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雨とバイパス

 空は灰に、黒く染まっている。雨だ。しかし、冷たくはなさそうで、濡れてもきっと生ぬるいのだろう。きっと、この車内のエアコンのように。

「今頃向こうでは、雨が降り出したとか言われているんでしょうね」

 運転席から後部座席の私に向かって声がする。ルームミラーに映る彼女の目はからかっているように見える。

 ああ、私にその言葉は聞こえなかった。そういうことにしよう。

「この道、いい加減に二車線にならないものかね。事故があったとき不便で仕方ない」

 私の言葉に、あなたは車を運転しないでしょう、と彼女は言葉を返す。

「事故で渋滞にあったと、毎度毎度、愚痴を聞かされる身にもなってもらえないだろうか。そして、ちゃんと前を見るべきだ。あなたが原因の事故に巻き込まれるなんて、たまったもんじゃない」

 彼女はオーディオの音量を上げる。

「あら、雨足が強くなってきたわ」

 ルームミラー越しにまた彼女と目があう。

「さすがね」

「何がだ」

 確かに私は雨男だが。

「さすがね」

 何を笑っている。

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