社会契約レイプ!自然状態と化した空手部
木村「さて、先輩がた。…突然ですが、国王は神の遣いであり、国王に逆らう事は神に逆らう事だ、とする考えについて、どう思いますか?」
野獣「ないです」
三浦「当たり前だよなぁ?」
木村「このような考え方を、ボシュエと言う人物は唱えました。国王は何人にも拘束されない、ただ絶対的な存在――こう言った思想を『王権神授説』と言います。しかしお2人は凄い反発ですね」
野獣「要するに、国王がやる事なす事全てが神の遣いであるなら、国王の全ての行為を肯定してしまうぜ?…だったら国王が昏睡レイプしても赦されるのか?」
木村「まぁ…確かに間違った事は言っていませんが、一応弁明しておくと、ボシュエの王権神授説は新約聖書を理論的根拠としているんです」
三浦「そんな出鱈目が書いてあるのか…ポッチャマ…」
木村「抜粋しますと、『すべての人は、上に立つ権威に従うべきである。なぜなら、神によらない権威はなく、おおよそ存在している権威は、すべて神によって立てられたものだからである。』と書いてあります。これは『神』と言う存在が秩序の神である以上、神によって立てられた権威は神によるものだ、と言うんです。これが王権神授説の根拠となっています」
野獣「つまり国王がローマ教皇などに動きを止められないように、しっかりと聖書の内容を理論的根拠としている訳だな」
木村「そうです。…しかし、それに疑問を抱いたのは民衆です。彼らは自ら国家権力の存在意義を見出そうとしたんです。ここで生まれたのが『社会契約説』と言う思想です。主な思想家が3人いるので、違いも含めてやっていきましょう」
野獣「オッスお願いしま~す」
三浦「よし、じゃあ(頭に)ぶち込んでやるぜ!」
木村「先ずはホッブズについてやっていきます。…彼は『リヴァイアサン』と言うものを書き、その著作の中で『自然状態』と言うものを説きました。さて、また先輩がたに質問しますが、公的権力…つまり国王や政府が無いと、国はどうなってしまうと思いますか?」
野獣「下北沢キタキタ祭りでも始まるんでしょ(適当)」
三浦「それは無いと思うゾ。でも、権力が無い以上はやりたい放題になってしまうんじゃないかゾ?互いに争ったり…見ても見てられない世界になるゾ…」
木村「いま三浦先輩が仰ったように、ホッブズは『万人の万人に対する闘争』が起こると言ったんです。つまり人々が互いに自由を求めて戦ってしまう、一種の内戦状態です。…この"自由を求めて戦う"権利を「自然権」と言い、皆が皆これを使うと反発が発生して、戦いが起こってしまうんです。これでは個人の自由が守れませんよね?」
三浦「そうだよ(便乗)」
木村「ですからホッブズは、皆はその自然権を誰かに譲渡しなければならない、と言ったんです。そうすれば互いに自然権を使えなくなるため、戦いは発生しませんよね?」
野獣「んにゃぴ…よく分かります分かります」
木村「この『自然権を譲渡する相手』こそが国王なのです。国王は皆の自然権を預かる以上、自然権を行使した人を処罰しなくてはなりません。…こう言った国王の強大的な存在を『リヴァイアサン』と呼んだのです」
三浦「リヴァイアサンって恐ろしい海獣のイメージがあるゾ…」
野獣「ありますねぇ!ありますあります」
木村「しかし、これは国王の王権神授説を肯定するものになってしまいませんか?」」
野獣「あっ…」
木村「だから非難されてしまうんです。当時ピューリタン革命が起こり、民衆は王権神授説を肯定したホッブズを責め立てました。ここで出てきたのがロックです。彼は主著『統治二論』の中で、犯罪者の処罰や、国民の保護などの一部は国王などの権力に信託すべきだ、と考えました」
三浦「一部は信託するのかゾ?」
