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四話目です、よろしくお願いします。

アデル領に居る、両親の要件は……。

それは今は措くとして、首都に私が居ない時に届いたという。

私は、それが非常に気になって仕方なかった。


それを聞きたくて、急ぎ首都へと帰還したといっても良いくらい。


だがそれは、期待する様な物ではなかった。私はこれから聞く事が、一番聞きたくない物になるとは想いもせず、首都で留守を預かってくれていた皆を集める。留守中に首都で起きた事は、一通りの内様を衛兵隊から聞いていたが、外部からの報告が入った以外には、取立て言う事も無い様だけど……。


私は、入って来た報告の内容を知るにしても、信頼する彼女達から直接聞きたかった事もあり、首都の各場所に散っている仲間の元へ使いを走らせた。


だけど、私が帰還した知らせを受け、集まってきた彼女達の表情は暗い。

彼女達は何を聞かされた?。

外部から寄せられた報告とは、一体何の事なのか?。


「アネス教えて、どんな報告が入ったと言うの?」

「うむ、ロゼが首都へ戻るまでと皆で話し、事の真偽を確めていないのだ……」

「うん、もったいぶらずに、早く教えてよ」


アネスは、本当に離し難そうに言葉を繋いだ。


「実は……、ユキヒトが持っていたと思われる刀が見付かった」

「ええっ! 、一体何処でっ?」


私は、次の言葉を早く聞きたくて彼女に詰め寄った。

そして彼女は、話を続ける。


「開拓村周辺の……、森の中でだが」

「え?……でも、あの辺りはとっくに捜索が終ってたはずだけど?」

「うむ、けどな刀と一緒に別の物も……な」

「別の物……って、何が見付かったのよ?」


彼女達が聞いた報告とは、アネスが素直に話してしまわない処を見ると、私に伝え難い物なのは理解したが、こう歯切れ悪くされてはさっぱりと分からない。いい加減に焦れた時に、アネスの肩を掴み、ゆする私をマリネとイリスが抑えてきた。


「もう……一体何があったのよっ!」

「ロゼ様、刀と一緒に見付かった物と言うのは……」

「ロゼ様……見付かった刀は、死体の傍に在ったんです」


イリスの口から、それは語られた。


報告内様を聞いた私は、その場で昏倒しかけ、咄嗟に腕を出したズグロに受け止められ支えられた。そのお陰で、わたしの身体は地面へ倒れずに済んだが、全身から力が抜けた様に彼女に倒れ込んでいる。ズグロは、糸の切れた人形を抱く様な体勢を、とり続けることに成った。


私は、ズグロに支えられた後、地面へ崩れ落ちた。

そして、口からは力の内言葉を出していた。


「彼は、ユキヒトは死んだの?」

「それは……、まだユキヒトと決った訳じゃない」

「でもっ! 、死体が見付かったんでしょっ! 、きっと彼に決ってるわっ!」

「ロゼ様、少し落ち着いて下さい。不安なのは皆も同じです……」


イリスの言葉で、目が覚めた気がする。彼女の言う通り、ユキヒトが居なくなって哀しんでいるのは、私一人だけじゃ無い事を私は忘れていた。


「御免なさい……、私どうかしていたわ」

「少しは落ち着いた処で、一緒に事の真偽を確めに行こう」


全くもって、情けない限りの醜態を晒してしまった。

こんな事では、彼と生きて再会した時に逢わせる顔がない。

もっと、しっかりしなくては…………。


そして今聞いた事を確めに行く!。

そこで見た事を、私は受け入れる覚悟は出来た。








有難うございました。

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