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迫真空手部・哲学の裏技  作者: そのまんま東のような人物のイラストをイメージ画として自身が一種の淫夢系のキャラクターとして扱われている、近年ではイワナ系朗読やFXで有り金を溶かしたりしている朗読兄貴
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社会主義レイプ!資本家と化した空手部

木村「今度も資本主義経済の発展から生まれた哲学に就いてやっていきます。前回はアダム・スミスの『神の見えざる手』をやりましたが、果たして本当に皆が幸せになれるのでしょうか?」


野獣「んにゃぴ…こう言うのって貧困や失業が問題として挙げられると思うんですけど(名推理)」


木村「その通りです。…自由競争が進み、神の見えざる手によって導かれたであろう経済は、やがて多くの失業や貧困を生み出しました。そして、金を払って雇う「資本家」と雇われて働く「労働者」の階級の差が激化してきたのです」


三浦「資本家ばかりに労働者が蔑ろにされていってしまうゾ…」


木村「こう言った社会問題について考えた哲学者が出てきます。彼らはこうした社会問題の原因として利己的な競争、言い換えて自分勝手な競争をする人が増えたからだと言います。なので彼らは相互の助け合いの社会を目指したのです」


野獣「確かに互いに助け合えば、失業や貧困は消えますねぇ!消えます消えます」


三浦「それで万事解決だゾ!!」


木村「こう言った思想を『初期社会主義者』と言います。彼らは社会の調和や絆を重視したのです」


野獣「あっ、これが社会主義の誕生かぁ!」


木村「まず、代表的な初期社会主義者を紹介しておきます。最初はオーウェンです。彼は社会主義を形成し、それを活かして『ニューハーモニー村』というものを作りました。これこそが彼の思想を取り入れた共同体なのです』


三浦「つまり、互いに助け合ったりする社会を築いたのかゾ?」


木村「ええ、その通りです。しかしニューハーモニー村は僅か数年で閉村に追い込まれてしまいます。…次はサン=シモンについてです。彼は生産こそを重視し、『産業主義』を提唱しました。これは資本家や労働者も含めて、生産に携わる人たちが尤も大切な人たちである、と言う考え方です」


野獣「殆どの人たちが生産者だから、つまり殆どの人たちが一番偉いってことか?」


木村「はい。当時の社会は資本家ありきだったので、そう言った面から顧みるに、労働者の地位の向上を目指したサン=シモンの存在価値は極めて偉大なものなのです」


野獣「はえ^~すっごい…」


木村「最後はフーリエです。彼もオーウェン同様に、『ファランジュ』と言う協同体を作りました。しかしファランジュは資金が足りなくなったので中止となりました」


三浦「えぇ…(困惑)」


木村「今言った三人の哲学者を代表して"初期社会主義者"なんて言いますが、これらの考え方を非難する哲学者が出てきます。その人物は、初期社会主義には科学的分析が足りないのだ、それは初期社会主義では無く『空想的社会主義』になっているから我々は克服しなければならない、と言います。その人物こそが、かの有名なカール・マルクスなのです」


野獣「(哲学界の重鎮が)で、出ますよ」


三浦「これが社会主義ちゃんの親ですか?」


木村「マルクスは先輩がたも既知であるほど有名ですね。今なお大きな影響を及ぼし続ける彼の思想について、今からやっていきます」


野獣「オッスお願いしま~す」


木村「彼は社会問題の原因として、資本家と労働者の格差が大きくなったためだ、と考えます。そして資本家階級を『ブルジョワジー』、また労働者階級を『プロレタリアート』として言い表し、彼の哲学の根幹になるのです」


三浦「俺は労働者だからプロレタリアートだゾ…」


木村「プロレタリアートは土地や工場を持っていません。なのでブルジョワから土地や工場を借りて働くのです。その利益の殆どは、土地や工場を貸しているブルジョワに行きます。ですからプロレタリアートには全然利益が入らないのです。彼はこれを問題として判断し、こう言った土地や工場などの『生産手段』は公有化すべきだ、と考えました」


