽がさんさんと輝いています。それがイデアなんです」


野獣「これが『洞窟の比喩』だな」


三浦「洞窟の比喩なら聞いたことあるゾ。…まさかプラトンの思想だったとはたまげたなぁ」


野獣「勝手にたまげてろ(条件反射)」


木村「そして、縛られた囚人を解放して外の太陽──つまりイデアを見せてあげるのが『哲学者』の役割だ、と言ったんです」


三浦「じゃあ木村や野獣は、俺にイデアを理解させてくれたから、哲学者ってわけだな!」


木村「いや、そんなこと…(照れ)」


野獣「それにプラトンには『魂の三分説』があるんすよねぇ」


三浦「魂の三分説って何ゾ?」


木村「魂の三分説ってのは、『理性』、『意思』、『欲望』の三つです。この中で意思と欲望は馬、理性はその馬に乗る人だって喩えがありますね」


野獣「つまり、理性が意思や欲望を操るって訳だって、はっきりわかんだね」


三浦「なるほどゾ」


木村「そして、この三つがちゃんと働くと、理性は『知恵』に、欲望は『節制』に、意思は『勇気』に変化します。これが正しくプラトン流の『正義』ってものです」


三浦「魂の三分説がちゃんと動いて初めて正義が生まれるわけだな!よし、じゃあ知恵と節制と勇気をぶち込んでやるぜ!」


野獣「あっ、いいっすよ(快諾)」


木村「そして、プラトンは理性が一番割合高い哲学者こそが国家を統治するべきだと考えたんです。これこそが『哲人政治』ってわけです」


野獣「欲望が多い人は金や権力に目がくらみ、意思が多い人は何も考えずに動いてしまう。…この二つを操れる哲学者こそが向いているって考えた訳だな」


三浦「なるほどなぁ…。だったらプラトンが政治すれば良かったのに」


木村「彼はアカデメイアという学園を作ったりと、色々していましたからね。逸れますが、プラトンはレスリングが得意だったらしいですね」


野獣「申レN」


三浦「レスリングが得意なら空手も得意なはずゾ(暴論)一緒に空手、やりたかったなぁ」


野獣「レスリングが得意だからと言って空手が上手い保証なんて何処にもないと思うんですけど(名推理)」


木村「ざっとプラトンに就いてやりましたが、三浦先輩も理解してくれたようで嬉しいです。早速次に取り掛かりましょう」

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