木村「はい。…ですが、主権はあくまで国民にあるべきだ、と考えたのです。そして、国家や国王が権力を乱用した時は革命を起こし、新たな国家を作るべきだ、と言いました。この革命の権利を『抵抗権』と言います」
野獣「革命…社会主義的な思想だな」
木村「ですが一部権限は国王などの公的権力に委ねられるべきだ、と言ったので社会主義的思想とは少し程遠いですね。…ですが、抵抗権の在り方は近いですね」
三浦「でも公的権力が圧倒的な武力を行使してしまえば抵抗権も意味無くなるゾ…」
野獣「まずいですねぇ!」
木村「ですからロックは、国家や国王の権力を分割し、互いに抑制し合うべきだ、と考えたのです。これがかの有名な『三権分立』です」
野獣「はえ^~」
木村「そして主権は我々国民にあります。…正にこの主権こそが「自然権」ですが、ロックの言った自然権とは『自分が持つ身体や財産』、つまり"固有の権利"のことです。これを『所有権』と言います」
三浦「今では当たり前のように保障されているけど、当時は当たり前じゃ無かったのかゾ…悲しいなぁ…」
野獣「ですよねぇ?うーん」
木村「此処で出てきたのはルソーです。彼は著作『社会契約論』の中で、ホッブズとは反対に、自然状態こそ人間にとって一番理想的である、と考えました」
野獣「アレだろ、『自然に帰れ』だろ?」
三浦「あっ、あの名言ってそう言う意味だったのかゾ!」
木村「その通りです。だからヴォルテールはルソーに『あなたの著作を読むと四本の足で歩きたくなります』と言ったんです」
野獣「コイツ前にも出てきたよな」
木村「色々な場所で活躍していた人ですからね…。…更にルソーは公的権力、つまり政府や国家の存在を「要らない」として否定します。代わりに皆が持つ助け合い、思いやりの心を持って直接民主制になることを望みました。この"助け合いの心"を『一般意思』と言います」
野獣「なるほどなぁ…」
三浦「嘘つけ絶対に一般意思を捨てて悪事を犯す奴が出て来るゾ」
木村「悪事なんてまだ可愛い方なのかもしれません。酷いとこれが独裁に走る事があります。…『私は一般意思の体現者だ』とする独裁者は、ルソーの思想を理論的根拠として独裁してしまうかもしれません。現に恐怖政治、つまり独裁を行ったロベスピエールはルソーの愛読者でした」
野獣「まずいですよ!」
木村「そうした中で、ロックが言った三権分立を細かく分析したのがモンテスキューです。彼はロックの三権分立を『連合』『立法』『執行』として分けるべきだ、と言いました。そしてこれらは今でも、順に『行政』『立法』『司法』として活きているのです」
三浦「つまり近代政治の親とも言えるのかゾ?」
木村「三権分立を生み出したロックと、連合や立法と言った概念を作り出したモンテスキューはそう言っても過言ではありません。しかし、この"社会契約説"と言う思想そのものが近代政治の親とも言えますね」
野獣「はえ^~すっごい深い…」
木村「さて、今回はここまでにします。余談ですが、ルソーは幼少期に女性の家庭教師にお尻を叩かれて変態になったとされています。それ以降は自分の身体を鞭で叩いたり縛ったりしていたらしいですね」
三浦「えぇ…(ドン引き)」
野獣「お前精神状態おかしいよ…」
木村「若い婦人を見つけては、その場で裸になってリアクションを楽しむという性癖もあったらしいです。しかもルソーが少年の時、強姦未遂で逮捕されたようですね。控えめに言って頭おかしいです」
野獣「それ控えめなのか…?」
三浦「少年時代にレイプとかやべえよやべえよ…」
木村「お前らも俺をレイプしただろ(ガチギレ)」
野獣・三浦「すいません(自省)」
木村「…さて、次に移りましょう。演技と言えど、二度とあんな目に遭うのは御免ですよ」