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迫真空手部・哲学の裏技  作者: そのまんま東のような人物のイラストをイメージ画として自身が一種の淫夢系のキャラクターとして扱われている、近年ではイワナ系朗読やFXで有り金を溶かしたりしている朗読兄貴
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構造主義レイプ!野生の思考と化した空手部

木村「さて、今回は『構造主義』についてやっていきます。まず、社会には構造があるのだ、と考えられました。この構造は人間の生活の中で無意識に作られていくんです。こうした言語や文化に注目した哲学を『構造主義』と言います」


野獣「理性万能主義くん!病室に戻ろう!」


木村「まず、この構造主義に大きく影響を与えた哲学者についてやっていきましょう。彼の名はソシュールと言います。彼は言葉について分析しました」


三浦「淫夢語録もソシュールによって分析された可能性が微レ存…?」


野獣「あるわけねえだろ」


木村「今まで言葉は、先に物があって、それに看板を付けるようにして言葉が生まれたのだ、と考えられました。ですがソシュールは、言葉を『ラング』と『パロール』の二つに分けて考えたのです」


三浦「つまり言葉はラングとパロールによって出来ていたのかゾ?」


木村「先に答えを言ってしまいますと、その通りです。まず『ラング』とは「文法」であり、『パロール』とは「人が話す動き」です。人は『パロール』と言う行動を経て『ラング』を言うのです」


野獣「つまりラングこそが言葉の本質なんだな!」


木村「そうです。このラングとパロールが合体したものを『ランガージュ』と言います。このランガージュこそが言葉なのです。そしてソシュールは"ラング"に重点を置いたのです」


三浦「ふたいたいは(意味不明)」


野獣「今の三浦さんの発言も、『パロール』を行う三浦さんと、『ふたいたいは』と言う『ラング』があったからこそ言葉になったんですね、分かります分かります」


木村「そんなソシュールは、文字を記号だと考えました。彼は文字や音声を『シニフィアン』、そのシニフィアンによってイメージされるものを『シニフィエ』と呼びます」


野獣「つまり『猫』と言う文字や音声はシニフィアンで、そこから連想されるネコのイメージこそがシニフィエなんだろ?」


木村「はい。この二つ、シニフィアンとシニフィエを合体させたものを『シーニュ』と言います。そんなシニフィアンは記号であり、この記号によってシニフィエが浮かび上がってくるのです」


三浦「シニフィエ! シニフィエ見てるかー?!フラーッシュ☆」


木村「しかし、シニフィアンとシニフィエには絶対的な結びつきはないのです。皆さん、何故だか分かりますか?」


野獣「(分から)ないです」


三浦「おい、待てゐ(江戸っ子)…確かに日本語では「わに」って言うけど、英語では「アリゲーター」と「クロコダイル」に分かれてしまうゾ。同じシニフィエでも、シニフィアンの数が違ったりするゾ」


木村「三浦先輩が言ってくれた通り、言語によってシニフィアンやシニフィエの数に差異が存在するのです。ですからソシュールは、物と言葉に絶対的な結びつきはないと考えたのです。これを『言語の恣意性』と言います」


野獣「ですよねぇ?」


木村「ですから彼は、世界は言語によって分けられているのだ、と考えたのです。そして僕たちは、その言語世界だけで考えているに過ぎないのです」


三浦「今の俺たちは確かに日本語と言う世界でしか考えていないゾ…」


木村「こう言った考え方が、構造主義に大きな影響を与えました。そんなソシュールの哲学を利用したのがレヴィ=ストロースです。彼はサルトルの実存主義を批判し、『人間は構造に支配されていて、自由では無い』と言ったのです」


野獣「つまりレヴィ=ストロースは、先に文化や言語と言う構造があって、その下に人間がいるって考えた。だからサルトルの『実存は本質に先立つ』と言う考え方を気に入らないんだろ?」


三浦「なるほどゾ…」


木村「ですから彼は、人間は構造に束縛されるのだ、と言います。こうした考えに合わせて、レヴィ=ストロースは沢山の人と過ごし、人間の文化や言語と言った構造を調査したのです」


野獣「んにゃぴ…確かにレヴィ=ストロースは多くの未開部族と行動を共にした、とは聞いた事あるけど、元々は構造主義の調査だったんすねぇ」


木村「その調査を続けていくうち、彼はとある発見をします。それは「近親婚の禁止」です。どの未開部族も、そして我々も、近親婚はしません。これこそが人類共通の構造だ、と彼は言います」


三浦「でも近親婚をしている人もいるゾ…」


木村「でも、最近は法律で禁止だと定められていますし、未開部族も無意識に近親婚を行わないのです。こう言った中で近親婚を行うのは「近親婚をしてはいけない」と理解された上で行われるのです」


野獣「つまり無意識的に近親婚は行われないんだな」


三浦「あっ、そっかぁ」


木村「こうした近親婚を筆頭に、物事は現象だけでなく、それと関係のある社会や文化の構造から読み取るべきだ、とレヴィ=ストロースは言います。これこそが『構造主義』なのです」