野獣「分かります分かります」


木村「しかし、人間は生きるために物を生産し続けなくてはいけません。ですからマルクスは、人間の本質は『労働』である、と言い放ちます。本来の労働は、自分自身を社会の中で表現出来るものでした。しかし生産手段を持たないプロレタリアートはブルジョワに振り回され、労働が苦痛になっていくのです」


三浦「おっ、待てゐ(江戸っ子)…どうして労働は社会の中で自分自身を表現できるのかゾ?」


木村「今、我々三人はホモビ男優として稼いでいます。しかし他の人はカメラマンであったり、警察官であったり、変態郵便屋だったりします。つまり自分自身で労働を選べるのです」


野獣「要するに、人それぞれの労働を受け持っているからこそ、マルクスは『労働』こそが人間の本質だ、と言ったんだろ?」


三浦「多分変態だと思うんですけど(名推理)」


木村「この、プロレタリアートがブルジョワによって扱き使われて、本来の労働の楽しさが失われることを『労働の疎外』と呼びました。これを打開するにはブルジョワを倒すしかない―――ですから彼は革命的な思想に近づいて行くのです」


野獣「もしかして社会革命か?」


木村「ええ。…例えブルジョワがプロレタリアートを扱き使っていても、生産力は絶えず発展します。そしていつか、生産力はブルジョワとプロレタリアートの関係をも破壊してしまうほど巨大なものになります。その時、今までブルジョワに虐げられてきたプロレタリアートは反旗を翻すのです。巨大な生産力を操っていたのは、他の誰でも無い、彼らなのですから」


三浦「今まで散々いじめられてきた復讐をする、って事か・・・」


野獣「真っ赤に染まります染まります」


木村「これこそが『階級闘争』です。生産力を背後に存在するプロレタリアートは何も怖くありません。彼らはブルジョワに対して攻撃し、倒すことで新たな生産が始まるのです」


三浦「はえ~」


木村「こうした階級闘争の背景には、『唯物史観』と言う考え方があります。経済の発展に応じて"階級闘争"が発生し、人類の歴史を変えていくのだ、と言うものですね」


野獣「階級闘争が人類の歴史を変えていく…。確かにそうだった、彼が死んだ後にもレーニンや毛沢東を筆頭として革命が勃発したな。確かに"歴史は変わった"」


木村「こう言った階級闘争には、人々の意識や思想、宗教などが大きな影響を与えます。こう言ったものは生産力の変化によって、平行して好都合なものに変化していくのです。つまり、「生産力」こそが全ての土台であり、我々の考え方や意識は全て生産力によって変わり続けて来たのです」


三浦「確かに今まで哲学をやっていった中で、人文主義とか社会契約説とか、人々に大まかな意識を作ったのは全て経済、要するに生産力が背景にあるんだゾ…」


木村「その通りです。マルクスはこう言った関係を記し、全ての土台である生産力は『下部構造』、そして人々の意識や思想は『上部構造』と呼びました。つまり意識や思想は生産力があって初めて成り立つ訳です」


野獣「生産力こそが全て、って事か…」


木村「しかし、この下部構造や上部構造を理解せずに、自分の考えを口々にする人たちがいます。そんな彼らも足元の"生産力"と言う土台の上で叫んでいるだけに過ぎません。そんな彼らの偽の意識を、マルクスは『イデオロギー』と呼んで非難したのです」


三浦「でも、今じゃ普通にイデオロギーって言葉を耳にするけど、悪い意味なんて思えなかったゾ…」


木村「ここではマルクス流のイデオロギー論ですから。…無論、他にも様々な定義が存在します。ですが彼はこう言った定義をしたのです」


三浦「あっ、そっかぁ…」


木村「こうして出てきたマルクス哲学は、瞬く間に世界に広がって行きます。そんな彼の有名な著書は『共産党宣言』です。これは彼の友人であるエンゲルスと一緒に書いたものですが、今でも名を轟かせる有名な著書ですね」


野獣「聞いた事ありますよ~あるある」


木村「さて、今回はここまでにします。この社会主義が如何にして広がったかは世界史の要領ですが、気になった人は調べたら面白いかも知れないですね」


三浦「おっ、そうだな」


木村「では、最後の一言。…『万国の労働者よ、団結せよ!』…マルクスをやった時は一度言いたかった台詞です」


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