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外伝三話です、よろしくお願いします。

 アデル領からの急報…………。

 

一体何が?と、急ぎかけ付けてみれば。

「皇女殿下、両陛下より御呼び出しのご命令です」


何の事は無い、皇王である父からの呼び出しを伝える使いだった。

アデル領に居る二人が、私に何の用事が…………?。


「おと……両陛下は、私にどの様な用事が有ると?」

「私は使いのみ、詳細は殿下に直接との事です」

「そう、しかしこまったわね。首都を留守にするのは……」


二人からの呼び出しとなれば、無視も出来ない。

かといって、首都から皇族が全員姿を消すと言うのも、もし諸外国からの使者でも訪れた時、対面が保てないのでは?。


〝この国は、諸国に沢山の借りが在るのに〟


そんな事を、頭で考えている自分が不思議に思えた。

自由気ままに生きて来た私が。

今更、私が国の対面気にするとは……


「行って来いロゼ、留守中は私達が責任持って首都を守ろう」

「そうです、私達に任せて下さい」

「うーん……」


留守にした後の、首都の防衛に付いては何も心配はしていない。厄災レベルの事なら別だけど、そんな物がおいそれと起こる筈も無く、それ以外だと何が遭っても対処出来る。二人の心遣いは嬉しいが、そう言う事では無い。この私をいま悩ませている物はというと。


それは、これまで一度も気に掛けた事の無、国家の対面。

皇女としての自分に目覚めた……とっでも?。


「皇女ロゼ、何か問題でも?」

「まさか、私達を信用できん……、とは言うまい?」

「ち……ちが違うっ! 、そんな事じゃないってっ!」


アネスの言葉に慌て、両手を振り取敢えずは否定したけど。

これはどう説明したものか……?。


〝国家の対面が保てないっ!〟


なんて事を……正直に、今更言うのも恥かしい……気がするし。

そんなこんなで、悩んでいると。


「ロゼ……さまかと想うが、今更、国家のメンツとか言うのではあるまいな?」


 ドキッ……!


「ロゼ様…………、今頃そんな事を」

「わ、悪かったわねっ! 、私だって一応は……」


完璧に見透かされてる……。

自分の顔が真っ赤に成るのが自覚できた。


「大丈夫、諸外国もこの国の事情は理解しています」

「イリス……本当に問題無いと想う?」

「はいっ! 、安心して留守を任せて下さいね」

「わかった、行って来る」


帝国皇帝の妹からの、お墨付きも出た事でも在るし、ここは彼女達を信頼してみる事にしよう。いやそうじゃない、信頼はとうの昔にしている事で、私が変に繊細に成り過ぎていただけ?。


この妙な心境の変化も、あの人が戻って来ないからなのだろうか?。

だが、今は別の事を考えよう……。

兎角、アデル領で二人に逢って要件を聞く事にする。


首都を彼女達に任せ、私は一路アデル領へと向った。

元大公邸へ到着、両親と逢い要件を聞き始めた頃。

首都へ、別の一報が届いていた。


アデル領から戻った私が、その報告を受けた時。

最初に、今になってその報告が入る事に、驚きを覚えた……。


そして……、アネスから報告の続きを耳にして。

その、意味を考え頭に結論が浮かぶ。


その時私は、気を失うほどの絶望を味わう事に成る。




 

有難うございました。

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