野獣「答えは構造ってことやな(構造主義者)」


木村「しかし、彼はサルトルと論争になってしまいます。それは先程の実存主義批判だけでなく、サルトルの『アンガージュマン』と言う考え方への批判もありました」


野獣「アンガージュマンってなんだよ(無知)」


木村「『アンガージュマン』とは、社会に積極的に参加して歴史を進歩させようとする考え方です。しかしレヴィ=ストロースはアンガージュマンを否定します。何故なら、歴史のない未開部族に歴史の変化は不要だからです」


三浦「こう考えると、なんだかサルトルの思想は押し付けに見えるゾ…」


木村「そうです。彼にとって、サルトルのアンガージュマンは文明的な考え方の押し付けそのものだったのです。サルトルは未開部族のことなど一切考えていない、と批判したのです」


野獣「はえ^~」


木村「そして彼は歴史について考えます。サルトルが言った文明的な考え方では、設計図をもとにするので未来を想定します。ですから進歩し続けるのです。しかし未開部族では、その場の材料を組み合わせるだけなので未来は想定しません。なので歴史は変化しないのだ、と考えたのです」


野獣「そう言われると、なんか未開部族のほうが社会が安定してそうだな」


木村「こう言った文明的な考え方を『文明の思考』と言い、未開部族のような考え方を『野生の思考』と言います。どちらも構造的には異なりますが、この二つがお互いに支え合うべきなのだ、とレヴィ=ストロースは言うのです」


三浦「でも、そんな事言ったらサルトルがブチギレそうだゾ…」


木村「なので論争が起こったのです。ですが多くの人は、これはサルトルの敗北だと捉えています。一部では『実存主義への死亡宣告』とも言われているらしいですね」


三浦「かつてはあんなに栄華を誇っていた実存主義も終わりを迎えたのか…」


野獣「盛者必衰、はっきりわかんだね」


木村「さて、続いてはアドラーについてやっていきます。アドラーは心理学者であり、元々はユングなどと言った精神学者と並ぶ人ですね」


野獣「じゃあユングとかと面識はあったのか?」


木村「あったと思いますよ。何故なら、ユングもアドラーも、同じフロイトの弟子だったんですから」


三浦「そうだったのかゾ…」


木村「そんなアドラーは、最近になって人気を集めていますね。そんな彼の考え方はフロイトやユングの考え方とは異なり、『個人の心は分けられない』と思ったのです」


三浦「確かにフロイトはエスや超自我、ユングはアーキタイプを提唱して、心を分析しようとしていたゾ…」


木村「こうした考え方を『個人心理学』と言います。彼は個人心理学の中で、人間の行動性を考えました。そしてアドラーは、「人は原因では無く、目的によって動かされているのだ」と考えたのです」


野獣「例えば虐待を受けたことがトラウマとして出てきた時、「虐待を受けたこと」がトラウマとして出てきたのではなく、トラウマの理由を虐待のせいにした、って言いたいんだろ?」


木村「ええ。つまり、自分が受けたことでは無く、自分が決めたことなのです。これがフロイトやユングの『原因論』とは異なる『目的論』と言う考え方です」


三浦「(トラウマ)ああああもうやだあああああああ!!!!!」


木村「こうした考え方は「厳格的だ」と言われます。責任は自分にある、と言い放ったアドラーの考えには疑問を抱くかもしれません。そんなアドラーはトラウマを否定します。何故なら、自分たちがこれから取り組まなければならない課題に対して、トラウマで逃げてはならないと考えたからなのです」


野獣「トラウマは逃げである、だから『目的論』を唱えたんだろ?」


木村「はい。ですからアドラーは自由意思を認めます。その自由意思によって行動を選択する責任は、その人自身にあります。よって彼は、そう言った場面に直面しても、治るか治らないかはその人自身にあるのだ、と考えました。誰かに甘えず、自分で決めろ、と言うことなのです」


三浦「確かに「あなたのトラウマはあなたのせいではありません。」と医者が言ったら、患者は医者の言う事を信じてしまい、やがて医者に依存してしまうゾ。こうした甘えを取り除き、自分で決定せよ、と言いたいのがアドラーなのかゾ?」


木村「お察しの通りで。ですからアドラー心理学、言い換えて個人心理学は『目的へ気持ちを向けろ』と言う学問です。どんな精神病も、そうなった責任を突き詰めて、自分で克服する。そうすることで乗り越えられるんです。医者が代わりに乗り越えるのではないのです」


野獣「当たり前だよなぁ?」


木村「ですから、前に一歩を踏み出す勇気こそが、自分を幸せに連れて行ってくれるのです。最初から精神病のせいにする人には幸せは訪れません」


三浦「全ては自分…」


木村「しかし、他人から嫌われないように生きると、自分の"ありのまま"の生き方は出来なくなります。そうすると「目的へ気持ちを向けろ」と言うことも、他人の顔色ばかりうかがって出来なくなります。ですから、他人に嫌われることで自分らしさを表現し、前に進もうとする勇気こそが『嫌われる勇気』なのです」


野獣「嫌われる勇気のパワーをください!」


木村「…今回はここまでにします。前半の構造主義と、後半のアドラー心理学。どちらも哲学界では有名人ですが、こう言った思想を学ぶ事で得られる人生の決め方があるかもしれませんね」

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